熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times ローテに復帰した前田健太に関する5つのQ&A

 今週は、ドジャースの先発ローテーションに復帰した前田健太にスポットを当てたい。素朴な疑問を5つ提示し、それに答える形で、彼が直面する課題を具体的に浮き彫りにしていこう。

 Q1:ローテに復帰できたのはなぜか?

 オールスター明けからマエケンが先発ローテに復帰したのは、ド軍の先発3番手、ブランドン・マッカーシーが右人差し指のマメを潰し、さらにエースのクレイトン・カーショウも腰の張りで、2人がDL入りしたため、実現したものだ。
 マッカーシーは8月上旬に復帰するが、カーショウの復帰は8月下旬になる見込み。そのため、トレードで大物先発投手が加入しない限り、マエケンは少なくとも8月下旬までは、先発で投げる可能性が高い。

 Q2:マエケンが日本人投手で最多の9勝をしているのはなぜか?

 7月27日現在、日本人投手で一番勝ち星が多いのはマエケンの9勝(4敗)で、ダルビッシュ有の6勝(9敗)よりずっと多い。今季、不調と伝えられていたマエケンが9勝で、好調のダルが6勝止まりなのは、以下の理由による。
 (1)チームの打線が好調で、マエケンが5回までに3〜4点取られても、味方打線が5〜6点取ってくれることが多い。
 (2)ド軍は内外野に守備力の高い選手が揃っていて、長打性、ヒット性の当たりを好捕してアウトにしてくれるケースが頻繁に見られる。
 (3)今季もリリーフ陣が好調で、マエケンが5回で降板しても、1、2点の僅少リードを守り切ってくれる。
 一方、ダルが6勝止まりなのは、この条件に気の毒なほど恵まれないからだ。
 ただ、メジャーではチーム力に大きな差があるため、先発投手の実力を測る指標として重視されるのは勝ち星ではなくQS(6回以上を自責点3以内)の数である。マエケンはこれが3つしかない。これはメジャーの107人の先発投手(80イニング以上)でワーストの数字だ。それに対し、ダルはQSが15。これは107投手中5番目に多い数字だ。

Q3:ドジャースがワールドシリーズに進出する可能性は?

 60%以上はあるだろう。
 ド軍は5月以降、手が付けられない好調ぶりで、地区優勝は100%確実だ。ナ・リーグの覇者を決めるリーグ優勝シリーズで昨年同様ナショナルズと対戦する可能性が高いが、得点力とリリーフ力で勝るド軍有利と見る向きが多い。

 Q4:ドジャースがダルビッシュ獲得に動いたのはなぜ?

 7月24日、MLBの公式サイトに、「ドジャース、ダルビッシュ獲得に強い関心」という衝撃的な見出しの記事が出た。それによるとド軍はダルを7月末トレードの第一目標に掲げ、GM同士がトレードに関する初期段階の話し合いまでしていたという。先発投手が7人いるド軍が、さらにダルまで獲得しようとしたのは、7人の先発投手のうち5人がサウスポーだからだ。右投手は防御率が平均レベルであるマッカーシーとマエケンの2人だけで、「右のエース」と呼べるレベルの投手を獲得できれば、ポストシーズンで優位に立てるという思惑があったからだ。

 Q5:マエケンの、今後の目標は?

 最初にクリアしたいのは、8月下旬にエースのカーショウが復帰しても、ローテにとどまることだ。現在、マエケンのチーム内ライバルは韓国人左腕の柳賢振(ユ・ヒョンジン)で、防御率と安定感はほぼ同レベルにある。ただ、マエケンはシーズン序盤のような一発を頻繁に食うことがなくなっているが、柳は相変わらず一発リスクが高い。それゆえ、マエケンは4.00前後の防御率をキープできれば、ローテに残ることになるだろう。
 第2の目標はポストシーズンのメンバーに入ることだ。これはシーズン終盤にスランプに陥って、防御率が5点台に落ちない限り大丈夫だろう。
 ポストシーズンのローテで1番手カーショウ、2番手ウッドは確実。この2人は左腕投手なので、3番手に右腕投手を起用して、4番手に左腕の技巧派ヒルを起用するだろう。
 ドジャースがダルビッシュ獲得に動いたことは、球団が2人の右腕マッカーシーとマエケンをそう高く評価していないことを示すものだ。しかし、レンジャーズはダル放出を思いとどまる可能性が高く、もう1人の大物右腕ソニー・グレイ(アスレチックス)の獲得も実現は困難とみられている。
 そのため3番手はマッカーシーかマエケンということになるが、現時点ではQSがマエケンよりずっと多いマッカーシーが使われる可能性が高い。ただ、防御率はマッカーシーが3.84であるのに対し、マエケンは4.09で大差はない。レギュラーシーズン終了時点で、マエケンが防御率を3点台半ばにできれば、先発3番手で使われる可能性が出てくる。

スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)
今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。

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