ベイ黒星発進 奇跡願いファン声援

ベイ黒星発進 奇跡願いファン声援

横浜スタジアムでのパブリックビューイングには1万3千人の横浜DeNAファンが集まった。遠く離れた決戦の地・マツダスタジアムへ届けとばかり、熱い声援を送った=12日午後8時ごろ、横浜市中区

 いざ、真の下克上へ−。横浜DeNAベイスターズが初進出を決めたクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージが開幕した12日、本拠地・横浜に熱い声援が響いた。リーグ覇者の広島カープを破れば、18年ぶりとなる日本シリーズの舞台が待つ。「必ず勝ってハマスタに帰ってきて」「まだまだ、絶対に諦めない」。初戦は飾れなかったものの、夢に突き進むチームに奇跡をもたらそうと、ファンの熱気が夜の街を包んだ。

■CSファイナル初戦
 「ファイナルも勝ち上がり、日本シリーズで横浜に帰ってきてほしい。ここ数年は良いことがなく、お祝いする機会がなかったので、お気に入りの一本で祝杯をあげたい」

 球団がパブリックビューイング(PV)を実施した横浜スタジアム。日本一に輝いた1998年の再現を願う会社役員の鈴木由美子さん(51)は、興奮気味に語った。

 ベイの地元、横浜市中区で生まれ育ち、自身の人生とチームの浮沈を重ね合わせてきた。「低迷期はトラブルに見舞われたが、強くなった昨年は、問題も解決した」。十数年間は市内を転々としたものの、「ベイの近くにいたい」と昨年末に地元へ戻り、今シーズンは全ホームゲームを観戦。「飛び上がり、知らない人と抱き合った」18年前の優勝時を引き合いに、今シーズンの勢いは「あの時を上回る」と声を弾ませた。

 家族全員が熱狂的なベイファンという同市港南区の父娘も「今年を逃したら優勝はない。若手が育っていてピッチャーも良く、いい要素がそろっている」と期待を膨らませていた。

■手痛い黒星も「諦めない」
 この日、無料開放された内野スタンドは、午後6時の試合開始前からチームカラーの青一色に染まり、約1万3千人が集結した。ユニホーム姿のファンが、敵地のマツダスタジアム(広島市)で熱戦を繰り広げるナインにエールを送った。

 熱気が最高潮に達したのは、点差が開きながらも諦めずに立ち向かう最終回の攻撃。試合中継を映し出す大型ビジョンにラストバッターの筒香嘉智選手が登場すると、「絶対に負けるな」といった声援が飛び交った。しかし、結果は0−5で完敗。みな肩を落としながらも「明日から勝てばいい」「選手たちを信じてる」などと声を掛け合い、大きな拍手が湧き起こった。

■コイ“聖地”は大歓声
 “横浜に住むカープファンの聖地”と呼ばれる広島風お好み焼き店「お好み焼き鉄板工房GOU」(横浜市中区)は、カープファンで満席になった。先発ジョンソンが九回を締めた瞬間、総立ちとなり、バンザイの声が響き渡った。オーナーの住吉礼江さん(47)は「明日も応援合戦で盛り上がりたい」と喜んだ。

 横浜スタジアムそばにある店内には、選手のサインやユニホームが並び、カープ愛にあふれている。

 横浜で生まれ育った住吉さんの転機は15年前。アルバイトしていた同市内の飲食店で、来店した球団関係者から「試合を見に来ないか」と誘われた。「選手のかっこよさにひかれ、応援に通うようになった」

 広島にも応援に出向き、お好み焼きの味にほれ込んだ。「自分の好きなことを仕事にしたい」と、貿易会社のOLから転身、4年前に店を開いた。

 住吉さんは言う。

 「球団がある横浜も広島も、野球好き同士が集う幸せな街。人と人のつながりを大事にしたい」

■夢舞台も…地上波なし
 初のクライマックスシリーズ(CS)進出以来、注目を集める横浜DeNAベイスターズだが、12日のファイナルステージ初戦は県内でのテレビ中継は有料のCSチャンネルのみで、地上波やBSでは放送されなかった。

 地元のtvk(テレビ神奈川)によると、CS進出が濃厚になったころから、広島球団や放映権を持つテレビ局などと交渉したが、まとまらなかった。

 13日の第2戦は午後5時55分からtvkサブチャンネルで、午後6時15分から通常のメインチャンネルで放送する。