痛恨ミスからの劇的勝利 主将・山田恵里の涙に盟友「まだ早い」

痛恨ミスからの劇的勝利 主将・山田恵里の涙に盟友「まだ早い」

【日本−メキシコ】八回裏日本1死三塁、渥美万奈の内野安打でサヨナラのホームを踏み、駆け出す三塁走者の山田恵里=福島県営あづま球場で2021年7月22日、徳野仁子撮影

 東京オリンピックのソフトボールは22日、福島市の福島県営あづま球場で1次リーグ3試合を行った。日本は延長八回タイブレークの末に3―2でメキシコにサヨナラ勝ちし、開幕2連勝となった。

 サヨナラ勝ちの歓喜の輪が解けると、日本の山田恵里(デンソー)はベンチ前でしゃがみ込んだ。この試合で痛恨のミスを犯していた主将は、目に浮かんだ涙をそっと拭い、近づいてきた峰幸代(トヨタ自動車)に漏らした。「勝って安心した。(負けるのが)怖かった」。3度目の五輪出場となる山田でものみ込まれそうになるほど、五輪の重圧は大きかった。

 1次リーグ最初の山場となったメキシコ戦。日本は2018年世界選手権で米国代表として優勝している相手先発のオトゥールを打ちあぐねたものの、1点のリードを保ったまま最終回を迎えた。上野続投で逃げ切りを図ったが、無死一、三塁となり、中堅の山田がほぼ正面のライナー性の打球を落球(記録は安打)。試合は振り出しに戻った。

 それでも、日本は流れを手放さなかった。無死二塁から始まるタイブレークに突入した延長八回の守りを無失点で乗り切った直後、1死三塁で渥美万奈(トヨタ自動車)の2球目にエンドランが成功。三塁から滑り込んだのは山田だった。

 08年北京五輪で上野、山田と共に金メダルに輝いた峰は、長年日本を引っ張ってきた山田を間近で見てきた。先輩の涙を目の当たりにした峰は「あんなにすごい人でもそういう気持ちになるんだ」と感じつつ、「泣くのはまだ早いぞ。最後にうれし涙を流しましょう」と声を掛けたという。

 「こういう大会でミスをしたことがなかったので。それを助けてもらって本当に良かったな、と」と涙のわけを語った山田。「(五輪の重圧は)重い。でもそれを背負いつつ頑張りたい」と切り替えた。【細谷拓海】

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