森監督の手にウイニングボール…死去長女に捧ぐ1勝

森監督 死去長女に捧ぐ1勝

森監督の手にウイニングボール…死去長女に捧ぐ1勝

森監督の手にウイニングボール…死去長女に捧ぐ1勝

広島に勝利し、大島(左)からウイニングボールを受け取る森監督(撮影・前岡正明)

<中日7−1広島>◇9日◇ナゴヤドーム

 中日が快勝した。9回、菊池の中飛をつかんだ大島は、出迎えの列の最後方にいた森監督にウイニングボールを渡した。意味を察した指揮官は笑顔で大島を強くはたき、ボールを受け取ってポケットにしまった。

 「どういう意味か分からないことはないけどな。娘のところに持っていけということだろう」

 7日に長女、矢野麗華さんが乳がんのため35歳で他界した。前日8日は死闘およばず12回引き分け。「勝てなかったけど、広島相手にこういう試合ができた」と喜んでいた。この日は苦手の広島を圧倒してつかんだ、特別な白星だった。

 監督の駒大の後輩という縁で、故人と交流があった大島は「選手である以上、勝つことでしか監督に返せない」と話した。初の5安打、同じく3打点と大暴れした京田も「何が何でも勝たないといけない試合だった」と気合が入っていた。

 通夜は13日、告別式は14日に横浜で営まれる。娘のもとを離れ、連日ベンチに入っている指揮官は前日の試合前、選手やチーム関係者を集めて自ら報告した。「ユニホームを着ていればいいが、1人でいるとどうしてもつらい。みんなと一緒にやらせてくれ」。球団からは落ち着くまでの一時離脱も打診されたが、断っていた。

 「みんなが勝たせてくれた。ユニホームを着て、みんなとできたことに感謝したい」。勝利インタビューの最後に、あらためて言った。【柏原誠】