プロ野球満足度、4年連続日本一のソフトバンクが総合首位 コロナ禍の影響も?満足度スコアは全チーム上昇

プロ野球満足度、4年連続日本一のソフトバンクが総合首位 コロナ禍の影響も?満足度スコアは全チーム上昇

2020年シーズン、プロ野球の各球団サービス 総合満足度ランキング TOP3/慶應義塾大学・鈴木秀男教授 調査

今年もプロ野球が開幕。今シーズンは、新型コロナウイルス感染症対策として「9回打ち切り制」が導入されるなど、いまだ従来通りのスタイルは取り戻せていないが、日々繰り広げられる熱戦は野球ファンたちを大いに沸かせている。そんななか、日本のサービス業における顧客満足、ロイヤルティの指数化などを研究している慶應義塾大学・鈴木秀男教授(オリコン顧客満足度調査 テクニカルアドバイザーも務める)は4月、今年で13回目となる『プロ野球のサービスに関する(満足度)調査』結果を発表した。

 全12球団のうち総合満足度1位を獲得したのは、昨シーズン球団初の4年連続日本一に輝いた【福岡ソフトバンクホークス】。昨年に続き2年連続、通算3回目の総合首位獲得となり、満足度調査においてもチームの総合力の高さを見せる結果となった。

 同調査は、昨シーズン(2020年)1回以上、応援するチームのホーム球場で試合観戦をした人を対象に、その応援するチームの満足度について調査したもの。総合満足度については、「チーム成績」「チーム・選手」「球場」「ファンサービス・地域貢献」「ユニホーム・ロゴ」という5つのサービス品質から構成されている(各品質は、それぞれ複数の設問によって成り立っている)。

◆チームの強さに加え、「ファンサービス・地域貢献」で満足度が高いホークス

 総合首位の【福岡ソフトバンクホークス】は、就任6年目となる工藤公康監督のもと、昨シーズンを戦った。柳田悠岐選手、松田宣浩選手といった従来からの主力選手だけでなく、プロ6年目で大きく飛躍した栗原陵矢選手など若手の活躍もあって、チームは3年ぶり19度目のパ・リーグ制覇を達成。勢いそのままにクライマックスシリーズを突破し、見事4連勝で球団史上初の快挙となる4年連続、11度目の日本一に輝いた。

 ますます強さが際立った昨シーズンの結果から、今回の調査では、5つのサービス品質のうち「チーム成績」「チーム・選手」を構成する設問全般において、とくに高い評価を獲得した。また、球団は数年前から地域一帯となって従前のボールパークの枠にとどまらない空間づくりを進めていることもあり、サービス品質の「ファンサービス・地域貢献」を構成する設問全般でも高得点をマーク。ちなみに、新たなボールパークに向けての取り組みの成果としては、昨年7月にPayPayドーム横に五感を刺激する複合エンターテインメント・ゾーン「BOSS E・ZO FUKUOKA(ボス イーゾ フクオカ)」を開業している。

 総合満足度スコア平均値は74.89で、昨年よりも約1ポイントUP(昨年は73.98)。今回の結果を受け、鈴木教授は「編成・育成によるチーム強化を評価する声が目立つ。また、球場でのファンサービス、地域貢献活動の取り組みも良いとされ、その結果、(ホークスは)総合力で高水準を維持している」とコメントを寄せている。

◆チーム成績に左右されない根強い人気を持つ、カープ&ライオンズ

 総合満足度2位は、就任1年目の佐々岡真司監督のもと昨シーズンを闘った【広島東洋カープ】。セ・リーグでの成績は5位と低迷したものの、本調査での総合満足度ランキングは昨年と変わらず2位という結果で、かつ総合満足度スコア平均値も向上している(昨年71.98→今年72.81)。

 回答者からは、鈴木誠也選手、菊池涼介選手ら主力選手の活躍に加え、育成によって強化しようとするチーム方針を評価する声や、球場の要素を含めたファンサービスに対して評価する声が多く聞かれ、鈴木教授は「一時的なチーム成績の不振に左右されない、球団としての基盤が構築されていることから、高い満足度の維持がなされていると考えられる」と、カープの人気の高さについて分析している。

 続く総合満足度3位は、こちらも昨年と順位変わらず【埼玉西武ライオンズ】がランクイン(スコア平均値:71.50)。18年、19年シリーズと2年連続でパ・リーグ優勝を果たしたライオンズだが、2020年は3位という結果に。しかし、回答者からは、山川穂高選手、中村剛也選手、森友哉選手らの打撃、源田壮亮選手、栗山巧選手、外崎修汰選手らの守備を中心としたプレーなど、選手たちの激戦における好プレーを評価する声が目立っており、選手の活躍がチームの満足度につながっている。

 また、ライオンズは、自然豊かな周辺環境と半ドームという特性を活かした同球団ならではのボールパーク化を目指して、メットライフドーム周辺の大規模改修を展開し、こういった取り組みも「ファンサービスの高評価につながっているのではないか」と鈴木教授。2017年12月から行われてきた改修計画は今年3月に無事に完了していることから、今後のさらなるファンサービスの向上が期待される。

◆全12球団の総合満足度スコアが上昇、1〜5位は70ポイント台の高水準

 なお、今年の調査では、【東北楽天ゴールデンイーグルス】(昨年6位→今年5位/スコア平均値70.14)、【千葉ロッテマリーンズ】(昨年8位→今年6位/スコア平均値68.63)、【阪神タイガース】(昨年10位→今年9位/スコア平均値64.27)、【中日ドラゴンズ】(昨年12位→今年11位/スコア平均値59.59)の4チームが総合順位を上げた。

 なかでも、昨シーズンにパ・リーグ2位でクライマックスシリーズにも進出したロッテは、昨年から6ポイント以上スコア平均値を上げ、2ランクアップ。新型コロナ感染症の流行により、昨年はプロ野球においても新たな観戦様式が求められたが、総合5位の楽天は、「新型コロナウイルス感染防止対策」の設問において12球団中、最も高いポイントを獲得した。
 ちなみに、今回の調査では、全チームの総合満足度スコア平均値がプラスに転じる結果に。また、5位までのチームについては、70ポイント台の高水準をマークしている。

 コロナ禍の影響で、昨シーズンはなかなか従来のようなファンとのコミュニケーションが取りづらい状況に追い込まれたが、オンラインを介した交流を促進させるなど、各球団で新たな手法で関係値を深める動きが見られた。また、生活が制限されるなかで、久々に生観戦することができた試合は、野球ファンになんとも言えない高揚感を与えたことが想像される。

 もしかしたら、緊急事態における生活様式の変化や、各球団の取り組みの1つひとつが総合満足度を押し上げることにつながった、とも考えられるかもしれない。

 今年は、新型コロナ対策として「9回打ち切り制」が導入され、引き続き“異例のシーズン”となるが、12球団の代表者会議では、打ち切りになることによって「選手の起用方法が(通常のシーズンとは)変わってくる」と示唆する声が聞かれ、昨シーズンとはまた違った戦略による闘いが見られそうな予感。今年の球団の取り組みや選手たちのプレーが、どのようにチームの満足度に反映されていくのか、来年の結果も要注目だ。

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