プロ野球CSの勝機はハリルジャパンの采配と共通?!

プロ野球CSの勝機はハリルジャパンの采配と共通?!

“2冠”筒香がどんな状態でCSに臨むかが横浜DeNAの鍵を握る

プロ野球のセ、パ交流戦が、いよいよ今日8日からデーゲームで開幕する。セは2位の巨人が東京ドームに横浜DeNAを迎え、パは日ハムと熾烈なV争いを行ったソフトバンクが本拠地ヤフオクドームで“下克上”の伝統を持つロッテと対戦する。いずれも3戦で争われる。

 果たして、今回のCSで“下克上”は生まれるのか? そのCS展望について千葉ロッテ時代に2度の下克上を経験した評論家の里崎智也氏は、「ファーストステージは、ホームかアウェーかの差はあるが、確率、可能性は、どのチームも一緒。勝敗を分けるのは、CSに合わせる調整がどうできたかに尽きる。故障していた選手の回復状況、どの程度プレーできるかもポイントになってくる」と言う。

 さらに「よくシリーズ男やラッキーボーイの出現がキーを握るとも言われているが、私から言わせれば、レギュラーシーズンに結果を残した選手が、ここにうまく調子を合わせてきただけの必然ボーイ。その意味でチームの調整、準備が問われると思う」と続けた。

 元阪神、ダイエーなどでプレーした評論家の池田親興氏も、「どういうチーム状態で臨んでくるのか。所属チームで試合出場機会が少なく調子の上げることのできない海外組を外して勝ったハリルジャパンと一緒だと思う。調子を見極め、シリーズ男と言われる選手を生み出した方が勝つ」と、香川をスタメンから外し、後半、本田、岡崎という海外組を交代させて、勝機をつかんだサッカーのハリルジャパンとCSを勝ち抜くチームを重ねた。その上で「巨人、ソフトバンクの優位は動かないだろう」と言う。

 “調子”をキーワードとするならファーストステージへ出場する4チームの戦力を見ると蓋を開けてみないとわからない。不確定要素が多い巨人は、第一戦に先発予定だった最優秀防御率&最多奪三振のタイトルを獲得した菅野に異常が発生、開幕出陣は回避された。打線を見てもクルーズが故障にプラスして“造反の疑い”でメンバーから外れた。一方、横浜DeNAも2桁勝利を挙げた山口俊が、ここには間に合わなかった。
   

 セは予告先発を採用していないが、巨人はマイコラス、横浜DeNAは井納が予想されている。

 里崎氏は、セのファーストステージは、筒香&ロペスvs巨人投手陣が焦点だと見る。

「DeNAは、この2人が打つか、打たないかがすべてでしょう」

 筒香は、今季巨人に対して打率・319、7本、18打点、9月の月間MVPを獲得し調子に乗るロペスも古巣の巨人に対して打率.330、8本、17打点とカモにしている。主軸がこれだけ打っていれば、今季の両チームの対戦成績が14勝10敗1分で横浜DeNAが圧倒しているのも納得である。横浜DeNAは、シーズン終了後に試合勘が鈍らないように、アマチュアの社会人強豪チームを相手に4試合も実戦を積み重ねてきたが、この好データを調子の波と重ね合わせることができるかが鍵になる。

 ただ両チームには共通のウイークポイントがある。ストッパーの不安だ。横浜DeNAの山崎は、終盤に少し持ち直したが、得意のシンカーが落ちないなど、昨年のような絶対力を失っている。対して巨人の澤村もマウンドに上がるまで制球がどうなるかわからない。池田氏も「澤村はとにかく先頭打者。ここを出す、出さないで1イニングの内容が違ってくる。山崎はシンカーが打者に見やすくなっているし、CSのような場面を経験していない未知の部分がある。どちらも不安要素だろう」と、両チームの死角が、ゲームの最後を締めるストッパーに隠れていると見ている。接戦となれば、最後までどうなるかわからない。

「力で言えば経験があって試合巧者の巨人だろうが、横浜DeNAも勢いがつくと止められない。言うまでもなくCSのファーストステージは初戦をとった方が、ほとんどの確率で突破するが、横浜DeNA打線が初戦で爆発すれば、おそらく一気に突っ走ると思う」とは、池田氏の予想。

 前日練習で横浜DeNAのラミレス監督も、「2連勝したいと考えている」と、初戦の重要性を強調していた。今日の試合の結果が行方を決めることになりそうだ。
   

 一方、パは、ロッテの序盤の快進撃を支えた内ー西野の“勝利の方程式”が故障で崩壊していたが、ようやく9月の後半に入って復帰、消化試合の中で、それぞれがテスト登板を果たしたが、「クライマックスで投げてみないと、まだ判断は難しい」(里崎氏)という状況。打では、機動力の使える萩野が故障で離脱。駒をひとつ失っている。

 ソフトバンクは右手の親指を骨折していた柳田が復帰してきた。すでにフェニックスリーグ、紅白戦の試運転で快打を連発、また右肘に不安があり4試合欠場したショートの今宮も間に合った。ただソフトバンクも、チームの勝ち頭の左腕、和田が左肘に異常を訴え、CSは不在。不安の残る中継ぎ陣には、岩嵜をスタンバイさせるが、若干、上向きの森、森福の2人しか信頼のおけるブルペンがいない。サファテにつなぐ“空白”を爆発力を秘めるロッテ打線につつかれるという死角は存在している。

 両監督が同席して行われた前日会見では、ソフトバンクが千賀、ロッテが涌井の先発が発表された。千賀は今季ロッテに対して4勝0敗、防御率2.36と相性がいいが、涌井は2勝2敗、防御率3.60の数字で、データ的には見劣りしている。伊東監督は、「クライマックスは、まず先手」と、試合のポイントを語った。両監督は西武時代にバッテリーを組んでいたが、指揮官としての経験は伊東監督が一枚も二枚も上手だ。その差がどこかに現れるのか、それとも戦力差が結果につながるのか。

「柳田が入ることで、彼の出塁率の高さが打線全体に好影響を与える可能性があると思う。内川の負担も少しは減るだろう。ただ、千賀、バンデンハーク、武田、中田という先発候補が、早々に崩れてしまうとサファテまでのイニングに不安が残る。先取点をどちらが取るかがポイントになると思う」と池田氏。

 今CSは、広島、日ハム、ソフトバンクなどレギュラーシーズンの上位チームが有利と見られていて“下克上”の文字は、なかなかメディアに躍ってこない。番狂わせが起きそうにない空気が、流れているが、ハリルジャパンのように調子の波を見極めることのできるチームはどこになるのだろうか?