ドラフト注目の大型遊撃手2人。吉川と京田どっちが上?

ドラフト注目の大型遊撃手2人。吉川と京田どっちが上?

中京学院大の吉川。天才肌でスター性を持つ。(写真・徳吉刑事)

プロ野球のドラフト会議が明日20日、都内のホテルで午後5時から行われる。今ドラフトは投手の豊作イヤーと言われているが、遊撃手にも、即戦力としての評価が高い大型プレーヤーが2人いる。中京学院大の吉川尚輝と、日大の京田陽太の2人だ。

 阪神、巨人、オリックス、西武、中日の5球団が、上位指名での獲得を目論んでいるが、2位指名からは、入札ではなくウェーバー方式で、パ・リーグの最下位、オリックスから順に指名権利があるため、ひょっとするとドラフトの展開次第では“外れ1位”の可能性もある大型ショートだ。

 では、2人の評価は、どちらが上なのか? どちらがプロで通用するだろうか?
 
 共に右投げ左打ちで、体格を比較してみると、吉川が177cm、79Kgで、京田が184cm、80kg。吉川が中京高、京田が青森山田高と、いずれも名門高出身だが、共に甲子園出場経験はない。それでも共に高校時代からスカウトのリストにあがっていた。結局、プロ志望届は出さずに吉川は中京学院大、京田は日大に進んだ。吉川は、当初、亜細亜大に進む予定で、セレクションを受けたが体育会気質になじまず辞退、岐阜大学リーグに所属する中京学院大を選んだ。中京学院大は広島の菊池涼介の出身大学でもあり、中央ではほぼ無名だったが、この6月の全日本大学選手権で初出場初優勝の偉業を達成している。

 共に俊足で強肩。吉川は3シーズン連続で盗塁王を獲得、50mは5秒7。京田も50mは5秒9で盗塁も通算で31個を記録している。
 守備力については、スローイングやグラブさばきを含めて堅固なのは、京田。吉川は、どちらかと言えばセンス型で、雑な面もあり、大学侍ジャパンに選ばれた際は、京田がショート、吉川は多少スローイングに難があってもごまかせるセカンドで起用された。
 スカウトの声を拾っても「プロで即通用する守備は京田が上」という見方多い。
 
 だが、バッティングとなると、吉川のセンス、可能性を評価する向きが強くなる。
 大学侍ジャパンでも吉川が5番に抜擢されたが、京田は下位打線。吉川は右足を上げてタイミングをとり、柔らかさとシャープさを兼ね備えたスラッガーで、8シーズンで3度、4割をマーク、逆方向への打球を意識した今春には.490の高打率を残した。

 先日、TBS系のスポーツ番組「S☆1」では、野村克也氏と張本勲氏の2人が番組企画でドラフト会議を行い、そろって3位に京田ではなく、吉川の名前を出した。買われたのは、そのバッティングセンスだ。

 吉川は母校の先輩、菊池と比較されることが多いが、どちらかと言えば、ロッテからメジャーを経て阪神でプレーしている西岡剛のようなタイプのスピードとスター性を感じさせる遊撃手。

 逆に癖がなくバットが最短距離に出てくる堅実な菊池のバッティングスタイルに近いのは、京田の方。2部に落ちていた昨年春は、打率4割をマーク。今秋は、苦手だった内角球を克服して、9試合連続安打を放つなど打率は3割後半をキープして成長の跡を見せている。
 

 ヤクルトで30年以上スカウトを務めショートでは池山隆寛を発掘した片岡宏雄氏の評価は京田が上。

「2人共に足はある。守備は京田。バッティングは、選球眼も含めてバットの出がいいのは京田の方。吉川にはセンスを感じるが、バットがトップの位置に決まってこないのが気になる。このタイミングというのは教えられるものではない。2人共にバッティングも含めて、プロのスピードやパワーにどう慣れて対応できるかが課題になるのだろうが、プレーしてきたリーグやチームの環境などを考慮すれば、即戦力に近いのは、京田の方かもしれない。2人のどちらを指名するかには、スカウトの好みも出てくるだろう」

 今年、ルーキーでは早大で三塁だった楽天の茂木栄五郎がショートにコンバートされてレギュラーを獲得、新人王争いをするほどの結果を残し、広島の3年目、田中広輔が、ファイナルステージで大ブレイク、横浜DeNAの2年目、倉本寿彦がずっと3割をキープして(最終的には打率.294)定位置を確保、阪神も不調の鳥谷敬に代わって起用された4年目の北條史也が活躍するなど若手のショートストッパーの飛躍が目立った。

 ドラフトの上位で消えることは間違いない2人の大型ショートが、そのショート新時代にどう割り込んでくるのか。そして、どこの球団に指名され、どうライバルとして競争していくのか。そのスタート地点は、明日のドラフトから始まる。