5月快進撃の阪神は交流戦でどうなるか? 中畑清氏が予想

5月快進撃の阪神は交流戦でどうなるか? 中畑清氏が予想

中畑清氏が交流戦での阪神の戦いを予想

 5月30日、プロ野球のセ・パ交流戦が幕を開ける。交流戦は毎年、それまでのペナントレースの流れに大きな変化をもたらしてきた。特に、セ・リーグの首位球団がパ・リーグに負け続け、その後不調になることもある。2014年の広島、2015年のDeNAはその典型例である。

 では、5月に入ってから大方の予想を覆して快進撃を見せた阪神はどうなるのか──2015年の交流戦で屈辱の12連敗を喫し、その後首位争いから脱落した経験を持つ前DeNA監督・中畑清氏が、身をもって知る“交流戦の怖さ”を踏まえて予想した。

 中畑氏は「今季も交流戦で脅威となりそうな打者は全員パの選手」と見る。

「大谷(翔平、22)は間に合わなさそうだが、その日本ハムには近藤(健介、23)がいる。“日本初の4割”が期待できる選手で、横浜高校時代から注目していた(中畑氏がDeNA監督に就任した2012年シーズンにプロ入り)。西武のルーキー・源田(壮亮、24)も新人離れした打撃センスを持っている。セ・リーグ球団相手にどれだけ暴れるかは見どころだね」

 阪神のエース・藤浪晋太郎(23)らがそうした強打者に特大の一発を浴びてチーム全体が意気消沈してしまうようなことがないか、心配になってしまう話である。

 調子が激変してしまうのは投手だけではない。打者も調子を崩されることを中畑氏は懸念する。

「パ・リーグのピッチャーは、ソフトバンクの千賀(滉大、24)が各チームにたくさんいるような感じだよ。

 首位の楽天にしても、ストレートのパワーで押す則本(昂大、26)や、変化球のキレで打者を翻弄する岸(孝之、32)ら先発陣が揃っている。最後も、クローザーの松井(裕樹、21)がきっちり締める。きちんとした勝ちパターンができているから強い」

 そうしたパ・リーグの投手陣と対峙したとき、阪神打線にも異変が起きてしまうのか。

「今季の阪神は、外国人選手なしで打順を組んでいる。当時のDeNAと違って、好不調の波が小さい日本人選手だけで軸を作っているので、大崩れはしにくい。起用された若い選手が活躍することで、それがチーム力の底上げにもつながってきた。

 ただ、そうして勢いに乗る阪神の若手が、初めて対戦する投手に『パ・リーグのピッチャーってすごい』と気圧されてしまうと、大きな壁にぶち当たることになる。チームの勢いが止められ、2年前のDeNAと同じように下降する心配もある。そうすると本当にしんどい交流戦になるでしょうね」

 今季、正捕手として定着している梅野隆太郎(25)や、交互に5番を打つ中谷将大(24)と原口文仁(25)、2年目の1番・高山俊(24)ら、金本知憲監督の“超変革”の担い手がカギを握るということだ。指揮官の“弱気の虫”も失速の原因になる。

「パ・リーグとの実力差を前にして、2015年は『交流戦は勝率5割でいい』と考えていた。実際に、この年はリーグ優勝したヤクルトが勝率5割3分9厘、2位・巨人が5割2分8厘で、3位以下のチームが5割を切った。交流戦で5割をキープできていればリーグ優勝できたであろう年だった」

 2005年の交流戦発足以来、セ・リーグ球団が優勝したのはわずか2回(2012年、2014年の巨人)。勝ち星も、セ・リーグの821勝に対し、パ・リーグの925勝と大きく負け越している(引き分けは54試合)。

「『5割でいいや』と考えていたら、セ・リーグ球団は大きく負け越してしまう。DeNA時代も、本来は『パをガタガタにしてやる』ぐらいの気持ちでやらないとダメだったんだろうね」

 そうした点を踏まえて、阪神は交流戦でどうなるか──そう尋ねると、中畑氏はこう答えた。

「予想なんて……難しいというか、読めないよ。ペナントの予測すら当たらないのに、交流戦はさらに難しい。何より、先が読めたらまだ監督をやっている(笑い)。

 ただ、今季の阪神は日替わりでヒーローが出ているのがいい。主力頼みのチームは脆いから、交流戦の落とし穴にはまると抜け出せなくなる。

 不思議なことに、調子の悪かった選手にとっては、交流戦が息を吹き返すきっかけになることもある。DeNAの筒香(嘉智、25)はWBCの後遺症、いわゆる燃え尽き症候群に苦しんでいるけど、“WBCオフ”も5月まで。交流戦で目覚めると思いますよ」

 虎ファンにとっては不安になる情報も多い。“阪神半疑”で見守る日々が続きそうだ。

※週刊ポスト2017年6月9日号

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