巨人、10連敗の翌年優勝のジンクスあり 一方で不安要素も

巨人、10連敗の翌年優勝のジンクスあり 一方で不安要素も

ジンクス通りなら来年は優勝できる?

 巨人はこのまま低迷を続けるのか。6月4日のオリックス戦で敗れ、ついに10連敗を喫した。前回の10連敗は原辰徳監督第2次政権1年目の2006年6月18日から30日にかけて、球団ワーストの11連敗は最下位に転落した長嶋茂雄監督第1次政権1年目の1975年9月4日から17日(引き分け1含む)にかけてだった。

 1975年は前年、長嶋や森昌彦、黒江透修が引退。王貞治は故障で開幕に間に合わなかった上に、柴田勲や高田繁、末次利光などのV9戦士が軒並み調子を落とし、球団初の外国人選手だったデーブ・ジョンソンも日本に馴染めなかった。2006年は開幕ダッシュを成功させたものの、交流戦で躓き、前年からの低迷ムードを払拭できなかった。とはいえ、大型連敗を記録した後、ずっと低迷が続くかといえばそうでもない。野球担当記者が話す。

「不思議なことに、いずれも翌年は優勝し、2連覇、3連覇を達成しています。1976~1977年は張本勲、2007~2009年は小笠原道大や谷佳知といった移籍選手の効果が大きかったと言われています。しかし、それ以上に生え抜き野手の活躍があったからこそ低迷を脱出できたと考えられます。

 1976年はサードにコンバートされた高田が3割を打ち、1977年は柴田が5年ぶりの盗塁王に輝いている。ベテランの域に達していた王も復活し、2年連続で本塁打、打点の2冠王に輝いた。2007年は阿部慎之助が3年ぶりの30本台に乗せ、高橋由伸は自己最多の35本塁打を放った。二岡智宏も健在でした。つまり、格になる生え抜きがいたのです」

 それでは今年の巨人に目を向けると、開幕から4番を張っていた阿部慎之助は38歳。最近、阿部に代わってスタメンに名を連ねている村田修一はFA移籍選手で今年37歳を迎える。開幕から好調を続けるマギーは外国人選手であり、10月で35歳になる。中堅の生え抜きで主力は12月で29歳になる坂本勇人くらい。こうなると、来年以降も厳しい戦いが予想される。

「仮に来季、巨人がいくら補強したところで、生え抜きが育たない限り、浮上は有り得ない。過去のデータがそう証明しているわけです。2006年当時は逆指名ドラフトで選手を獲得できましたが、現行制度ではそうはいかない。育成を怠ってきたツケ、継ぎ接ぎの補強で乗り切ってきた歪みが今出ているとも言えるでしょう」(同前)

 WBCで開花したかのように思えた2013年ドラフト1位・小林誠司はレギュラーシーズンでは調子に乗れず、期待の2014年ドラフト1位・岡本和真は開幕1軍こそ手にしたものの、1か月も経たないうちに登録抹消された。2015年ドラフト2位・重信慎之介もまだ十分な結果を残せているとは言い難い。

 10連敗を喫した6月4日のスタメンを見ると、生え抜きは先発投手の宮國を含めて4人。クリーンアップは全て“外様”だった。

「もちろん最低限の補強は必要ですし、ポジションは競争を勝ち抜いて奪うもので、与えられるものではない。ただ、同じポジションにレギュラークラスが被ってしまうような補強は疑問ですし、若手のやる気を削ぐことにもなる。現在の低迷を機に、巨人は補強頼みの悪いクセを改め、生え抜きを一から育てることに主眼を置くべきではないでしょうか。V9の頃から補強はしていましたが、あくまで生え抜きの足りないパーツを埋めるためにしていた。今こそ、原点に立ち返るときではないでしょうか」(同前)

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