高橋由伸監督「言葉の無策」際立つ 監督の資質欠落の指摘

巨人が長嶋茂雄監督の時の最多連敗記録を42年ぶりに更新 高橋由伸監督の言葉に批判も

記事まとめ

  • 読売ジャイアンツ高橋由伸監督が、長嶋茂雄監督時代の最多連敗記録を42年ぶりに更新
  • 高橋監督は連敗でも表情が暗くなるだけで選手を鼓舞する言葉もないとの批判が出ている
  • 野村克也氏はボヤキでアピールし、星野仙一氏も優勝を口にしチームを鼓舞したという

高橋由伸監督「言葉の無策」際立つ 監督の資質欠落の指摘

高橋由伸監督「言葉の無策」際立つ 監督の資質欠落の指摘

監督としての資質に疑問の声も上がっている

 巨人が、42年ぶりに長嶋茂雄・終身名誉監督の就任1年目に作った最多連敗記録を更新した。ここで目立つのが、高橋由伸監督による「鼓舞する言葉」のなさである。

〈勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし〉──名将・野村克也氏の有名すぎる至言だ。球団ワースト記録を更新した巨人のドロ沼連敗にも、「不思議」はない。

 10連敗を喫した後の移動日となった6月5日、よみうりランド(川崎市)にあるジャイアンツ球場に、主力選手の姿はほぼなかった。

「翌日負ければ球団ワーストの連敗記録に並ぶという状況ですから、休日返上で練習する選手たちがいておかしくない状況なのに、姿を見せたのはエース・菅野(智之、27)とマイコラス(28)、控えの内野手・辻(東倫、22)くらい。チームが絶不調だからこそレギュラーを奪ってやろうという若手のアピールもない。言葉少なにうつむくばかりの(高橋)由伸監督の覇気のなさが、そのままチーム全体に投影されているようです」(巨人担当記者)

 連敗街道を突き進むなかで、由伸監督の表情はただただ暗くなるばかり。怒りを露わにすることもなければ、悔しさが滲み出るわけでもない。それは連敗中の試合後インタビューの言葉を振り返るとよくわかる。

 8連敗目(6月2日)のオリックス戦後、打順変更で1番に坂本勇人(28)を起用したことを聞かれ、「必死に流れを変えようとしてくれた。みんな必死にやってくれたと思います」と答えるのみ。坂本はこの日、6打数3安打と気を吐いたが、それをどう評価したのかもわからない。

 翌日の9連敗目は先発・田口麗斗(21)が1回表に4失点。珍しく制球を乱したことにも「常にいいなんていうことは、なかなか難しいでしょう」とまるで他人事だった。10連敗後と11連敗後の談話に至っては、

「点を取っても取られたり、相手を抑えても取れなかったり、なかなかうまくいきませんね」
「相手があることなので、なかなかうまくいかない」

 と、どちらの試合後にした話なのか区別もできない。そして、12連敗後は「みんななんとかしようと思ってやっているのは間違いない」──“何も語っていない”に等しいのだ。

◆名将には「言葉」がある

 これまで名将と呼ばれた指揮官たちは皆、自身の言動を媒介にしてチームを動かしてきた。冒頭で言葉を引いた野村氏は最たる例だろう。元阪神タイガース球団社長の野崎勝義氏が回想する。

「私の社長時代、野村監督、星野(仙一)監督、岡田(彰布)監督に指揮をお願いして、優勝できなかったのは野村監督の時だけですが、チームを変えてくれたのはノムさんだと思っています。

 とにかくノムさんは“アピール”を忘れない。キャッチーなボヤキは野村語録としてスポーツ紙がこぞって取りあげたし、新庄(剛志)の投手転向、俊足選手を揃えたF1セブンなど、弱いながらも目を離せないワクワク感があった」

 野村氏のアピールがしたたかな“戦略”に基づくものであることは、今ではよく知られている。

「野村監督は、選手への評価やチームの向かうべき方向性をメディアを通じて伝えていた。だから選手たちも目を皿のようにして翌日のスポーツ紙を読んでいた」(球団関係者)

 前出・野崎氏は「星野監督も“ナインの誰も『優勝』と口にしないのはおかしい”と公言してチームを鼓舞し、オープン戦から勝ちにかかった。実際、就任2年目で優勝している」と振り返った。指揮官の言動はメディアを通してファンにも届き、チームを取り巻く環境がかたちづくられていく。巨人を率いて優勝を遂げてきた川上哲治、長嶋、藤田元司、原辰徳といった監督たちも、使い方は十人十色だが、それぞれに「言葉」があった。

 先人たちと比べると、由伸監督の「言葉の無策」は際立って見える。

「就任当初から“暗い”“つまらない”といわれてきた由伸監督ですが、ここまでくると、それが単に『性格』で片付けられるものではなく、監督としての資質の欠落ではないかと思えてくる。“チームをよくしよう”“若手に発奮してほしい”と手を尽くして、熱意が空回りしているならまだわかる。でも由伸監督からはそういう前向きな気持ちがまるで伝わってこない。この連敗記録は、指揮官の“ネグレクト”が生んだものです」(球団関係者)

 コピーしたように無機質な試合後コメントを繰り返せば負けが込むのは必然だというのである。ある巨人OBが明かす。

「2004年就任の堀内恒夫・元監督は、3年契約の2年目にBクラスに転落して辞任した。今季の由伸監督も3年契約の2年目。巨人にはシーズン途中で監督が休養した前例はないが、このままだとわからない。親会社の読売は同業のライバル・中日を意識している。史上最悪の連敗街道で、その中日に抜かれて5位に転落。シーズンを通して中日と最下位を争う展開が続けば、更迭は避けられない」

※週刊ポスト2017年6月23日号

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