広岡達朗氏 大田泰示放出は巨人の「恥」である

広岡達朗氏 大田泰示放出は巨人の「恥」である

巨人の惨状に広岡達朗氏が喝を入れる

 42年ぶりに球団史上ワーストとなる連敗記録を更新した読売巨人軍に、かつての常勝時代を知る大物OBが喝を入れる。黄金期を支えた名遊撃手、広岡達朗氏が舌鋒鋭く巨人軍のあるべき姿について語った。

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 3年ぶりに巨人のOB会総会に出席したが、ダメだね。OB会長は柴田勲だが、「巨人軍とはこうあるべきだと高橋監督に言え」と伝えても「OB会長からは言えません」というんだから。

 OB会長が言わないと巨人の伝統が継承されない。巨人が良くなるため、自分を育ててくれた巨人への恩返しのためにOB会がある。

 OBの助言は監督が取捨選択すればいいんですが、最初から言わないのならば、OB会を開く意味がない。

 今の巨人に決定的に足りないのは、チーム内の競争意識。一体、どのポジションで選手が競争してる? ショートはトンネルしても暴投しても安泰、阿部は腰が痛いからと言ってキャッチャーを辞めても、一塁のポジションがもらえる。セカンドがいないと素行が悪くて外されていた外国人に守らせる……。これじゃ二軍の若手がやる気をなくして当然だ。

 巨人は昔からリーグ優勝をして当たり前の球団。日本一になって初めて正力(松太郎)さんが笑ってくれたもの。だからこそ、ポジションを奪うのは大変だったし、競争があるから成長できるんです。ライバルのケガを祈るくらいの意識がプロには必要。そこが決定的に欠けている。

 つまり、編成の問題です。巨人軍はもう大補強をすべきじゃない。補強に頼るばかりで、選手を育てられなくなってしまった。日本ハムにトレードで出した大田泰示がいい例ですが、今の巨人にはドラフト1位を育てる能力がない。移籍した途端に芽が出ようとしていて、このまま成長したら恥ですよ。上背も、肩も足もある逸材だったのに巨人のコーチは育てられなかったわけだから。このままじゃ巨人の復活なんてありませんよ。

 監督とコーチに求められるのは選手個々の能力を見極めた上で、チーム内で役割をきちんと伝え、理解させて適材適所に配すること。オールスター戦の監督じゃないんだから高橋監督はもっと存在感を出せ。自分で、ゲームを動かすつもりで戦ってみなさい。そうすれば、黙っていても選手はみんなついて来る。

※週刊ポスト2017年6月23日号

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