巨人・高橋由伸監督の顔左半分、僅かな歪みを心理学者が懸念

巨人・高橋由伸監督の顔左半分、僅かな歪みを心理学者が懸念

ストレスはかなり溜まっているのか

 球団史上最悪となる13連敗中には「なかなかうまくいかない」といった、同じような試合後コメントを繰り返した巨人軍の高橋由伸監督だが、その「表情」にはかすかながらも確かな変調がみられる。

 不調に陥ったチームの指揮官だから表情が険しいのは当然だが、ベンチで微かに顔をしかめたり、久しぶりの勝利インタビューで笑顔を見せたりする時に「左側の頬」がわずかに引き攣るのだ。現役時代のヒーローインタビューなどの時にはなかった特徴である。

「そうした変化を見逃してはいけません」と指摘するのは、社会心理学者で『見ため・口ぐせの心理学』などの著者・渋谷昌三氏だ。

「心理学の実験では『顔の左半分の表情に、本心が表われやすい』と分かっています。これは右脳が感情を司り、左脳が論理的思考を担うことと関係しています。延髄交叉といって、神経が通る経路は左右が交差する。右脳が担う感情は、顔の左半面に出ることになります。つまり、顔の左側でうまく笑えていない高橋監督は、笑顔の時にも心の底では喜べていないのではないかと推測できるのです」

 ソフトバンク相手に継投でのノーヒットノーランを達成した6月14日の勝利後のインタビューでも、笑顔の時の「左頬の歪み」は消えなかった。あまりに長い連敗生活は、由伸監督の心理になんらかの影響を残したままなのだろうか。

◆これはダブルバインドだ

 心理学の世界では表情を分析する際、職場ではなくプライベートな日常生活の時の顔を分析対象とすることが基本だという。職場では表情を「作ろう」という意識が強くなり、本音が漏れづらくなるからだ。そのため、由伸監督のベンチやインタビュー時の表情から読み取れる情報は限定的になる。ただ、それを踏まえた上でも気になるところがあると、渋谷氏が続ける。

「高橋監督は、カメラがほとんどいないベンチ裏の取材でも感情を露わにすることが少なくなっているという話を聞きます。負けが込んでいる時にあまり笑顔を見せるわけにいかないという気持ちはわかりますが、相当、自己防衛の意識が強い人だと考えられます。さらに、組織の中で、『ダブルバインド(二重拘束)』と呼ばれるコミュニケーション状況を作っているのではないかとも考えられます」

 ダブルバインドとは、“相手の喜びそうなことをあえて怖い顔で伝える”といった具合に、矛盾した情報を相手に与える状況を指すという。

「褒める時も怒る時も表情を変えない。そういう上司は、部下にとっては“考えの読めない存在”になります。実は、会社組織においては優秀なリーダーが取ることのある手法で、うまく使えば適度な緊張感を生み出せる。ただ、やり過ぎると信頼関係を損ねます。団結力が求められるプロ野球チームのような集団ではリスクも大きいコミュニケーションの取り方です」(渋谷氏)

 その指摘通り、無表情による負の影響が大きくなっている可能性はある。それは、常に豊かな表情を見せていた前任者の原辰徳氏の監督時代のエピソードと対照すると見えてくる。

「原氏は交流戦の楽天戦など、仙台遠征の時は、ポケットマネーで選手を牛タン屋に連れて行き、“決起集会”を催していた。コーチ、スタッフも全員で同じ食卓を囲み、チームで勝利を目指す、というものだった。

 しかし、今年の交流戦の楽天戦は、由伸監督の就任以来初めての仙台遠征にもかかわらず、集会は開かれなかった。原監督との違いを見せたいのか、ただ単にそういう催しをしたくないのか、選手たちも監督の真意が読めずに戸惑っているようです」(スポーツ紙記者)

※週刊ポスト2017年6月30日号

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