辞任表明の伊東監督が払拭できなかった疎外感

辞任表明の伊東監督が払拭できなかった疎外感

(提供:リアルライブ)

 千葉ロッテマリーンズの伊東勤監督(54)が今季限りでの辞任を表明した(8月13日)。本拠地・ZOZOマリンのベンチはざわついていた。まず前日、林信平球団本部長が同球場に隣接されている球団事務所に現れた。経営幹部は球団事務所にずっと詰めているわけではない。しかも、取材陣の要請に応じ、いちばんナーバスな監督人事に関する質問にも答えていた。この時点で林球団本部長は昨季までの4季で3度のAクラス入りを果たした実績も強調しつつも、「まだ何も決まっていない」と、肝心の去就問題についてははぐらかしている。何か起きる…。そう直感したメディア陣は少なくなかった。

 「8月4日からの仙台遠征中、伊東監督から球団スタッフに退任の意思が伝えられました。スタッフがそれを持ち帰って、林球団本部長が改めて話を聞くという流れになりました」(チーム関係者)

 伊東監督の決心は変わらなかったようだ。

 「外国人選手は期待外れだったし、主力選手のほとんどが成績を落としています。伊東監督に同情すべき点はたくさんあり、このことは球団側も認めています」(スポーツ紙記者)

 伊東監督は昨季終了時点でいったん契約が切れている。先の関係者によれば、伊東監督は“潮時”を口にしていたとのことだが、球団側が引き止めたという。手腕が評価されての慰留だったが、この5年間、「外様の疎外感」を払拭できなかったのではないだろうか。

 春季、秋季キャンプでは千葉ロッテに限らず、チームOBが顔を出す。どの球団もそうだが、ライオンズで育った伊東監督はロッテOBたちと面識こそあれ、親しく付き合ってきたわけではない。OBたちも労いの言葉は掛けていたが、生え抜きのコーチや後輩たちと話し込んでしまい、伊東監督はその輪に誘われることはなかった。少し離れたところに立っていて、練習を見守っている。そんな感じだった。

 ライオンズ時代の伊東監督を知るプロ野球OBが当時をこう振り返る。
「頑固なところもありました。ライオンズの黄金期を支え、捕手として輝かしい実績を残した人だから仕方ないのかもしれませんが、選手に求めるレベルが高すぎて…」

 これに対し、先のチーム関係者はこう反論する。

 「選手だけではなく、スタッフにも気配りをしてくれる人。伊東監督の誕生日は8月なんですが、チーム全員でケーキを買って、ハッピーバースデーを歌ってお祝いしています」

 ライオンズ指揮官を退いた後、このままではいけないと思ったのだろう。監督として再起したいというよりも、「チームのために何ができるか」を考えるようになったようだ。

 後任は先に今季限りでの現役引退を発表している井口資仁内野手(42)だろうか。井口は「ロッテの人」となって久しいが、ホークスで育ち、メジャーリーグを渡り歩いてきた。

 「後輩たちからの人望はもちろん、球団スタッフも井口に一目置いています。若手が伸び悩んでいるので、次の監督になる人には、チーム再建の難しい課題が託されます。投打ともに新戦力が育ってから次の監督へというのが、球団の考えだったのでは」(前出・スポーツ紙記者)

 後任指揮官が誰になるにせよ、疎外感は持ってほしくないものだ。

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