高橋監督がメモ魔に転じたのはデータ解析マシンのせい?

高橋監督がメモ魔に転じたのはデータ解析マシンのせい?

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 巨人・高橋由伸監督(43)が試合中にメモを取るシーンが話題になっている。一体、何を書いているのだろうか。
 2018年のプロ野球交流戦は東京ヤクルトが最高勝率チームに輝いた。セ・リーグ球団が交流戦1位になったのは、4年ぶり2球団目。しかし、全日程の終了を待たずに、リーグ別の勝利数ではパ・リーグの9年連続勝ち越しが決まってしまった。「パ・リーグのほうが強い」の図式は変わらない。
「セ・リーグのチームは交流戦で勝利を落とす傾向が続いているので、『交流戦を勝ち越せばリーグ優勝につながる』とも解釈しています。各球団ともスコアラーを派遣し、データ収集やその解析に必死です」(スポーツ紙記者)

 巨人も同様だ。そして、昨今、話題になっているのが「トラックマン」なる名称のデータ分析マシンだ。
 もともとは軍事機として開発されたもので、投手の投げるボールの回転数や、打球の角度など約80項目を数値化できるのだという。その数値をもとに、対戦投手の特徴を解析し、数字で分かりやすく詳細に現場首脳陣と選手たちに伝えるそうだ。
 すでにメジャーリーグ30球団では定着しているが、日本では2014年に楽天が購入し、巨人も昨季途中からトラックマンを導入している。高橋監督が試合中にメモを取るのは、そのデータ解析チームと話をするためのようだ。

 日本球界におけるデータ解析といえば、ID野球で一世を風靡した野村克也氏が思い出される。氏のデータ解析は「バッテリーの配球傾向」に重点が置かれていたとされるので、トラックマンの解析とは異なる。その野村氏はスポーツ情報番組で高橋監督のメモについて質問されたとき、「日記でも書いてるんじゃないの?」と発言した。興味ナシといった口ぶりからして、高橋監督のメモは無意味だと切り捨てたとも解釈できる。
 投手出身のプロ野球解説者がこう言う。
「対戦チームのデータが詳細にあると、投手としては精神的に安心できるのは事実です。巨人にも優秀なスコアラーがいて、彼らがまとめ上げたデータをもとに対策を立ててきました。トラックマン導入時、巨人スタッフは『データは、現場の参考にしてもらえれば』という説明でしたが…。高橋監督のメモばかりが注目されていますが、どの監督も多かれ少なかれ、メモを取ります。でも、ほんのちょっとですよ。ベンチには記録担当のスコアラーもいて、彼らが監督の代わりにメモを取っているので」
 高橋監督の場合は“やりすぎ”というわけだ。
 かといって、トラックマン導入後、巨人のミーティングが長くなったという話もなければ、スコアラーの偵察方法も変わっていない。

 6月14日の福岡ソフトバンク戦だった。7回表二死一・三塁の場面で、打者・陽岱鋼の打球はセカンドの守備範囲に転がったが、打ち損じた分失速し、一塁を駆け抜けたときの判定が“微妙”だった。陽岱鋼はセーフのジェスチャーをし、そこにワンテンポ遅れて高橋監督がベンチを出てきた。「映像確認」のリクエストを請求すると思いきや、「投手交代」を告げただけ…。試合には勝ったが、
「陽岱鋼の気持ちも汲んで、ダメ元でもリクエスト請求すべき」
「セーフになっていたら、1点追加となっていた。新人・鍬原のプロ初勝利が掛かっていたのだから、もっと貪欲に勝ちに行くべき」
 と、批判も殺到した。
「メモに気を取られて、陽岱鋼が一塁ベースを駆け抜けた瞬間を見ていなかったのではないか?」なる皮肉も聞かれた。メモを取ることは大切だが、高橋監督はグラウンドから目を離してはいけないのだ。(スポーツライター・飯山満)

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