「金子よりも功労者を」の声!石井革命で岩隈帰還が遅延

「金子よりも功労者を」の声!石井革命で岩隈帰還が遅延

岩隈久志

「石井革命」、そんな言葉も聞かれるようになった。東北楽天ゴールデンイーグルスのゼネラルマネージャーに就任した石井一久氏(45)が積極的な補強を続けている。
 浅村栄斗(28)のFA補強に続いて、オリックスとの自由契約が濃厚になった金子千尋(35)の獲得も狙っている。
 チーム関係者がこう言う。
「浅村との交渉では、移籍する利点を自身の体験談として伝えました。FA取得選手は移籍することへの戸惑いがあります。それを逆手に取り、自身がヤクルト、メジャーリーグ、そして、西武を渡り歩いたからこそ得ることのできたものを語っていました」
 石井GMはノホホンとした雰囲気があり、「ヤリ手」のイメージはなかった。チーム編成のセンスを知る一部の関係者も「ここまでヤルとは思わなかった」と驚いていたが、金子獲得だけは慎重になるべきとの意見も出始めたという。

「金子に興味を示している球団は楽天だけではありません。スピード勝負を仕掛けた理由も分からなくはないんですが」(プロ野球解説者)
 金子は野球協約が定める減額制限を超えるダウン提示を受け、オリックスと揉めていた。思い出されるのは、国内FA権を行使した14年オフで、「4年20億円で残留した」と伝えられたのだが、18年の年俸は6億円だったそうだ。4年の複数年契約が切れ、来季に向けて新たな契約を交わすことになったわけだが、関係者によれば、オリックスが提示した年俸額は「1億円」。近年は不本意な成績が続いていただけに減俸は仕方ないとしても、5億円ものダウンは受け入れられないとし、金子は退団を考えているようだ。
 金子は社会人・トヨタ自動車時代、楽天の平石洋介監督(38)とチームメイトだった。
 その縁も使って、石井GMが仕掛けてきたわけだが、古参の楽天関係者はこう首を傾げていた。
「岩隈(久志=37)はどうするのか…。創設時のエースであり、獲得の順番とすれば、岩隈の帰還を確実にしてから金子にアタックしたほうが良いのではないか」

 岩隈も近年は故障に泣かされてきた。9月にマリナーズ退団が決定し、新たな働き場所を見つけている。「日米問わず」の姿勢も一部メディアに伝えており、立花陽三球団社長らの一連の発言からして、「正式オファーも時間の問題、帰還は確実」と見られていた。しかし、金子獲得に動き出した今も、楽天は岩隈サイドと接触していない
「メジャー在籍中も、岩隈は帰国すれば必ず楽天の関係者にも挨拶をしていました。楽天の施設でも練習していたし。そういう関係からして、岩隈が楽天以外の日本球団に行くことはないと思っていましたが」(前出・同)

 創設時のエースと金子の交渉順位が変更されたことで、さまざまな憶測も呼んでいる。
 石井GMはメジャーリーガー時代にチーム組織論を学んだ。日本の球団スタッフは親会社からの出向ばかりだが、米球団はフリーランスだ。選手同様、結果を残せなければクビ、あるいは、実績を積み上げ、将来はどこかの球団でゼネラルマネージャーに成り上がってみせるという野心家が集まっている。だから、球団職員もチームの勝敗に敏感であり、補強やデータ解析だけではなく、トレーニングマシンやサプリメントに関しても、さまざまな企画書を提案する。
 当然、こうしたメジャー球団の組織論は岩隈も知っている。元メジャーリーガー同士の嫉妬、敵愾心を予想する声もあれば、「楽天球団がいかに岩隈を大切にしているのかを知らないのではないか?」と懸念する向きもあった。

「岩隈は昨年9月に右肩にメスを入れました。マリナーズが解雇に踏み切ったのは、復帰まで待てないと判断したからですが、まだ完全に癒えていないのではないか? 正式な帰還交渉を始めたくても始められないのかもしれない」(11月26日時点/ベテラン記者)
「石井革命」には、創設メンバーの排除は含まれていない。楽天ファンは金子よりも岩隈の帰還を望んでいるはずだ。石井GMは「岩隈の帰還」に関する見解を説明する必要もありそうだ。(スポーツライター・飯山満)

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