「“あれ”をやらないと…」議論される「プロ野球16球団」の課題

「“あれ”をやらないと…」議論される「プロ野球16球団」の課題

渡辺恒雄

 「プロ野球球団を持ちたいです。球団経営を通して、ファンや選手や地域の皆さまの笑顔を増やしたい。みんなで作り上げる参加型の野球球団にしたい。シーズンオフ後に球界へ提案するためのプランを作ります。皆さまの意見も参考にさせてください。そこから一緒に作りましょう!」

 株式会社ZOZOの社長・前澤友作氏が、ツイッターで昨年7月にぶち上げた球界参入構想。これを機に球団拡大の議論がそこかしこで展開されたことは、今も記憶に新しいところだろう。

 2014年に自民党の日本経済再生本部が作成した「日本再生ビジョン」では、16球団への拡大が提言された。実現すれば60年以上続く12球団体制に変化が生じるとあって、期待を寄せるファンも少なくない。

 「候補地」や「支援策」といった事柄については、「もし実現に移すなら」という枕詞とともに頻繁に語られている。一方、「オーナー企業」に関しては、どうにも後回しにされている印象がぬぐえない。

 球界に新規参入する企業は、承認された場合まず30億円(預かり保証金25億円、野球振興協力金4億円、加入手数料1億)を支払うと野球協約で定められている。ここに球場の整備費や人件費といった費用を含めると、おそらくその金額は100億円以上となるだろう。

 現に2005年に新規参入した楽天は、球場改修費(30億円)、選手の年俸(約20億円)といった目に見える出費を含めただけで「大台」に迫っている。これに耐え得る体力や意欲を持つ企業は、今の日本では限られるだろう。

 また、日程面も考えると、条件に合致する企業が奇数ではなく、偶数であってほしいところ。ともすれば“ないものねだり”かもしれないが、この点をクリアにしないと拡大構想はいつまで経ってもくすぶり続けたままだ。

 「候補地」や「支援策」ももちろん大事だが、それらが成り立つのは「オーナー企業」の存在があってこそ。球団拡大に本気で取り組みたいのならば、手を挙げそうな企業の洗い出しから先に着手する必要があるのではなかろうか。

記事内の引用について
前澤友作の公式twitterより
https://twitter.com/yousuck2020

文 / 柴田雅人

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