今年は“飛ぶボール”になった? プロ野球・ホームラン量産の謎を関係者が語る

今年は“飛ぶボール”になった? プロ野球・ホームラン量産の謎を関係者が語る

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 「今年はホームランが出すぎ。ボールを変更したのではないか!?」

 プロ野球のペナントレースが始まってまだ2カ月も経っていないが、奇妙なうわさが広まっている。どのチームも例年以上に本塁打が多く出ているため、ボールの材質が変わったのではないか、と。たしかに、本塁打数は増えている。5月7日時点でセ・リーグは201本塁打を記録しており、巨人は32試合で44本塁打と12球団トップ、量産態勢に入っている。ボールに対する疑惑が深まったのも、巨人戦だった。5月2日、岡本和真の放った凡フライが東京ドームの天井に直撃するハプニングも見られた。

 「過去、プロ野球公式戦で使用されているボールはバラバラでした。チームごとにメーカーの異なるボールを使っており、国際試合の機会も増えたので、ボールの反発係数をメジャーリーグの使用球、つまり、国際基準に合わせることになったんです。それが、2011年導入の『統一球』です」(スポーツ紙記者)

 統一球は「飛ばないボール」とも称された。しかし、導入3年目の13年、ボールの反発係数の誤差をめぐるトラブルも起き、当時は「意図的にホームランを増やそうとしたのでは?」と、NPBと当時のコミッショナーに疑惑がかけられた。

 「反発係数の誤差の幅をより小さくし、品質管理を徹底することで12球団は納得しましたが」(前出・同)

 ホームラン量産の傾向にある今季、12球団は13年と同じ組織的隠ぺいも疑っているのだ。

 「NPBと統一球を製造しているメーカーは、完全否定しています。13年に叩かれているので組織的隠ぺいは考えにくい」(球界関係者)

 関係各所によるコメントを信じたい。

 ホームランは、野球の華。緊迫した投手戦も楽しいが、ホームランが出たほうが球場も盛り上がる。それでも12球団が「ボールが飛ぶこと」にナーバスになるのは、投手の継投策を含めたディフェンス面での作戦に大きな影響が出るからだが、こんな見方もある。

 プロ野球の本拠地球場の中で、最も本塁打が出やすいと言われているのが、東京ドーム、神宮球場、横浜スタジアムだ。外野フェンスまでの距離が他球場よりも短いからである。

 ※ ※

〇2019年5月7日時点
 巨人 防御率3・37 被本塁打34
 ヤクルト 3・94 42
 DeNA 3・99 29
〇2018年シーズン
 巨人 防御率3・79 被本塁打144
 ヤクルト 4・13 143
 DeNA 4・18 149
 ※ ※

 ”ホームランの出やすい”球場を本拠地としている巨人、ヤクルト、DeNAの成績を前年と比較してみた。今のペースで行けば、巨人は150本強、ヤクルトは170本以上の本塁打を献上してしまう。しかし、3球団ともチーム防御率は良くなっている。データ上では「被本塁打増=大量失点(防御率の悪化)」とは言えないのだ。

 組織的隠ぺいも騒がれた13年当時、現役だった元プロ野球投手がこう言う。

 「12年と13年で、ボールが違うってことはすぐに分かりました。変化球の曲がり具合が違ったんです。統一球が導入されたときも変化球の曲がり方が異なり、制球力に苦しんだ投手も大勢いました」

 ボールを投げる側のピッチャーからこうした苦情は、今のところ出ていない。本塁打量産の真相はナゾだ。ファンのモヤモヤした気持ちも吹っ飛ばすような劇的なホームランが出ればいいのだが…。

(スポーツライター・飯山満)

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