巨人、地上波中継はもはや絶体絶命? それでも経営サイドが強気なワケ

巨人、地上波中継はもはや絶体絶命? それでも経営サイドが強気なワケ

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 「優勝前の足踏み状態」なんて、悠長なことはもう言っていられない。巨人は4連敗を喫し(9月4日)、2位DeNAとのゲーム差は2・5と接近してきた。

 そんなチーム状況に追い打ちを掛けるように、“残念な報告”がされた。8月29日、ゴールデンタイムで地上波放送された「巨人対広島戦」が、視聴率6.7%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と低迷した。ゴジラ松井、前指揮官・高橋由伸両氏によるダブル解説だった。次期監督候補と不遇の前任者が、今の巨人にどんな印象を持ち、何を喋るのかはG党でなくても興味深いところだったが、2ケタにも届かなかった。

 「巨人は5年ぶりの優勝を目指し、注目度の高い松井、高橋という2人のOBを揃え、かつ、対戦チームは『カープ女子』で全国区の人気を誇る広島ですよ。それでも2ケタに届かないとなれば、地上波・ゴールデンタイムでのプロ野球中継は厳しいということになります」(スポーツ紙記者)

 他局が大型バラエティ番組をぶつけてきたせいもある。しかし、関係者にこのことをぶつけてみると、さほど深刻には捉えていなかった。その理由は――。

 「巨人サイドと、巨人戦を中継する日本テレビとの間で、プロ野球中継に関する考え方の相違もあるようです」(球界関係者)

 プロ野球中継が地上波ゴールデンタイムから消えて久しい。かつては、ペナントレースが行われている期間は、必ず巨人戦が放送されていた。ここに「推定1億円強」とされる放映権料が発生し、人気の巨人戦を持つセ・リーグと、パ・リーグ球団との経営格差も生じたのだが、それはもう昔の話。プロ野球各球団はTV放映料に頼らない経営システムをすでに確立しているという。

 「プロ野球チームの収支は、入場者収益、TV放映料、グッズ収入が3本柱とされています。TV放映料は今も大切な収入源ではありますが、メインではありません。テレビに関しては『地上波よりも衛星放送、インターネット』の考え方で、入場者収益を主体とする経営システムに変わりました。巨人も同様です」(前出・同)

 プロ野球チームの収支決算は公表されていないため、あくまでも推定だが、ソフトバンク、阪神、広島といった人気チームは年間約200億円の入場者収益があるとされ、キャパシティの比較的多い東京ドームを本拠地とする巨人は「220億円くらい稼いでいるはず」との声も聞かれた。

 また、巨人に限らず、プロ野球球団は「土日曜日、祝日はデーゲームで」と考えている。家族連れを増やすためで、その発想は90年代から持っていたが、当時の「夏場のゴールデンタイムはプロ野球中継」というテレビ局との関係があって、土日曜日のデーゲームを増やすことができなかったのだそうだ。

 「テレビ中継を観たファンが『球場に行きたい』と思ってくれたら、それでいい」(前出・同)

 こうした球団の経営サイドは強気だ。もっとも、今回の視聴率低迷を受けて、「日本シリーズの中継にも影響しなければ」と懸念する声もないわけではない。

 「29日の巨人戦ですが、試合は序盤で巨人のワンサイド・ゲームとなってしまいました。松井、高橋両氏の解説でなければ視聴率はもっと悪かったと思います」(ベテラン記者)

 放送する側とすれば、僅差で最終回まで進んでほしかったはず。試合展開が読めないのが、プロ野球中継だ。原監督とすれば、こうした“雑音”を封じるためにも、マジックナンバーを再点灯させ、一刻も早く優勝してしまいたい心境だろう。

(スポーツライター・飯山満)

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