巨人の期待を裏切った「キューバの大砲」がプレミア12参戦 事前に衰えを見抜いていた球団、それでも獲得を決断した事情とは

巨人の期待を裏切った「キューバの大砲」がプレミア12参戦 事前に衰えを見抜いていた球団、それでも獲得を決断した事情とは

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 東京五輪出場の予選も兼ねているプレミア12が始まり、日本はベネズエラとの初戦を迎える(日本時間11月5日)。しかし、他の出場国のメンバーを見て、ちょっと驚かされた。ドミニカ共和国、メキシコなどには、12球団所属の外国人選手や元NPB選手が多くいる。そして、野球王国とも称されるキューバにも、NPBプレーヤーがいた。中日のライデル・マルティネス投手、アリエル・マルティネス捕手(育成)、元千葉ロッテのロエル・サントス外野手。そして、元巨人のフレデリク・セペダ外野手もいた。

 セペダと言えば、「キューバの大砲」として期待されたが、それを大きく裏切った“ダメ助っ人”だ。

 「巨人を退団したのが15年オフ。その後、コロンビアのウインターリーグに派遣されるなど、今も国内リーグで現役を続けている話は聞きましたが」(NPB関係者)

 セペダは39歳。今季限りでの引退を表明した阿部慎之助は40歳である。

 セペダが巨人入りしたのは、2014年だった。キューバの国家政策が変わり、これまで「海外プロリーグでの活動は認めない」とする規則がなくなった。これまでは、メジャーリーグを夢見るキューバ選手は亡命するしか手段がなかった。しかし、それが改められ、セペダはその正規ルートに則った「海外移籍第一号」となった。

 「変化球主体の日本のプロ野球に合わなかったのか、2年目の15年は打率ゼロで終わりました。09年の第2回WBCではメジャースカウトが大絶賛していたスラッガーでしたが。巨人に移籍した時は30代半ば、体力的ピークを過ぎていたのかもしれません」(米国人ライター)

 その後、DeNAと契約したユリ・グリエルや、千葉ロッテを経て、現在ソフトバンクに在籍中のアルフレド・デスパイネら後輩たちが活躍しただけに、巨人ファンはガッカリだった。

 「キューバ国内リーグで復活したという話は出ていません」(前出・同)

 前回の第4回WBCでも、セペダは代表チーム入りしている。前出のNPB関係者によれば、キューバの野球人口、レベルはともに落ちているそうだ。海外移籍を認める正規ルートができても、「亡命によるメジャーリーグ挑戦者」は後を絶たず、それがファン離れにもつながったそうだ。

 「セペダはキューバでは英雄です。社会的影響力も持ったカリスマ」(米特派記者)

 巨人と契約した当時を知る関係者が、こんな舞台裏を話してくれた。

 「巨人の渉外担当もセペダを見て、すぐにピークを過ぎていることは見抜いていました。でも、キューバ野球連盟や国家が、正規ルートで海外に挑戦する第一号は、彼でなければ困るんだと泣きつかれたんです」

 巨人サイドが折れた理由は、「今後の良好な関係を構築したい」に尽きる。

 キューバ選手、正規ルートによる移籍はNPBに定着しなかったが、セペダは今も現役を続けている。成績はイマイチだそうだが、代表チームのまとめ役、精神的支柱でもあるそうだ。キューバは予選D組、日本はC組に振り分けられたので、セペダとの再会はともに決勝ラウンドまで勝ち上がってからとなる。

(スポーツライター・飯山満)

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