原因は監督じゃない!? 弱すぎる巨人「本当の戦犯」

球団史上最多連敗記録の巨人、"本当の戦犯"は30億円の大型補強も失敗のフロント陣?

記事まとめ

  • 盟主84年の歴史に、汚点となる球団ワースト記録を刻んだ読売ジャイアンツ
  • 期待の小林誠司は打率1割7分1厘(6月8日時点)と低迷、阿部慎之助や長野久義も不調
  • 陽岱鋼、山口俊の両FA選手の出遅れで巨人の補強担当の見る目のなさに批判も

原因は監督じゃない!? 弱すぎる巨人「本当の戦犯」

原因は監督じゃない!? 弱すぎる巨人「本当の戦犯」

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 盟主84年の歴史に、汚点となる球団ワースト記録を刻んだG軍団。なぜ、勝てないのか!? 本誌が徹底取材!!

 プロ野球界の盟主といわれたのは、今は昔――巨人が泥沼にはまっている。6月7日、西武戦で0-3と完封負けした巨人は、5月25日の阪神戦から勝ち星がなく12連敗となった。「75年に長嶋茂雄監督が就任1年目に喫した11連敗の記録を更新。球団史上最多連敗という不名誉な記録となってしまいました。過去に10連敗以上したチームが、そのシーズンに優勝した例は12球団を見渡しても一度もなく、優勝は絶望的です」(スポーツ紙記者)

 7日の西武戦で“負けは見飽きた”など、厳しい横断幕が掲げられたが、ファンの怒りも空しく翌8日も2-13で西武に3連敗。重症なのが、チーム内の雰囲気。通常、連敗中はピリピリムードが漂うが、それがないという。「ベンチを見ていても、緊張感がない。“負けて当たり前”と開き直っている。プロ野球では、ゲン担ぎでベンチに盛り塩をしたりするんですが、そういうこともやっていない。何が何でも勝ちたいっていう気迫が伝わってこないんですよ」(スポーツ紙デスク)

 巨人V9時代を知るOBの黒江透修氏は、巨人の惨状に対して、こうこぼす。「情けないよ。巨人の試合を観ていても、選手たちから覇気が感じられない。勝てる気がしない」

 昨オフには30億円の大型補強を行い、巨大戦力を揃えた巨人は、なぜ、ここまで弱体化したのか。弱すぎる巨人の“戦犯”は誰なのか――。まず、一番に挙げられるのが小林誠司だ。小林は侍ジャパンの正捕手としてWBC全試合に先発出場し、打率も4割5分とチーム1位。“保険の保険の第3捕手”などと揶揄されてきたが、世界の舞台で一気に覚醒したともっぱらだった。

「しかし、期待された打撃は、打率1割7分1厘(6月8日時点=以下同)と低迷。リードも単調。3日のオリックス戦では、初回に4失点し、一度も打席に立たないまま交代させられるほど、首脳陣から信頼されていません。WBC効果か、開幕前のグッズの売り上げが、それまで断トツ1位だった坂本を抜いて、小林が一番売れたんです。それもあり、天狗になっていたんですよ」(巨人担当記者)

 阿部慎之助、長野久義の名も当然挙がってくる。

「開幕当初は、15試合で打率3割7分3厘と好調だった阿部ですが、ここにきて調子を落とし、打率2割5分7厘にまで急落。阿部の失速とともに、巨人の勝ち星が遠ざかっていきました。阿部一人の責任ではありませんが、巨人は阿部慎之助のチーム。彼の調子が良ければ浮上するし、悪ければ勝てないんです。まず、阿部が復調しない限り、巨人の復活はありませんよ」(前出のスポーツ紙デスク)

 阿部に次ぐ、ベテランである長野の責任も重い。「10年新人王、11年首位打者、12年最多安打など、数々のタイトルを獲得してきたが、今季は打率2割2分5厘、得点圏打率に至っては1割8分8厘、併殺打も8つ(セ・リーグ2位タイ)と、かつての面影はありません」(前同)

 昨オフ、膝の手術をした後、十分にリハビリの時間を取らなかった影響がバッティングに出ているとの見方もあるが……。「年俸2億2500万円も払っているわけですから、それに見合う結果を出さないと……。このままでは、給料泥棒とヤジられても文句を言えません」(同)

 選手陣だけではなく、問題はコーチ陣にもあると話すのは、前出の黒江氏だ。「こういうときは、確実にランナーを次に進める野球を徹底するという、基本に立ち返らなければならない。それなのに、ベンチの作戦はバントしかない。エンドランや盗塁とか多彩な攻撃をしないから単調なんです。誰かが監督に進言すればいいんだけど、遠慮して何も言えない。問題は(村田真一)ヘッドコーチだと思う。大きな権限を持っているはずなのに、存在感がなさすぎる」

 他にも、阿部や村田修一が故障を気にして、全力疾走をしないが、それをたしなめるべきコーチが注意しないと黒江氏は言う。「今のコーチは、クビになりたくないから何も言わないんですよ」(前同)

 V9時代に名将・川上哲治が行っていた「シーズン中のコーチ陣入れ替えを強行すべし」と言うのは、スポーツ紙ベテラン記者だ。「村田ヘッドを三軍に落として、川相昌弘三軍コーチを一軍ヘッドに持ってくるべき。そうした大胆な人事を行って、もっと監督にズバズバと意見が言えるコーチを据えないと、今の惨状は続いていきますよ」

 選手、コーチともに改革が必要とされるが、それは昨年から指摘されていたこと。それゆえに、昨オフには30億円ともいわれる大補強を敢行した巨人。にもかかわらず、苦戦している大きな原因が、陽岱鋼、山口俊の両FA選手の出遅れにあるというのは、多くの関係者の指摘するところだ。

「2人とも故障が原因で、開幕に間に合わなかった。首脳陣は彼らが万全であることを前提に、シーズンを乗り切るプランを立てていたわけですから、この2人が開幕から出られないというのは大きな痛手だったと思います」(前出のデスク)

 陽は6日の西武戦から戦列に復帰。初戦から先制タイムリーを放ち、連敗の中にも希望の光を覗かせた。一方の山口も最速150キロの速球をコンスタントに投げられるまでに回復。14日には移籍後初勝利をマークした。とはいえ、2人の復帰はあまりにも遅かった。

「実は、陽も山口も、ともに故障持ちであることは分かっていた。だからこそ、日本ハムやDeNAは彼らを手放した。しかし、巨人のフロント陣は開幕には間に合うと判断し、獲得に動いた。その読みが見事に外れたわけです。そうした事情を知る関係者たちは、巨人の補強担当の見る目のなさをあざ笑っていますよ」(スポーツ紙ベテラン記者)

 ある意味、巨人連敗の本当の戦犯は、デタラメな補強を繰り返す巨人のフロントだというのだ。「そもそも、このオフにFA権を取得した選手のナンバー1、2は、陽岱鋼、山口俊ではなく、糸井嘉男、岸孝之の2人ですよ。岸は星野仙一氏が“巨人には獲らせまい”と動いたようですが、なりふりかまわず獲得に動けば、阪神や楽天に奪われず、この2人の選手を両獲りできなかったわけではありません」(前同)

 また、巨人内部には、現在、打率3割3分3厘と首位打者の中日・大島洋平を推す声もあったという。「しかし、最終的に陽岱鋼獲得に舵を切ったのは、台湾進出を目論む事務方の“戦略”が優先されたという事情があったからだといいます」(同)

 獲った選手は開幕に間に合わず、獲らなかった選手が活躍する。やることなすことが、裏目に出てしまっているのだ。最後に、野球評論家の里崎智也氏はこう言う。「こういうときの“特効薬”などありません。止まない雨はないことを信じて我慢するしかないでしょうね」

 ドン底の由伸巨人に光明が差すのは、いつの日か?

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