【プロ野球】負けの美学はどうあるべきか。18連敗、23連敗、28連敗……野球界・負け続けた球団と男たち

【プロ野球】負けの美学はどうあるべきか。18連敗、23連敗、28連敗……野球界・負け続けた球団と男たち

負けの美学はどうあるべきか

「負けの美学」とはどうあるべきか。なんだかそんなことを考えたくなる、今季のプロ野球だ。

 4月に日本ハムが12年ぶりとなる10連敗をしたかと思えば、5月にはオリックスが4連敗→6連敗→9連敗で月間19敗。そして今(※6月8日現在)、巨人が球団ワースト記録を42年ぶりに更新する13連敗……。

 特に巨人の連敗記録は、これまで負け慣れていない球団だからか、ファンの戸惑いや落胆ぶりは実に大きい。一方、そんな巨人ファンを見て、「まだ上には上がいるんだぞ」といったファン同士の応酬も。それはそれで微笑ましくもあり、切なくもあり。

 そこであらためて、野球界におけるさまざまな「連敗記録」にスポットを当ててみたい。上には上なのか。下には下なのか。

※野球の見方が変わるスマホマガジンでニュースやコラムが読み放題!

■プロ野球12球団・連敗記録

18連敗:ロッテ(1998年/年度順位:最下位)
16連敗:ヤクルト(1970年/年度順位:最下位)
15連敗:中日(1946年/年度順位:最下位)
15連敗:ソフトバンク(南海時代の1969年/年度順位:最下位)
14連敗:DeNA(大洋時代の1955年、横浜時代の2008年/年度順位:いずれも最下位)
14連敗:日本ハム(1984年/年度順位:最下位)
13連敗:広島(1950年/年度順位:最下位、1999年/年度順位:5位)
13連敗:西武(2015年/年度順位:4位)
13連敗:巨人(2017年/年度順位:?)←イマココ
12連敗:阪神(1998年、1999年/年度順位:いずれも最下位)
12連敗:オリックス(2012年/年度順位:最下位)
11連敗:楽天(2005年に2度/年度順位:最下位)

 日本記録は「ジョニー黒木・七夕の悲劇」(※17連敗時)でプロ野球ファンにはおなじみの千葉ロッテマリーンズ18連敗(1998年)だ。

 こう書くとロッテファンや黒木知宏ファンには怒られてしまうかもしれないが、プロ野球新記録となった17連敗時、9回2アウト2ストライクまで2点差でリードしていながら、「あと一球」でまさかの同点弾を浴びてマウンド上で崩れ落ち、立ち上がれなかった黒木知宏。試合はその後、延長戦の末で敗れてしまった。

 だが、球史に、そして野球ファンの記憶に刻まれるこの見事な「負けっぷり」があったからこそ、黒木は全国区のエースになれたのではないだろうか。そして、この大きな傷を負いながら、この年、黒木は13勝9敗で最多勝と最優秀勝率のタイトルを獲得したのだから立派だ。

 ちなみに、やはりというべきか、当然そうなるというべきか、球団ワーストの連敗記録を作ったシーズン、各球団の最終順位はほぼ最下位。Bクラス確率は100%だ。

 また、今回の巨人連敗記録によって、12球団でもっとも連敗記録の数字が少ないのが楽天、という意外な結果も導いている。

■MLB記録は23連敗

 MLBにおける連敗記録としては、1961年、フィラデルフィア・フィリーズが作った「23連敗」がワースト記録だ(※近代野球が成立した、といわれる1900年以降)。この年、7月28日から8月20日までの約1カ月、フィリーズの選手もファンも、勝利の美酒を味わうことができなかった。

 それだけに、連敗がストップすると選手はもちろん、ファンが大喜び。久しぶりの勝利は敵地だったため、チームが本拠地へと帰還した際にはファン約2000人とブラスバンド演奏が空港まで出迎えて選手を祝福した、といわれている。

■個人記録は28連敗

 個人での連敗記録では、大洋に在籍した権藤正利投手の「28連敗」がある。1955年7月から1957年7月まで、ほぼ2年間勝てずに作った「不名誉な大記録」なわけだ。

 普通、これだけ負け続ければ試合には使ってもらえないはず。それでもローテーションから外れなかったのは、いい投球をしても味方の援護がなかったり、エラーに悩まされたり……、という不運が続いたから。

 実際、その実力は疑いようもなく、ルーキーイヤーは15勝12敗で新人王を獲得。連敗記録から10年後、阪神時代の1967年には「1.40」という見事な数字で防御率1位のタイトルを獲得。通算117勝を挙げた大投手だった。

 過去の連敗記録を見ていくと、7月や8月の夏場に生まれたものが多い。選手の疲れがピークを迎えるこれからの季節、「黒星」というストレスとプレッシャーがさらなる負担を生み出し、負のスパイラルへとつながるわけだ。

 各地で梅雨入りの声が聞こえる日本列島、ジメジメしているのは空模様だけ、と行きたいところだが、果たして。

文=オグマナオト

【関連記事】

関連記事(外部サイト)