【ドラフト解説】6球団が一本釣り 補強ポイント明確にした戦略目立った

【ドラフト解説】6球団が一本釣り 補強ポイント明確にした戦略目立った

プロ野球ドラフト会議2021会場全景

 ◇プロ野球ドラフト会議(2021年10月11日)

 本命なきドラフト会議。昨年は7球団が事前に1位指名選手を公表したが、今年は西武の隅田(西日本工大)、ソフトバンクの風間(ノースアジア大明桜)の2球団のみ。各球団が予想していなかった名前が1位指名に並んだ。6球団が一本釣りに成功したのは、14年以来7年ぶり。各球団の戦略が浮き彫りになった、珍しいドラフトだった。

 中でも楽天が思い切った。1位で吉野(昌平)を単独指名し、3位で前田(三島南)、さらに育成2位で柳沢(日大藤沢)、同3位で大河原(東海大山形)も指名した。右の外野手を4人。補強ポイントを明確にした戦略だった。

 広島は1位指名で隅田、山下(法大)を競合の末、外したが、3度目で黒原(関学大)を指名。さらに2位では森(三菱重工West)とあくまでも「即戦力左腕」にこだわった。1位を2度、外しても元々、1位候補に挙げていた左腕を指名できただけにドラフト全体ではV字回復したと言えるだろう。

 今年は例年よりもドラフトが前倒しとなっただけではなく、コロナ下でスカウトがチェックできない難しさもあった。巨人1位の翁田(関西国際大)が所属する阪神大学野球リーグは、今月4日にリーグ戦の視察が解禁となった。ヤクルト1位の山下はドラフト前のリーグ戦登板はわずか1試合。それもドラフト前日だった。ヤクルトはスカウト会議で視察できていなかったが、1位に踏み切ったのは、素質の高さを信じた結果だった。

 目玉不在と言われたが、育成を含めた12球団の指名人数は昨年よりも5人多い、128人。育成選手は史上最多の51人が指名された。制約があった中、それぞれの担当スカウトが全国から金の卵を探してきた。(アマ野球キャップ・川島 毅洋)

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