クラーク・越智が貴重な犠飛 19年に他界した父・一久さんの遺骨しのばせ「甲子園でも一緒に」

クラーク・越智が貴重な犠飛 19年に他界した父・一久さんの遺骨しのばせ「甲子園でも一緒に」

<旭川実・クラーク>6回1死満塁、右犠飛を放つ越智(撮影・高橋茂夫)

 ◇秋季北海道高校野球大会決勝 クラーク3―1旭川実(2021年10月12日 札幌円山)

 父ちゃん、やったよ!初優勝が決まると、クラークの越智飛王(2年)は心の中で父・一久さん(享年46)に報告した。「野球の楽しさ、難しさを一から教えてくれた。父はずっと甲子園に行きたいと言っていたので、実現できて安心した」と涙がこぼれた。

 今大会は、19年7月7日に急性心臓死のため他界した父と一緒に戦っていた。納骨の際に分けてもらった遺骨をしのばせたペンダントを身に着け、ネクストバッターズサークルに入る前には必ず握りしめ、力をもらった。1―0で迎えた6回1死満塁、大きな右犠飛を打ち上げ、貴重な追加点を奪った。

 18、19年と2年続けて夏の北北海道大会決勝で敗れた、クラークの先輩でもある兄・健斗(現札幌国際大2年)の思いも背負っていた。「フルスイングでいけよ」とこの日もLINEで激励された。「2回負けた兄の分まで絶対に甲子園に行きたかった。守備も打撃もアドバイス通りできた」と胸を張った。

 スタンドでは健斗とともに母・千穂さん(47)が祈るように見つめていた。隣の席には、一久さんが亡くなった後に後援会関係者からプレゼントされたクラークのロゴ入りテディベアと一久さんが使っていたバッグを置いた。「このベアちゃんを支部予選からずっと連れてきているんです。(一久さんと)一緒に応援している感覚で、見守ってくれています」とほほ笑んだ。

 自宅の車庫にティー打撃用のネットを張って子供たちにトスを上げ、クラークの父母会長も務めていた一久さんにささげる初優勝。「甲子園でも父と一緒にプレーしたい」と越智はいとおしそうにペンダントを握りしめた。(石川 加奈子)

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