ドラフトで大注目! “大化け”が期待される高校生「6人の有望株」

ドラフトで大注目! “大化け”が期待される高校生「6人の有望株」

野球選手とは思えない細い体つきだったが、潜在能力が評価された八戸西・福島蓮(写真提供:プロアマ野球研究所)

■徹底した体作りが必要だが……


 10月11日に開かれるドラフト会議がいよいよ迫ってきた。大きくクローズアップされるのは、もちろん上位指名が予想される選手だが、下位指名や育成指名のなかでも、大化けの可能性を秘めた選手は誰なのか、楽しみな野球ファンも多いだろう。今回は、高校生のドラフト候補のなかで、将来性がある有望株を探ってみたい。

 投手では、羽田慎之介(八王子)と黒田将矢(八戸工大一)が有力な「大化け候補」として挙げられるが、巡り合わせによって、ドラフト1位か2位で消える可能性があるため、今回の記事では対象から外した。

 彼らに続く存在として、福島蓮(八戸西)が面白い。今春は21世紀枠で選抜に出場。初戦で同じ21世紀枠の具志川商と対戦し、5回5失点で負け投手となった。2年秋の時点では、186cm、62kgと野球選手とは思えない細い体つきだったが、140キロ近いボールを投げるなど、その潜在能力が評価されていた。

 今夏は189cm、72kgまで体が大きくなり、ストレートの最速は142キロをマーク。制球力の高さも光った。当面は、徹底した体作りが必要だが、上背に見合った筋肉量が備われば、非常に将来が楽しみな投手である。


■柔らかく使える腕の振りが長所


 同じ右投手では、永島田輝斗(立花学園)と黒木優(九州文化学園)も期待できる。永島田はもともと捕手だったが、1年秋から本格的に投手へ転向した。今年3月には150キロをマークするまでに成長。指にかかった時のボールは、目を見張る勢いがある。フォームのバランスや指先の感覚も悪くはなく、130キロ台のカットボールは高校生で上位クラスだ。

 黒木は、将来性の高さが九州でも指折りといわれる大型右腕だ。今春に最速147キロをマークするも、その後は不調に陥り、夏の地方大会は2回戦で敗退した。それでも、随所に素材の良さを感じる投球を見せた。長いリーチを持て余すことなく、柔らかく使える腕の振りが長所で、184cmという長身でありながら、身のこなしの軽さが目立つ。フィールディングなど投げる以外のプレーにも動きの良さがある。

 左投手では、金井慎之介(横浜)を挙げたい。中学時代はU15侍ジャパンに選出され、高校入学後、1年夏に早くも神奈川大会で登板するなど高い期待を集めていた。だが、2年秋の新チームからは肘の故障もあって低迷。今夏は地方大会と甲子園を合わせて、わずか3回1/3の登板に終わった。最終学年の状態を見ると、プロ側が指名することは、かなりの勇気が必要かもしれないが、柔らかい腕の振りと伸びやかなフォームは大きな魅力である。


■強い体と高い運動能力


 一方、野手をみると、前田銀治(三島南)が大化けの期待が集まる候補筆頭だ。今年の選抜で、三島南の試合を取材した際に、前田のシートノックでの動きと強肩に驚かされた。181cm、89kgというラグビー選手のような体格から繰り出される動きには躍動感が溢れ、センターからの返球は低い軌道で勢いがあった。バッティングは、タイミングのとり方に余裕がなく、粗削りだったとはいえ、打球の速さにインパクトがある。強い体と高い運動能力に、技術面が追いつけば、大きな成長が期待できる選手だ。

 右の強打者タイプでは、もうひとり。渡辺大和(高野山)が楽しみな存在だ。177cm、95kgという巨漢を生かしたフルスイングは迫力十分。パワーだけでなく、スイングに柔らかさもある。前出の前田と比べると、守備や走塁に目立つところがなく、打撃に特化した選手と言えるが、プロでは同じタイプのリチャード(ソフトバンク)にブレイクの兆しが見られる。こうした点を考慮すると、渡辺にとってプロ入りへの追い風になりそうだ。

 今回紹介した選手は、大学や社会人を経由して高い順位でプロ入りを目指した方がリスクは少ないという指摘もある一方で、プロの環境でしっかり鍛えることで才能が大きく開花する可能性を秘めている。ドラフト会議で、ここから一人でも多くの名前がアナウンスされることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年10月4日 掲載

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