DeNAの「ドラ1」はスポーツ紙の予想が当たらない…今年指名されるのは一体誰だ?

DeNAの「ドラ1」はスポーツ紙の予想が当たらない…今年指名されるのは一体誰だ?

ドラフトではチーム防御率が12球団最下位という投手陣の立て直しを最優先するか(DeNA・三浦大輔監督)

■当日ギリギリまで決めない


 いよいよ10月11日に迫ったプロ野球のドラフト会議。連日のように各球団の指名候補について報道されているが、例年1位指名の方針が読みづらいのがDeNAだ。ここ数年は事前に1位指名選手を公表する球団も多いが、DeNAは当日ギリギリまで選手を決めない戦略をとっている。

 ちなみに、過去5年間のドラフト当日に主要スポーツ紙が報じた予想と、実際の結果をまとめてみると、以下のようになっている。

<2016年> ×柳裕也→×佐々木千隼→外れ外れ1位・浜口遥大
日刊、サンケイ、中日、デイリー:寺島成輝
スポーツ報知:田中正義
スポニチ:佐々木千隼

<2017年> 東克樹(単独指名)
スポニチ、サンケイ、中日、デイリー:清宮幸太郎
日刊、報知:田嶋大樹

<2018年> ×小園海斗→外れ1位・上茶谷大河
日刊、報知:根尾昂
サンケイ、デイリー:吉田輝星
スポニチ、中日:上茶谷大河

<2019年> 森敬斗(単独指名)
日刊、スポニチ、サンケイ、中日、デイリー:森下暢仁
報知:奥川恭伸

<2020年> 入江大生(単独指名)
日刊、スポニチ、サンケイ、中日、デイリー:早川隆久
報知:入江大生


■投手陣の立て直しが最優先か


 最初の入札が当たったのは、昨年のスポーツ報知の入江だけ。ここまでスポーツ紙の予想が当たらないということは、他球団から見ても方針が読みづらいということだ。過去5年間で3度単独入札となっており、重複を避けるという意味では、DeNAのドラフト戦略は成功しているともいえるだろう。

 では、果たして今年のDeNAの1位は誰になるのだろうか。まず、チーム状況を考えると、チーム防御率が12球団最下位の投手陣の立て直しを最優先することが予想される。今年は分かりやすい目玉候補は不在で、高校生では小園健太(市立和歌山)、風間球打(明桜)、森木大智(高知)、大学生と社会人では佐藤隼輔(筑波大)、隅田知一郎(西日本工大)、広畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ)が、それぞれ有力な最初の入札候補となっている。

 比較的早く一軍の戦力として使える投手であれば、佐藤、隅田、広畑の3人になるが、佐藤は秋のリーグ戦でわき腹を痛めており、その回復具合が不安材料だ。また、投手陣の年齢構成を考えると、25歳から30歳の間に主力が集中しており、来年25歳となる広畑をいきなり指名することは、得策と考えづらい。DeNAが過去のドラフトで浜口遥大や東克樹といったサウスポーを指名した経緯を踏まえると、最速150キロ左腕で、多彩な変化球を操る隅田を指名する可能性もある。


■従来の方針が変わる可能性


 一方で、親会社がDeNAになった2012年から1位、2位の上位で高校生投手を1人も指名していないため、将来の先発候補が手薄という課題を抱えている。そちらを最優先にして動くのであれば、前出の高校生3人となるが、このなかで、完成度が高い小園が最も優先度が高くなるだろう。

 小園は、コントロールや変化球、投球術がいずれも高校生とは思えないレベルにあり、早ければ2年目からのローテーション入りが期待できる。太い柱になれる素材で、なおかつ、早くから一軍で使える投手というDeNAのニーズにピッタリ当てはまる。

 ただし、過去のドラフトでは、抽選を嫌う傾向があり、単独指名の可能性も捨てきれない。そうなると、達孝太(天理)、木村大成(北海)、山下輝(法政大)、山田龍聖(JR東日本)などが候補になりそう。特に、150キロ左腕の山田が急浮上することもありうる。

 一つ頭に入れておくべきなのは、首脳陣とスカウト体制の変化だ。これまでチームの立て直しの指揮を執っていた高田繁GMは2018年限りで退いており、GM補佐やスカウト部長を務めた吉田孝司氏も昨年のドラフトを最後に勇退している。そういう意味では、今年は新たな体制で臨む初めてのドラフトということで、従来の方針が変わる可能性がある。

 さまざまな観点を考慮して、最初の入札候補を1人に絞るとすれば、筆者は小園の名前を挙げたい。DeNAが過去数年間に上位で指名した投手をみると、1年目、2年目はそれなりに活躍しても、故障や不調で長続きしないケースが非常に多い。そのような流れを打破しなければという空気は、少なからず球団の中にもあるようだ。チームを変えるための目玉として、小園を選ぶという可能性は決して低くはないだろう。

 今年は他球団も事前の指名公表を控える傾向が強く、例年以上に読みづらい展開となっているが、DeNAは果たしてどんな決断をするのか。運命のドラフト会議はもうすぐである。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年10月10日 掲載

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