ドラフト「サプライズ1位指名」がありそうな10人の候補者リスト

ドラフト「サプライズ1位指名」がありそうな10人の候補者リスト

八戸工大一・黒田将矢(写真提供:プロアマ野球研究所)

■今年は“目玉候補”が不在


 今年のプロ野球ドラフト会議でサプライズはあるのか。2017年には1位の抽選を三度外したソフトバンクが吉住晴斗を、昨年は一回目の抽選を外した西武が渡部健人をそれぞれ1位で指名したが、事前情報では、彼らは1位候補に全く挙がっていなかった。今年は、分かりやすい“目玉候補”は不在であり、抽選を外した球団によっては意外な選手が1位に浮上することが考えられる。そこで、今回はファンが驚くような“サプライズ1位指名”となりそうなドラフト候補を探ってみたい。

 過去の例を見ると、吉住や堀田賢慎(2019年巨人1位)のように、未完成ながらスケールの大きい投手が急浮上してくるケースがあった。今年のドラフトで、この枠に当てはまるのは、黒田将矢(八戸工大一)や花田侑樹(広島新庄)、京本眞(明豊)、松浦慶斗(大阪桐蔭)、羽田慎之介(八王子)である。

 なかでも、花田を除く4人に共通しているのは、190cm前後の長身という点だ。これだけの大型選手でありながら、動きに鈍重なところが感じられず、フォームに躍動感がある。好調時には、140キロ台後半のスピードをマークする出力の高さも評価されるポイントだろう。下級生の頃からの評判と、甲子園での実績を考えれば、松浦が最も高い評価となりそうだが、スケール感では黒田、京本、羽田の3人も負けてはいない。


■共通点はとらえた時の打球の迫力


 一方の花田は182cm、75kgとそこまで大柄ではなく、体つきはまだまだ細身にもかかわらず、とにかくフォームに欠点がない。現在は140キロ台中盤程度のストレートも、体ができれば一気に150キロを超えそうな雰囲気がある。

 次に、打撃に特化したタイプで候補を挙げてみたい。上位指名の可能性がありそうな選手は、有薗直輝(千葉学芸)や吉野創士(昌平)、阪口樂(岐阜第一)、正木智也(慶応大)、ブライト健太(上武大)といった面々である。だが、そんな彼らを差し置いて、ドラフト1位に浮上する可能性がある選手として、中山誠吾(白鴎大)、鵜飼航丞(駒沢大)、梶原昂希(神奈川大)の3人を挙げたい。

 彼らの共通点はとらえた時の打球の迫力だ。中山は190cm、97kgの強肩強打ショートで、鵜飼は182cm、100kgの大型外野手。いずれも堂々とした体格を持ち、そのパワーは日本人離れしている。梶原は188cm、83kgの外野手。中山と鵜飼に比べると少し細身でありながら、鋭く体を回転させる瞬発力を感じさせるスイングで、柳田悠岐(ソフトバンク)のような雰囲気を持つ。運動能力の高さを考えると、脚力でも一級品の梶原が頭一つリードしている。


■有力候補が少ない二遊間


 過去のドラフトを振り返ると、近本光司(2018年阪神1位)、小深田大翔(2019年楽天1位)のように、即戦力が期待されるスピード自慢の選手が浮上してくる可能性がある。今年でいえば、水野達稀(JR四国)と藤井健平(NTT西日本)がこうしたタイプに当てはまる。

 水野は軽快な守備とパンチ力が魅力のショートで、今年の社会人野球日本選手権でもサヨナラホームランを放つなど、大舞台での強さを発揮した。高校卒3年目で21歳という若さがあり、今年は二遊間に有力候補が少ないという点も、ドラフト1位指名への追い風となるだろう。

 一方、藤井は高いレベルで三拍子揃った外野手だ。特に、強肩とスピードはプロに入っても上位の迫力がある。少し調子の波がある打撃は課題だが、パンチ力は申し分なく、近本とよくタイプの似た選手である。

 今回挙げた10人の中では、松浦、梶原、水野、藤井の前評判が高いものの、他の6人も密かに高く評価している球団は必ずあるはずだ。冒頭でも触れたように、今年は分かりやすい目玉選手は不在だけに、複数の“サプライズ1位指名”が誕生することも十分に考えられる。果たして、ドラフト当日にどんなドラマが生まれるのだろうか。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年10月10日 掲載

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