優勝逃した巨人 井納、山口、テームズ、スモーク、中田翔…今年も補強失敗にファンの怒り

巨人に「補強失敗」とファン怒り 梶谷隆幸、井納翔一、山口俊、中田翔らを獲得

記事まとめ

  • 巨人は自力優勝が消滅、CS出場の可能性は残されているがセ・リーグ3連覇は絶望的とも
  • ネット上では敗因に補強の失敗を挙げる声が多く、「原辰徳監督の責任だ」との声も
  • 巨人は、梶谷隆幸、井納翔一、山口俊、ジャスティン・スモーク、中田翔らを獲得した

優勝逃した巨人 井納、山口、テームズ、スモーク、中田翔…今年も補強失敗にファンの怒り

優勝逃した巨人 井納、山口、テームズ、スモーク、中田翔…今年も補強失敗にファンの怒り

期待外れに終わりそうな井納翔一投手

 巨人は9月26日、阪神に3対4で敗れ、自力優勝が消滅した。クライマックスシリーズ(CS)出場の可能性は残されているが、セ・リーグ3連覇は絶望的と言っていい。既にネット上では“敗因分析”が盛んだ。

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 担当記者は「TwitterなどSNSを閲覧すると、敗因に補強の失敗を挙げる声が相当数にのぼっています」と指摘する。

「2018年10月に原辰徳監督(63)の復帰が発表されました。その際、球団側は『編成に関しても監督の意向を完全に尊重する』と記者会見で断言したのです。Twitterなどでは、『原監督が補強に責任を持っている以上、今季の不振は監督の責任だ』という厳しい投稿が相次いでいます」

 更に、一部メディアが原監督の来季続投を報じたのだが、これも意外なほど巨人ファンに不評だ。「補強に失敗した原監督の続投などあり得ない」という声は多い。

 巨人は資金力が豊富なため、もともと大型補強を積極的に行ってきた。今季も準備は万端だったはずだ。

 DeNAでFA宣言した野手の梶谷隆幸(33)を4年契約・推定総額8億円で、同じく投手の井納翔一(35)を2年契約・推定総額2億円で獲得した。

 梶谷は昨シーズン、打率3割2分3厘、本塁打19本と活躍。井納も6勝7敗をあげた。当然ながら巨人ファンの期待は高かった。

 外国人選手は、サンフランシスコ・ジャイアンツからジャスティン・スモーク(34)を、ワシントン・ナショナルズからエリック・テームズ(34)を獲得した。こちらは2人とも野手だ。


■8月には首位


 特にテームズは韓国プロ野球で活躍した実績を持つ。「日本プロ野球とも相性が良く、活躍するのではないか」と前評判は高かった。

「ところがテームズは4月のヤクルト戦で右アキレス腱を断裂。たった1試合の出場で自由契約となりました。スモークはコロナ禍で家族と会えないことに不満を強め、6月に退団と帰国が発表されました。梶谷は7月、右手に死球を受けて骨折、今も2軍です。井納にいたっては3月末の中日戦を2回4失点で降板すると、4月1日に1軍登録を抹消されました。それ以来、1軍のマウンドには立っていません」(同・記者)

 今季のセ・リーグは阪神がロケットスタートに成功。首位を走り続けて話題を集めていた。だが巨人も2位をキープ。そして8月29日には首位に立った。巨人ファンは快哉を叫んだに違いない。

「優勝を目指す巨人はシーズン中も補強を続けました。19年オフに巨人からポスティングシステムで大リーグに移籍した投手の山口俊(34)がサンフランシスコ・ジャイアンツ傘下の3Aを自由契約になると、一部のOBは反対を表明しましたが、6月に巨人復帰。更に8月6日にはシンシナティ・レッズのスコット・ハイネマン(28)と契約、同じく20日にはチームメイトへの暴行が発覚し出場停止処分が科せられた日ハムの中田翔(32)を無償トレードで獲得しました」(同・記者)


■G党の怒りは当然


 ところが山口は、10月8日の広島戦で自己ワーストの7連敗を喫するなど不調で、12日時点の成績は2勝8敗とチームの足を引っ張っている。中田も低迷が続き、同じく成績は打率1割3分8厘、本塁打2本と全く期待に応えられていない。ハイネマンに至っては、9月30日に球団から体調不良で近日中に帰国するとの発表があった。

 野球評論家の広澤克実氏は「プロ野球は結果が全てです。巨人ファンの怒りは当然でしょう」と指摘する。

「梶谷くんは運が悪かったにせよ、外国人の3野手が全員帰国したり、中田くんが不振にあえいだりするなど、“補強失敗”が目立ちました。優勝を逃したことで、溜まっていたファンの不満が一気に爆発しました」

 広澤氏は「ファンの声は正論ばかりです」と指摘し、その上で根本的な問題として「原監督の補強にはビジョンが感じられません」と言う。


■原監督の「分かりにくさ」


「私は1994年オフにFA宣言を行い、12月に巨人と契約を結びました。当時の監督は長嶋茂雄さん(85)で、大型補強には批判も多かったですね。ただ、長嶋さんの補強は『とにかく勝ちたいんだ』という意識に根ざし、特に長距離ヒッターを獲得しました。野球ファンにも分かりやすかったと思います」(同・広澤氏)

 だが原監督の場合、ファンでさえ「なぜこんな補強をしたのか?」と首をひねるケースが散見される。

「好意的に見れば、原さんはある選手を『ひ弱だ』『不甲斐ない』と判断すると、他球団のベテランで置き換えようとするように思えます。経験豊富な選手の、どっしりした安定感のようなものを求めているのかもしれません。ただ、長嶋さんのような明快な補強とは異なります。『こういうチームにするんだ』というビジョンが分かりにくい補強ということも、ファンの批判を招いた原因ではないでしょうか」

 そもそも大型補強が喜ばれるのかという問題もある。日本の野球ファンは、FAで獲得した選手が活躍しても、どこかで「大枚を叩いたんだから当然だろう」とクールに見る傾向があるようだ。


■興行面でも有利?


「日本のファンは、それこそ育成ドラフトで獲得した無名の選手が2軍で苦闘し、1軍に抜擢されて大活躍という“シンデレラ・ストーリー”を好むのではないでしょうか。もちろん強いチーム作りに、FAやトレード、外国人選手の獲得は必須です。とはいえ、『外部選手による補強は必要最小限にしてほしい』というファンも多いはずです」(同・広澤氏)

 広澤氏によると、ペナントレース終了後にCSが導入されたことで、育成中心の長期的なチーム作りには追い風が吹いているという。

「昔はリーグ優勝が目標だったため、2位でも監督が解任されることは珍しくありませんでした。ところがCSが導入されたことで、3位でOKという評価に変わってきています。12球団のうち6人の監督は及第点を与えられるわけです。その結果、監督の就任期間も延びていると思います。目先の成績に一喜一憂せず、若手育成に力を注ぎやすくなっているのです。ファンも生え抜きの選手を好むのは先に言った通りです。興行面でも期待できるわけですから、巨人もFAなどによる大型補強を見直す時期なのかもしれません」(同・広澤氏)

デイリー新潮取材班

2021年10月15日 掲載

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