大谷翔平の移籍先はどこか 専門家が挙げる「大本命」「対抗」「大穴」の球団名

大谷翔平の移籍先はどこか 専門家が挙げる「大本命」「対抗」「大穴」の球団名

大谷翔平

 スポニチAnnexは7月5日、「大谷、トレード加速 移籍先有力はヤンキース、メッツ、ドジャース エンゼルス資金難でFA前放出不可避」との記事を配信、YAHOO!ニュースのトピックスにも転載された。

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 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平(28)が今季中に他球団へ、しかもトレードで移籍するという報道は、日本でも大きな話題になっている。

 なぜエンゼルスは大谷を放出するのか。7月6日のマイアミ・マーリンズ戦では、投手として7回を投げ、被安打2、奪三振10。打者としては3打数1安打2打点、1盗塁をマークした。

 観客動員にも寄与しているほか、グッズの売上げもトップクラスという。「球団の宝」として長期契約を結んでも当然のはずなのに、“放出”とは不可解だ。担当記者が言う。

「エンゼルスと大谷は昨年2月、2年総額850万ドル(約8億9300万円)の契約を結びました。更新する場合、早ければ今オフにも年俸交渉を始める必要があると報じられています。大谷の年俸が高騰するのは確実ですが、エンゼルスは外野手のマイク・トラウト(30)と12年総額4億2650万ドル(約469億円)など、複数の大型契約を抱えています。財政的にそれほど余裕がないと指摘する報道が少なくないのです」


■23年にFA権取得


 エンゼルスは大都市のロサンゼルスが地元であり、収益性はメジャーリーグのベスト10に入るという報道もある(註)。「実はエンゼルスが本気で払おうと思えば、大谷との大型契約も決して不可能ではない」という見立ても根強い。

「年俸が本当の理由ではないという分析もあります。7月11日現在、エンゼルスは38勝49敗で、アメリカン・リーグ西地区の4位。首位のヒューストン・アストロズは56勝29敗で、何と19ゲーム差をつけられています(以下、チームと選手の成績は7月11日現在)。ポストシーズンの進出はかなり難しいでしょう」(同・担当記者)

 二刀流の起用を認めてくれたことなど、大谷はエンゼルスへの感謝や愛着を常に表明してきた。しかし一方で、プレーオフに進出できる強いチームでプレーしたいという気持ちも持っているという。

 このまま順調にいけば、大谷は来シーズン終了後、メジャーFA権を取得する予定だ。堂々と「強いチーム」に移籍できるチャンスが巡ってくることになる。

「エンゼルスは、今季オフは大谷と契約が更新できたとしても、来季オフとなるとその保証がありません。FAで他球団に移籍されるくらいなら、思いきって今、トレードに出したほうが得策だという声があるのです。『見返りに有望な若手を獲得し、一日も早くチームの再建を図るほうが合理的だ』というわけです」(同・記者)


■大半の球団は関心なし!?


 エンゼルスが放出を決めたとしても、獲得できるチームは限られるという指摘は多い。

 大谷のために高額の年俸を用意し、なおかつエンゼルスに見返りの選手を出すとなると、資金が豊富なチームに限られてしまう──。

「そのため日米のスポーツメディアは、ニューヨーク・ヤンキース、ニューヨーク・メッツ、ロサンゼルス・ドジャースの3球団を候補として挙げています。いずれも人気球団であり、メジャーリーグでは屈指の“金持ち球団”として知られています」(同・記者)

 ところが、メジャーリーグ評論家の友成那智氏は、「大谷選手のトレードに関する報道に、今のところは強い不満を感じています」と言う。

「金持ち球団か否か、という視点だけでしか報じられていないからです。そもそもの大前提として、どれだけ大谷選手がメジャーリーグを代表するスターであっても、彼の獲得に全く興味を持たない球団も少なくありません。大多数の球団は、『打者か投手に専念してくれるのなら、大枚を叩いてでも欲しい』と考えているはずです」


■ドジャース投手陣の実力


 大半の球団が「二刀流の大谷には興味がない」のは、投手の先発ローテーションに大きな影響が生じるからだ。

「メジャーリーグでは基本的に、5人の先発ピッチャーが中4日で登板するというローテーションです。ところが、投手としての大谷選手は中6日でしか投げられません。金持ち球団であればあるほど、中4日の先発陣を揃えています。そこに大谷投手が入ると混乱してしまうのです。資金力のある球団ほど、大谷投手は使いにくいという“逆説”が生じます」(同・友成氏)

 この観点から見て、友成氏は「ドジャースは候補から外すべきだ」と指摘する。ドジャースの先発ローテーションを勝ち星の順に見てみよう。

【1】先発16試合・11勝0敗:トニー・ゴンソリン(28)
【2】先発14試合・9勝1敗:タイラー・アンダーソン(32)
【3】先発17試合・7勝6敗:フリオ・ウリアス(25)
【4】先発12試合・6勝3敗:ウォーカー・ビューラー(27)
【5】先発11試合・6勝2敗:クレイトン・カーショー(34)

 5人柱が盤石の先発陣として機能していることがよく分かる。確かに、これだと大谷が入れる“余地”に乏しい。念のため、エンゼルスと比較してみよう。


■本命は、あのチーム!?


【1】先発14試合・8勝4敗:大谷翔平
【2】先発13試合・7勝6敗:マイケル・ロレンゼン(30)
【3】先発13試合・5勝7敗:ノア・シンダーガード(29)
【4】先発14試合・3勝4敗:パトリック・サンドバル(25)
【5】先発13試合・2勝3敗:リード・デトマーズ(23)

「エンゼルスの投手陣は良くありません。しかし、良くないからこそ、大谷投手が活躍できるという側面もあるのです。ドジャースに話を戻すと、打線も左の好打者を擁しています。“投手大谷”だけでなく“打者大谷”も、『必要ありません』というのが本音ではないでしょうか」(同・友成氏)

 ドジャースの場合、チーム5位となる11本塁打を放っているコディ・ベリンジャー(26)とのフレディ・フリーマン(32)が左バッターだ。

 では本命はどのチームか。友成氏が「ここが大谷を獲得しないなら、他はないと言っていい」とまで断言するのは、ニューヨーク・メッツだ。早速、投手陣を、こちらは先発数順に見てみよう。

【1】先発17試合・9勝4敗:カルロス・カラスコ(35)
【2】先発16試合・6勝6敗:クリス・バジット(33)
【3】先発15試合・7勝2敗:タイワン・ウォーカー(29)
【4】先発11試合・5勝1敗:デービッド・ピーターソン(26)
【5】先発9試合・5勝1敗:マックス・シャーザー(37)
【6】先発9試合・4勝2敗:タイラー・メギル(26)
【7】先発8試合・2勝5敗:トレバー・ウィリアムズ(30)


■メッツ投手陣は火の車


 メッツは53勝33敗で、ナショナル・リーグ東地区の首位を走っている。だが、先発投手の成績を見ると、5本柱や4本柱がいるわけではないことが分かる。盤石な先発陣というわけではないのだ。これには理由があるという。

「エースのジェイコブ・デグロム投手(34)は2019年、最長6年の総額1億7000万ドル(約187億7820万円)での契約延長を合意した選手ですが、今季は右肩の炎症で全く投げられていません。更に昨年、3年総額1億3000万ドル(約175億円)で契約したマックス・シャーザー投手(37)も5月に負傷者リスト入りし、7月になってようやく復帰したのです」(同・友成氏)

 メッツは両エースをケガで欠いているため、7人の先発投手で必死にやり繰りしてきた。その結果、「5人の先発投手が中4日で回す」というローテーションにはなっていない。

「メッツのバック・ショーウォルター監督(66)は緻密な采配で知られ、細かい投手起用ができる監督です。デグロム投手は7月に1Aで初登板しましたが、不安は拭えていません。シャーザー投手にも監督は細心の注意を払っているはずです。両エースの状態は万全ではなく、ローテーションも変則の状態が続いている。これはつまり、中6日の大谷投手を起用できる“余地”があるということを意味します」(同・友成氏)


■クローザーを放出!?


 打者の大谷にも、メッツは興味を持つ可能性が高いという。

「チーム1位の23本塁打を打っているピート・アロンソ(27)も、2位15本塁打のフランシスコ・リンドア(28)も、共に右打者です。左の大砲がいないため、打者大谷を必要とするチームだと言えます」(同・友成氏)

 大谷を獲得するためには、エンゼルスに選手を放出する必要があるが、これもメッツなら対応可能なようだ。

「何しろ大谷を放出するのです。マイナーで頭角を現しているピッチャーだけでなく、即戦力のクローザーと左の好打者を要求しても不思議ではありません。現在のメッツには、18セーブを記録しているエドウィン・ディアス(28)がいます。また昨年、11本塁打を放った左打者のドミニク・スミス(27)もいます。この2人ならエンゼルスも文句はないでしょう」(同・友成氏)

 メッツの首脳陣と大谷の間には“奇縁”がある。これも大谷のメッツ入りを後押しするかもしれない。

「メッツのビリー・エプラーGM(46)は、エンゼルズが大谷選手を獲得した時のGMなのです。ショーウォルター監督もボルチモア・オリオールズの監督だった2018年、大谷選手を『彼がこんなに早く落ち着いてプレーできているのは目を見張るばかりだ』、『走塁のうまさに非常に感心している。チームメートとの接し方にも』と絶賛しています」(前出の記者)


■対抗と大穴は?


 ちなみにショーウォルター監督はデータ重視で知られる。かつては“管理野球”がメジャーリーガーに嫌われていた。

 現役選手を対象にした「最悪の監督は誰か?」というアンケート調査に、2005年はワースト1位に、06年はワースト2位に選ばれた。

 だが、快進撃を続けるメッツは選手と監督のコミュニケーションが円滑だと報じられており、嫌われていたのは過去の話のようだ。また、日本人の大谷にとっては“管理野球”は苦にならない可能性もある。

「対抗としてはシアトル・マリナーズ、大穴はテキサス・レンジャーズを挙げておきましょう。前者は中6日でのローテーションを組んだ経験を持っています。後者は若いピッチャーが多く、経験の少ない投手には中6日のローテーションは相性が良いからです」(同・友成氏)

註:最も高価値な「MLBチーム」 首位ヤンキースは年間売上582億円(フォーブス・2016年3月24日)

デイリー新潮編集部

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