プロ野球公式球をメルカリに出品した現役審判員の素顔 窃盗で家宅捜索…動機は?

プロ野球公式球をメルカリに出品した現役審判員の素顔 窃盗で家宅捜索…動機は?

退場っ!

 プロ野球の現役審判員が未使用球を持ち出した疑いで、愛知県警に家宅捜索された。この人物の素顔に迫ると、名審判として名高く、バイリンガルでもある優秀な人物だったというのだ。

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 プロ野球の審判員が、バンテリンドームナゴヤで6月に開催された公式戦の未使用球を持ち出した疑いで、愛知県警は審判員の自宅を家宅捜索した――。今月3日、そんな記事が最初に掲載されたのは中日新聞だったが、それももっともな話で、7月に未使用球がネットオークションに出されているのを見つけたのは、中日の球団関係者。だから被害届を出したのも中日球団だったのである。

 スポーツ紙記者によれば、

「6月9日に千葉のZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ対中日戦の未使用球が、続いて、17~19日に名古屋で行われた中日対巨人戦の未使用球が、ヤフオク!に出品されていました。しかし、最初に出品したのはメルカリ。それを買った男性が、ヤフオク!へ転売していたのです」


■窃盗、出品の動機は?


 では、それを審判員が流したことが、なぜわかったのか。プロ野球の元審判員が説明する。

「現在、NPB(日本野球機構)の統一球はミズノ1社が受注生産し、大雑把に言って1日に数百球がミズノからNPBに卸されます。それを出荷前にも出荷後にも、厳しく検品した後に12球団に分けていて、試合が行われる日には、審判団が球を管理します。1球1球が袋に封入され、審判員が開封するのです」

 要は、そんな未開封の球がメルカリに出ていた以上、審判の仕業としか考えられないというわけだ。もっとも、ついた値段は高くて1万円程度とか。それしきのために、いったいなぜ?

「審判員は非常にプレッシャーがかかる仕事で、ストレスがたまる。発散させるために、酒や賭け事を嗜む審判員は多い。もしかしたら、この審判員もストレス発散のためにやったのでは。転売価格うんぬんより売れたことによろこびを見出し、それがストレス発散になったのかもしれません」(同)

 それくらいしか動機が思い当たらないという。


■バイリンガル審判


 ちなみに、この兵庫県在住の50代の審判員は、名審判として名高かった。プロ野球関係者が言う。

「大学時代はアメリカに留学し、オリックス球団で通訳も経験。しかし、選手と同じグラウンドに立てる審判への道を選び、バイリンガル審判員として活躍してきました。昨年は2千試合出場で表彰され、東京五輪にも出場。日本シリーズにこれまで5回出ているのも、一流の審判の証しで、今年も日本シリーズの公式プログラムに名前があったのに、理由が明かされないまま外されたのです」

 審判の仕事はつぶしが利かないからと、アメリカでゴルフのティーチングプロの資格も取っているが、そんな用意周到な男に、なにが起きたのか。野球評論家の広澤克実氏は、

「記事で読んだことがありますよ。アダム・スコットが取り入れている、グリーン上でパッティングのラインを読む技術を教えられる、数少ない日本人のコーチで、野球の審判でもあるという人。すごい人がいるものだと思いましたが、そんな多才な方が、なぜこんな幼稚な犯罪を行ったのか。ネットに上げた時点で、すぐバレるじゃないですか」

 と首をかしげる。結果、逮捕されるか在宅起訴になるかわからないが、審判のキャリアを棒に振ったことだけは間違いない。

「週刊新潮」2022年11月17日号 掲載

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