「逆転の習志野」 エース飯塚の鬼気迫る投球に感じた“大器”の予感

 夏の甲子園第4日目、8月9日に行われた習志野(千葉)と沖縄尚学(沖縄)の対戦は3万9000人の大観衆が期待した通りの“大熱戦”となった。

 習志野が2回と4回に1点ずつを奪ってリードする展開も、4回裏に沖縄尚学が集中打で3点を奪って逆転した。5回表にすぐ習志野が同点に追いつくが、6回裏に沖縄尚学は一死満塁から6番、奥原海斗(3年)のスクイズで勝ち越しに成功。このまま試合は9回まで進み、沖縄尚学が逃げ切るかと思われた。しかし、習志野は9回表一死ランナーなしからチャンスを作ると、1番の角田勇斗(2年)のタイムリーで同点に追いつき、延長10回表には7番、和田泰征(2年)のタイムリーツーベースで勝ち越して、試合を決めた。

 習志野が2回と4回に1点ずつを奪ってリードする展開も、4回裏に沖縄尚学が集中打で3点を奪って逆転した。5回表にすぐ習志野が同点に追いつくが、6回裏に沖縄尚学は一死満塁から6番、奥原海斗(3年)のスクイズで勝ち越しに成功。このまま試合は9回まで進み、沖縄尚学が逃げ切るかと思われた。しかし、習志野は9回表一死ランナーなしからチャンスを作ると、1番の角田勇斗(2年)のタイムリーで同点に追いつき、延長10回表には7番、和田泰征(2年)のタイムリーツーベースで勝ち越して、試合を決めた。

 今年の選抜で準優勝を果たした習志野は、4勝のうち3勝が2点差以内のゲームであり、接戦の強さには定評がある。その裏付けとなっているのが、確実に1点を奪う手堅い攻撃だ。この日も11安打を放つも、長打は決勝点となった和田のツーベース1本だけ。小柄な選手が多く、決して長打力もあるわけではないが、7つの犠打を全て成功させ、10イニング中5イニングで1点ずつをコツコツと奪っていった。打者は決して大振りせず、際どいコースのボールに食らいつく姿勢も徹底されていた。

 もう一つの習志野の伝統になっているのが機動力だ。4回表には先頭の4番、桜井亨佑(2年)がセンター前ヒットを放ち、相手のセンターが少し打球の処理を誤る間に、すかさず二塁を陥れる好走塁を見せた。桜井は、チームでは数少ない強打者タイプだが、そんな4番打者にも相手の隙を逃さない走塁が叩き込まれている。

 そして、逆転を呼び込む最大の要因となったのが、6回途中から登板したエース飯塚脩人(3年)のピッチングである。登板した直後にはスクイズを決められて勝ち越しを許したが、8回と9回は6者連続三振を奪う鬼気迫る投球をみせて、見事に反撃の流れを作った。

 もう一つの習志野の伝統になっているのが機動力だ。4回表には先頭の4番、桜井亨佑(2年)がセンター前ヒットを放ち、相手のセンターが少し打球の処理を誤る間に、すかさず二塁を陥れる好走塁を見せた。桜井は、チームでは数少ない強打者タイプだが、そんな4番打者にも相手の隙を逃さない走塁が叩き込まれている。

 そして、逆転を呼び込む最大の要因となったのが、6回途中から登板したエース飯塚脩人(3年)のピッチングである。登板した直後にはスクイズを決められて勝ち越しを許したが、8回と9回は6者連続三振を奪う鬼気迫る投球をみせて、見事に反撃の流れを作った。

 飯塚は、選抜の時と比べると上半身の無駄な動きがなくなり、ゆったりと体を使えるようになり、ストレートの威力も目に見えて向上している。この日投じた80球のうち7割以上の57球がストレートで、最速は148キロ、平均でも142.9キロをマークした。これは、今大会で間違いなく屈指のスピードである。

 さらに、評価すべき点をあげるならば、走者を背負っても、スピードが落ちないことだろう。この日は、145キロ以上のボールが20球あったが、その半分が走者を背負った場面でマークしている。ピンチでギアを上げ、接戦でも自分のピッチングができ、決め球となるスライダーやチェンジアップのレベルも高い。将来的に、プロでリリーフ投手として大成しそうな雰囲気を持っている。この日のピッチングを見たスカウト陣の評価が上がったことは間違いない。

 決して派手さはないものの、機動力を駆使した手堅い攻撃で着実に得点を重ね、ピンチにも強いエースで逃げ切るという形を持つ習志野。昭和から続く伝統の力で令和最初の大会を制する――そんな可能性も決して小さいものではないと感じる甲子園初戦の戦いぶりだった。

西尾典文(にしお・のりふみ)野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

週刊新潮WEB取材班

2019年8月10日 掲載

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