400勝投手・故金田正一氏の絶品「金田鍋」長嶋や王も舌鼓

400勝投手・故金田正一氏の絶品「金田鍋」長嶋や王も舌鼓

金田正一氏(「野球界」1956年8月号、博友社/Wikimedia Commons)

 400勝投手で知られる金田正一氏が急性胆管炎による敗血症のため亡くなった。享年86。

「ものすごく体のことに気をつける選手、という印象です」

 と、巨人でチームメイトだった柴田勲氏が語る。

「食事は、自分で買い物をして、自分で作るくらい栄養バランスに気をつけていた。今でこそバランスを考えた食事が球団から提供される時代ですが、昭和20〜30年代にはそういうのはなかった。自分で体調管理をするプロ野球選手というのは金田さんがはしりじゃないかな。だからこそ400勝という大記録を達成できたのでしょう」

 過去の雑誌インタビューにこうある。巨人時代、金田氏は川上監督の許可を得て、キャンプで独自の夕食を摂っていた。朝、散歩がてら市場で買い物をして、練習後に鍋などを自炊する。“金田鍋”と呼ばれたそれを長嶋や王が一緒につついていた。ビールも特別に許可されていたが、冷えたものは胃に毒だと常温で飲んだ。また当時は珍しい1本500円のミネラルウォーターを愛飲していたという。

「食べることが好きで、美味しいお店をよく知っている食道楽でした」

 と語るのは広島などで投手として活躍した金石昭人氏。金田氏の甥にあたる。

「ふぐや松茸みたいな高級食材がお気に入り。でも、値段に関係なく体に良いものや食べたいものを、体のために食べていました。酒も好きでしたが、暴飲暴食は決してしない。美味しいものは他の人にも食べてもらいたいみたいで、家族や後輩をお店に連れて行っては“どや! 美味いだろ”と。面倒見がいい人でした」

 きっと天国でも、自作の鍋に舌鼓を打っていることだろう。

「週刊新潮」2019年10月17日号 掲載

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