元巨人「ドラ2位」投手が今年4回目の逮捕 29歳「宮本武文容疑者」の転落人生とは

元巨人「ドラ2位」投手が今年4回目の逮捕 29歳「宮本武文容疑者」の転落人生とは

“野球エリート”であった宮本武文容疑者

■かつては大リーグも注目


 日刊スポーツ(電子版)は5月7日、「巨人ドラ2の元投手が4回目の逮捕 男性に暴行」(註:デイリー新潮の表記法に合わせた、以下同)と報じた。まずは本文からご紹介しよう。

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《和歌山東署は7日までに、和歌山市の繁華街で男性に暴行したとして、傷害の疑いで和歌山市の無職宮本武文容疑者(29)ら男3人を逮捕した》

 宮本容疑者は1990年8月生まれ。岡山県の倉敷高校でエースピッチャーとして活躍した。3年夏では県大会の準決勝まで進んだが、惜しくも甲子園出場は果たせなかった。

 2008年のプロ野球ドラフト会議で、巨人から2位指名を受けて入団。ちなみに1位は大田泰示(29)で、17年から北海道日本ハムファイターズで活躍している。

 宮本容疑者が残した成績を見てみよう。09年度は2軍で投球回数は6回。9被安打で、自責点は5点。防御率は7・50だった。

 10年度は2軍でも登板できなかった。翌11年度は投球回数21・1回で1勝1敗。自責点12点で、防御率は5・06という結果に終わっている。

 10年シーズン終了後に自由契約となるが、育成選手として再契約。12年シーズン終了後、球団から来季の契約を結ばないことが発表され、結局、一度も一軍の試合に登板できないまま現役を引退した。

 それでは4回の逮捕歴を振り返ってみよう。データベースなどを検索すると、マスコミが報じたのは2回目の逮捕からだったようだ。

 同じ日刊スポーツが2月28日の紙面に掲載した「巨人元ドラ2宮本武文容疑者逮捕」をご覧いただきたい。

《他人名義で営業許可を受けたラウンジを経営したとして、和歌山東署は27日までに、風営法違反(無許可営業)などの疑いで和歌山市のラウンジ経営宮本武文容疑者(29)ら男3人を逮捕した。宮本容疑者はプロ野球巨人の元投手で、逮捕は2回目》(註:原文には写真説明の記載があったが、削除した)

 3回目の逮捕は、デイリースポーツ(電子版)が報じた。3月19日に「元巨人選手が3度目の逮捕 ラウンジ無許可営業で」の記事が配信された。

 これらの報道をまとめると、宮本容疑者は今年2月上旬、まず風営法違反容疑で逮捕された。そして同月下旬には、18年7月から今年2月などに、他人名義のラウンジを経営した容疑で逮捕された。

 3月に入ると、今年1月から2月にかけて、同じように他人名義のラウンジを経営した容疑で逮捕された。そして5月に冒頭でご覧いただいた通り、暴行容疑で4回目の逮捕となったわけだ。

「一部の大手メディアは電子版の記事で、最初の逮捕は客引きによる風営法違反の疑いが持たれたと報じています。ネット上でも話題になっていますが、野球賭博問題で退団した同じ巨人の笠原将生氏(29)や、育成枠でソフトバンクに入団し、12年に強制わいせつ容疑で3回逮捕された堂上隼人元被告(38)と“同期”であることも注目を集めています」(ネットメディア記者)

 巨人からドラフト2位で指名されたという輝かしい経歴と、4度目の逮捕という落差に改めて驚かされる。実際、宮本容疑者の経歴を振り返ってみると、“野球エリート”であったことは間違いない。


■中日は1位指名を言及


 まずは中学時代をご紹介しよう。読売新聞の和歌山県版は2005年8月、「19日から世界少年野球 和歌山の代表2人が市長に健闘誓う」との記事を掲載した。

《各国の中学生が野球を通して交流する「第12回IBAF世界少年野球選手権大会」(国際野球連盟主催)が19日からメキシコで開かれるのを前に、日本チームの代表に選ばれた(略)と宮本武文君(14)が同市役所を訪れ、大橋建一市長に健闘を誓った》

《投手の宮本君も「代表に選ばれたことを誇りに思い、頑張りたい」と闘志を燃やしていた》

 先にお伝えした通り、宮本容疑者は倉敷高校に進学した。そして、まだ2年生だった08年の1月、中日のスカウト会議で1位候補として名前を挙げられている。

 中日新聞が1月14日に掲載した「プロ野球 中日スカウト会議 岐阜城北の伊藤らリストアップ」をご覧いただこう。

《1位候補の選手については「投手、野手を含め13、14人ほどいる」と話し、伊藤準規投手(岐阜城北高)宮本武文投手(岡山・倉敷高)巽真悟投手(近大)らの名前を挙げた》

 ちなみに伊藤準規投手(29)は現在も中日に在籍している。巽真悟投手(33)はソフトバンクに1位指名で入団したが16年に引退。19年に栃木ゴールデンブレーブスの投手コーチへ就任したことが発表された。

 そして、いよいよ高校生最後となる、夏の甲子園が目前に迫ると、スポーツ紙がプロ候補として注目するようになる。デイリースポーツが6月に掲載した「第90回全国高校野球選手権地方大会組み合わせ 岡山 倉敷・宮本146キロ剛球で聖地目指す」から引用させていただく。

《岡山大会の注目は、MAX146キロ左腕の倉敷・宮本武文投手(3年)だ。183センチの長身から投じる伸びのある速球にカーブ、スライダー、そして自慢のスクリューボールで三振の山を築く。春季県大会は準決勝で敗退も、高い将来性に各球団スカウトは熱い視線を注いでいる。目標とする投手は藤川球児(阪神)。「(去年の)秋に比べてスピードも速くなったし、制球も良くなってきたと思う」。課題はメンタル面。1試合の中でも激しい調子の波をクリアできれば、甲子園出場も見えてくる》

 下馬評通り、倉敷高校は準決勝に進出する。だが倉敷商業に6-2で敗れた。

 もっとも宮本容疑者の“絶頂期”は、甲子園が終わってから訪れたと言えるかもしれない。巨人からドラフト2位で指名され、大きな注目が集まったからだ。

 スポーツ報知は2008年10月、「ドラフト会議 巨人2位指名・宮本武文が喜び『メジャー入りより巨人』」の記事を掲載した。

《プロ注目の左腕には、米大リーグからもレッドソックスとマリナーズのスカウトが視察に訪れるなど、高く評価されていた。だが、「仮に挑戦するとしても、日本でしっかり力をつけて、チャンピオンになってからと思った」と、今月に入って断りの電話を入れた。

 結果的に「メジャーよりG」を選んだ逸材には、手薄な左投手としての期待がかかる。「先発へのこだわりはある。藤川(阪神)さんのように、真っすぐと分かっていても打てない真っすぐを投げたい」スライダーとスクリューの2種類の決め球を誇るMAX146キロ左腕は、プロの強打者に真っ向勝負を挑むつもりでいる》


■いきなりYouTubeに出演


 さらに読売新聞の岡山県版は翌11月、「倉敷高・宮本投手、巨人と仮契約 『キレのある直球投げたい』」の記事を掲載した。

《倉敷高(倉敷市)の宮本武文投手(18)が17日、岡山市内のホテルでプロ野球・巨人の関係者と入団交渉を行い、仮契約を結んだ。和歌山市内から両親も訪れて球団関係者と交渉、契約金6000万円、年俸600万円(いずれも推定)で合意した》

 しかし、泣かず飛ばすの2軍生活だったことは先にご紹介した通りだ。2011年、『月刊ジャイアンツ』の12月号に「輝け!原石 宮本武文 もう一度支配下へ」の記事が掲載された。

《大きな期待を背負って入団した将来のエース候補。だが、プロの世界は甘くなかった。1年目こそ二軍で7試合に登板したが、2年目は登板なし。フォームも崩し、直球も130キロすら出なくなっていた。シーズン後、球団から下されたのは育成契約への切り替え。「正直、育成になってまで野球をやりたくないと思うこともありました」。野球を投げ出しそうになった時、頭に浮かんだのは今まで自分を支えてきてくれた周りの人たちの顔だった。「自分ひとりの力で、ここまで来られたわけではない。まだ自分は頑張っている姿を、何も見せられていない」。気持ちを切り替え、「このままでは終われない。とにかくできる限りのことをやろう」と心に誓った。

 まずは投球フォームを変えた。名伯楽・小谷投手コーチから助言を受け、オーバースローをスリークォーターに。「上(オーバースロー)でダメだったので、何か行動を起こさないといけないと思った」。背水の陣で臨んだフォーム改造は功を奏した。今春のキャンプでの投げ込みで好感触を得ると、直球のスピードも戻り始め、145キロを記録。制球力や変化球のキレも向上し、イースタンでの初勝利につながった》

 12年、巨人は宮本容疑者に戦力外通知を行う。その後、彼の動向がメディアで報じられることはなかった。

 ところが19年9月、YouTuberに転向した笠原氏の公式サイトに、ゲストとして宮本容疑者が登場する。酒を飲みながらの対談で、宮本容疑者は契約金が7500万円だったことや、3位で指名される予定だったのが、現在は広島の長野久義(35)をロッテが2位で強行指名したため、繰り上がって2位となったことなどを明かした。

 やはり、プロの世界は甘くないということだろう。それにしても、4度も逮捕された元プロ野球選手は聞いたことがない。ここまで“転落”してしまうことがあるというのは極めて興味深い。

 巨人の選手は「常に紳士たれ」と教え込まれることは有名だが、この男は野球で何を学んだのだろうか。

 ちなみに前出の「月刊ジャイアンツ」の12月号で宮本容疑者は「自分に甘い」ところがあると語っている。

週刊新潮WEB取材班

2020年5月13日 掲載

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