セ・リーグ順位予想 巨人、広島、中日の“三つ巴”の争い 矢野阪神は下位低迷か?

セ・リーグ順位予想 巨人、広島、中日の“三つ巴”の争い 矢野阪神は下位低迷か?

原辰徳監督(Ship1231/Wikimedia Commons)

 新型コロナウイルスの感染拡大による自粛期間を乗り越え、ようやく6月19日の開幕を迎えることになったプロ野球。当初より約3カ月遅れ、通常より23試合少ない120試合制、さらに当面の無観客と同一カード6連戦の実施など、これまでにない方式でのシーズンとなる。この異例の2020年シーズンを制するのは、果たしてどこか。

 本命はやはり、連覇を狙う巨人だ。坂本勇人、丸佳浩の二人に大きな心配はなく、若き和製4番・岡本和真が絶賛成長中で、メジャーでの実績の十分のパーラも加わった。たとえ、春季キャンプMVPだったモタが忘れ去られようとも、ベテランの中島宏之が好調維持し、炭谷銀仁朗、小林誠司、大城卓三の捕手陣が高レベルな争いを繰り広げている。確かに山口俊が抜けた先発投手陣に不安な部分ではあるが、エース・菅野智之が投球フォーム改造で、オープン戦、練習試合で“死角なし”の投球を続け、新外国人のサンチェスもまずまず。本来の開幕日だった3月下旬の時点では未知数な部分が多かったが、田口麗斗やメルセデスが状態を上げて視界良好で、延長打切りの特別ルールによって早めの継投策も可能。巨人の「連覇」にとっては、開幕延期がプラスに働きそうだ。

 その巨人の対抗馬として、実は3月末の時点では矢野体制2年目を迎える阪神を挙げていた。昨季は“滑り込み”での3位で、チーム防御率はリーグトップの3.46。先発陣では、西勇輝、高橋遥人が順調で、新外国人のガンケルの評判も良く、高卒4年目右腕・浜地真澄がブレークの予感。そして悩める藤浪晋太郎も復活気配だったからだ。

 そして、打力不足だった打線には、“バースの再来”ことボーアが加入し、同じく新外国人のサンズ、昨季からの“上積み”が期待できるマルテといった相棒もおり、2年目の近本光司、木浪聖也もキャンプから成長の跡を見せていたこともある。そして何より、「機運を掴む」という意味で、前回の東京五輪が開催された1964年のシーズンを制したのが阪神だったからだ。しかし、今回のコロナ禍で五輪が2021年に延期され、球団内でも3月末に集団感染を発生させ、藤浪は遅刻騒動によって2軍降格処分。自慢の中継ぎ陣も今季の特別ルールの中で使い切れない可能性もある。ボーアの大爆発があれば期待できるが、マイナス材料の方が目立つ。

 阪神の代わりに浮上するのが、広島と中日と見る。昨季、3連覇が途絶えて4位に終わった広島だが、今季は佐々岡真司監督を迎えて新たなスタートを切っている。新監督の手腕云々以前に、3連覇の中で蓄積された歪みが噴出した昨季から“心機一転”できたことが何よりも大きく、戦力的にも、メジャー移籍を目指していた菊池涼介が残留し、西川龍馬、小園海斗が成長、そしてオフに伴侶を得て人間としてひと回り成長しようとしている4番・鈴木誠也の存在が心強い。投手陣ではドラフト1位ルーキーの森下暢仁が1年目から活躍間違いなしの状況。対外試合での13連敗も、選手の危機感を掻き立てるという意味ではプラスの材料といえる。優勝争いには間違いなく加わるはずで、あとは佐々岡新監督の“ハンドリング”次第だろう。

 与田体制2年目を迎えている中日も可能性を持っている。近年は低迷期が続いたが、その間に少しずつ若手が育ち、徐々にではあるが戦力が整ってきた。大島洋平、平田良介、ビシエドに覚醒した高橋周平が上位打線を形成し、福田永将、阿部寿樹、京田陽太も控える打線は、何気に昨季リーグトップのチーム打率を誇った。打線だけを見れば、今季も上位を争える力があるのは間違いない。課題は投手陣だが、エース・大野雄大が復活したことが大きく、2番手以降にも柳裕也、小笠原慎之介、笠原祥太郎、梅津晃大と名前が挙がるようになり、捕手ではルーキー・郡司裕也の評判が高い。昨季の順位は5位だが、3位とはわずか3ゲーム差。昨年7月に「お前騒動」を招いた与田監督が、シーズンを通して選手、ファンからの求心力を失わなければ、A クラス争いには加わるはずだ。

 昨季2位のDeNAはどうだろうか。主砲・筒香嘉智が抜けた打線の得点力低下が心配されたが、新外国人のオースティンの評判が高く、強引さがなく、ブレのない打撃は日本向きである。オープン戦も絶好調で「2番・ライト」としてチャンスメイクとポイントゲッターの2役をこなせるか。ただ、このオースティンが機能しなければ一気に苦しくなり、新キャプテン&新4番として期待される佐野恵太が、シーズンを通してどれほどの成績を残せるかも未知数だ。投手陣ではエース・今永昇太には期待が持てるが、2018年に11勝を挙げた東克樹が2月にひじの手術を受けて今季中の復帰は不可能。浜口遥大、上茶谷大河もまだ経験が足りず、大きな信頼は置けない。史上最年少で通算150セーブをマークした山崎康晃の存在は心強いが、このまま無観客や応援行為が制限されて“ヤスアキジャンプ”ができなくなれば、ファンの声援をパワーに変えてきた守護神のピッチングに影響が出てくるだろう。

 苦しいのはヤクルトだ。長年チームを支えたバレンティンが抜けた影響は、新外国人のエスコバーと村上宗隆、塩見泰隆、広岡大志の成長、坂口智隆の復活でカバーしたいが、最も期待される村上が下半身のコンディション不良で春季キャンプを途中離脱し、3月10日に約1カ月ぶりに一軍に合流したばかり。開幕延期が村上にとっては朗報だろうが、どこまで昨季からの“上積み”ができたのか。そして最大の懸念である先発投手陣はまだ不安だらけ。40歳の石川雅規が開幕投手を任されるような状況が変わらない限り、上位進出はなかなか望めないだろう。

 以上を踏まえて改めて予想順位を整理すると、1位・巨人、2位・広島、3位・中日、4位・DeNA、5位・阪神、6位・ヤクルトとなる。さて、どうなるか。ひとつ言えることは、今季ほど予想するのが難しいシーズンはないということ。それだけ、波乱が起きる要素が多くあるということだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年6月18日 掲載

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