パ・リーグ順位予想 ソフトバンクが本命も大混戦 西武が埋められない秋山の穴…

パ・リーグ順位予想 ソフトバンクが本命も大混戦 西武が埋められない秋山の穴…

ソフトバンク・工藤公康監督(えすぱにぃ/Wikimedia Commons)

 新型コロナウイルスの感染拡大による自粛期間を乗り越え、ようやく6月19日の開幕を迎えることになったプロ野球。当初より約3カ月遅れ、通常より23試合少ない120試合制、さらに当面の無観客と同一カード6連戦の実施など、これまでにない方式でのシーズンとなる。この異例の2020年シーズンを制するのは、果たしてどこか。前回のセ・リーグ編に続き、今回はパ・リーグ編をお送りする。

 戦力だけ見ると、パ・リーグの本命がソフトバンクであることは今季も変わらない。だが、その逆転候補として、楽天に大きな期待を寄せたい。石井一久GMの下でチーム改革を進めてきたチームは、昨オフの浅村栄斗に続き、今オフは鈴木大地を獲得。前オリックスのロメロも獲得し、確実に戦力値を上げてきた。投手陣では、昨季開幕前に右肘のクリーニング手術を受けて前半戦不在だった則本昂大が今季は万全の状態なのが頼もしい限り。美馬学がFA流出となったが、辛島航に加えて、弓削隼人、石橋良太が成長し、新たに加わった涌井秀章や牧田和久の経験豊富なベテラン組の存在も大きい。岸孝之の出遅れが心配だが、昨季3勝のみだった岸が不在でも、他の面々で十分に先発ローテは成り立つ。

 あとは三木肇新監督が、チームの一体感をどこまで高められるか。球団初の日本一となった2013年は、無敵のマー君(田中将大)に加えて「震災復興」、「東北のために」という“錦の御旗”があった。未曾有のコロナショックに見舞われた中、再び、監督、コーチ、フロント選手全員、そしてファンが団結すれば、7年ぶり2度目のリーグ優勝は射程圏に入る。

 そして、最も鍵になるのが“本命”ソフトバンクの戦いぶりだ。戦力的に最も巨大であることは誰の目にも明らかで、千賀滉大、高橋礼の2人を筆頭にしたキャンプ中から続いた故障者過多も、開幕延期によってその影響は最小限に留められそうだ。たとえ、彼ら2人が不在でも、東浜巨、ムーア、バンデンハーク、和田毅、石川柊太、松本裕樹と先発ローテを揃えられる層の厚さは他の追随を許さない。ポイントになるのは打線だろう。新たにヤクルトで9年288発を放ったバレンティンを“日本人枠”で加えたが、内川聖一、松田宣浩の高齢化と福田秀平の流出の影響、そして、過去5年で最高勝率4度を誇る得意の交流戦がなくなった点も心配。若手の台頭と、昨季出場38試合だった柳田悠岐がシーズンを通して活躍が不可欠になる。

 台風の目として推したいのがオリックスだ。投手陣では、侍ジャパンでも活躍した山岡泰輔、山本由伸のダブルエースの存在が頼もしく、田嶋大樹、K-鈴木の2人も高い能力を持っている。打線には吉田正尚という核がおり、高卒2年目でブレイク有力候補だった宜保翔が5月、右手有鉤骨の骨折で手術を受けて離脱したことは誤算だったが、他にも宗佑磨、福田周平、中川圭太、太田椋、勝俣翔貴といった若手の成長が楽しみ。そして何より、新加入の“超大物”ジョーンズがチーム全体に与える影響は非常に大きいだろう。そのジョーンズが真価を発揮し、プロ15年目を迎えたT-岡田が復活できれば、間違いなく上位を狙える。開幕前の評判が高いのは毎年恒例ではあるが、楽しみな部分は例年以上に大きい。

 リーグ二連覇中の西武はどうだろうか。課題だった先発投手陣に関しては、高橋光成、松本航、今井達也、本田圭佑といった面々が着実に経験を積んでいる。しかし、昨季、両リーグ断トツの756得点を挙げた打線から核弾頭だった秋山翔吾が抜けた影響は大きく、金子侑司やスパンジェンバーグ、川越誠司らが期待以上の働きを見せたとしても、その穴はなかなか埋められないだろう。そしてシーズンが短くなり、延長戦も打ち切りとなる特別ルール下では、「夏場以降に疲労が蓄積した相手投手を滅多打ち!」といった試合が少なくなることが予想される点も、西武にとってはマイナスに働く可能性がある。爆発力がある反面、危うさもある。

“令和の怪物”佐々木朗希の当たりくじを引き当て、FA で美馬学、福田秀平の実力者2人を加え、さらにベテラン・鳥谷敬の獲得も決めたロッテも注目のチームだ。ただ、積極的に補強した一方、鈴木大地、涌井秀章などがチームを離れ、その足し引きがどう出るか。新加入組の活躍に加えて、安田尚憲、平沢大河、藤原恭大のプロスペクトたちがどこまで成長できるか。昨季のロッテのチーム別対戦成績は、対西武が8勝16敗(1分け)で、対ソフトバンクが17勝8敗で、今季もロッテの戦いぶりが優勝争いを左右することになるかも知れないが、自らが優勝争いに加わるためには、まだまだ力不足の感が否めない。

 栗山体制9年目を迎えた日本ハムも上位進出の力がある。先発投手陣は、有原航平、上沢直之、金子弌大、ロドリゲス、杉浦稔大と名前が挙がり、ドラフト1位の河野竜生も社会人ナンバーワン左腕としてチームの弱点を埋めてくれそう。打線では、中田翔、近藤健介、大田泰示が開幕を見据えて調子を上げ、新たに加わったビヤヌエバは虫垂炎で離脱したが、2年目の王柏融にも昨季以上の期待感が漂っている。依然として選手たちは若く、多くの伸びしろを残しており、勢いに乗れば十分に優勝争いに加われるはずだ。

 以上を踏まえて改めて予想順位を整理すると、1位が楽天、2位にソフトバンク。3位に“台風の目”としてオリックスを予想し、日本ハムは惜しくも4位。大混戦の中、心苦しくも、5位・西武、6位・ロッテとする。どのチームも戦力を整えており、プラスの材料が多いパ・リーグ勢だが、コロナ禍での特別ルールもあって例年以上に予想が難しい。今はただ、例年通りの「熱パ」と「歓喜の胴上げ」が見られることを、望むばかりである。

週刊新潮WEB取材班

2020年6月19日 掲載

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