巨人「岡本和真」が打点王を獲るための“2つのポイント”【柴田勲のセブンアイズ】

巨人「岡本和真」が打点王を獲るための“2つのポイント”【柴田勲のセブンアイズ】

岡本和真

 巨人の首位を快走している。27日現在、30試合を消化して19勝9敗2分、貯金は10だ。

 26日のヤクルト戦(神宮)、長いロードを締めくくる快勝だった。坂本勇人、丸佳浩、岡本和真の3人がしっかり仕事をして得点をたたき出した。先発の桜井俊貴が少しヨタヨタしたものの、打線の援護があって粘ることができた。最後は育成から支配下選手契約を結んだばかりの田中豊樹をマウンドに送った。その田中が堂々たるピッチングを見せて今後に期待を抱かせた。

 25日の同カードでは先発予定のエンジェル・サンチェスが試合前に右肩の違和感を訴えて登板を回避した。このアクシデントの影響もあってか、いいところがなかったが、きれいに吹き飛ばした。

 丸、坂本、岡本はともかく、いまはこの3人以外のだれが出場してもそれなりに活躍している。特に若手同士の競争意識がいい方向に向かっている。一言で言うとチーム全体が盛り上がる。

 いい例が二塁手争いだ。開幕戦では吉川尚輝が3年連続となるスタメン出場して、決まりかと思われたが、ここにきて「左キラー」の北村拓己が台頭してきた。さらに増田大輝が「足のスペシャリスト」として存在感を増してきた。少しでも物足りないと思われたら、スタメンを外される。こうなるとウカウカできない。吉川尚は神宮3連戦で3戦連発したが、危機感を持って臨んだのだろう。彼の活躍はライバルを刺激して、結果として戦力層を厚くすることになる。ゼラス・ウィーラーにしても起用すれば、それなりに機能する。亀井善行、陽岱鋼らをこれまた刺激する。

 課題の一つに、「5番をだれが打つか」があったけど、大城卓三が座るケースが増えてきた。大城、リード面では炭谷銀仁朗に比べてまだまだ発展途上との評があるようだが、打撃面は成長している。

 27日現在、打率3割4分8厘で4本塁打、9打点を挙げている。私、今季は打率2割6、7分で本塁打は10本くらいかなと見ていた。まだ30試合を消化したばかりで、これからどうなるか分からないが、このままだと20本塁打を狙えるのでないか。

 開幕前、5番はヘラルド・パーラかなと思っていた。ふたを開けてみれば7番だった。

 原辰徳監督はジグザグ打線を組むタイプだ。4番は右の岡本だから、5番はどうしても左が欲しいところだ。

 今季の大城は打撃好調だ。5番だっていけるようで、26日はヤクルトの先発が右の高梨裕稔ということもあり、捕手ではなく一塁手のスタメン起用だった。もちろん、今後の調子次第で、投手の右左はあるものの、その一翼を担えるのではと思う。

 投手陣は言うまでもなく、エース・菅野智之が引っ張っている。彼で3連戦の初戦を取れば3連敗はない。当然のことながら、チームに安心感が広がる。こういうのが意外に大きいのだ。

 抑えのルビー・デラロサに続いてサンチェスが離脱したものの、巨人投手陣の層は分厚い。先発投手陣は菅野を中心に、1敗はしたが戸郷翔征がローテを守っているし、クリストファー・クリソストモ・メルセデスも持ち味を出している。デラロサの代役である中川皓太も救援陣の柱として活躍している。

 DeNAは抑えの山崎康晃で落とした試合が3、4あるのではないか。このへんにDeNAがいまひとつ乗り切れない原因がある。

 巨人投手陣のチーム防御率は12球団トップの3・19で、失点97も最少だ。(27日現在)

 昨年15勝をマークした山口俊のメジャー移籍で投手陣が心配されたが、なんのことはない。他球団は投手陣で苦労しているが、巨人はキッチリとした成績を収めている。

 今後の課題は試合終盤の7、8、9回をどうしのぐかだ。これから本格的な夏場を迎える。救援陣のやりくりが必要だ。

 岡本に最年少での三冠王の期待がかかっている。まだまだ先の話だが、今季の岡本はそう期待されるだけのことはある。

 三冠王はともかく、一番有力なのは打点王ではないか。前に坂本、丸がいる。2人が出塁すればチャンスで岡本に打席が回る。

 本塁打を狙う必要はない。ヒットの延長線上が本塁打だと心がけてほしい。

 そのためには、

(1)ワンストライク目の甘い球を見逃さない。(2)ボール球を振って投手を助けない。

 岡本が悪くなる時は決まっている。ボール球に手を出すようになる。ギリギリまで粘り、最後は四球を選ぶ、これを徹底すべきだ。

 28日からは上限5千人のファンを東京ドームに迎える。お客さんがいるといないとでは全く違う。新型コロナの感染状況は依然として予断を許さないものになっているが、一人ひとりが気をつけてプロ野球を楽しみたい。

柴田勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会副理事長を務める。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年7月28日 掲載

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