広島カープ不振のワケ…投壊だけど打率はトップ、佐々岡監督は本命ではなかった

広島カープ不振のワケ…投壊だけど打率はトップ、佐々岡監督は本命ではなかった

プロ初勝利をあげ、ウィニングボールを手にする森下と佐々岡監督

■巨人の宮本・元木コーチが羨ましい


 昨季こそ4位に終わったが、2016・17・18年とセ界を3連覇してきた広島カープ。佐々岡真司新監督(52)を迎えての2020年シーズンだったが、投手出身監督なのにチーム防御率は5位で「投壊」という皮肉な状況。ではあるものの、チーム打率はトップとチグハグで順位は5位。もっとも5位とはいえ、巨人1強であとは5弱の様相を呈する今シーズン。現時点での不振のワケと今後の展開について、関係者の証言から占う。

 ***

「野球をやっていて楽しくなさそうな雰囲気を感じます。巨人には宮本(和知)・元木(大介)といったコミュ力の高いコーチがいるおかげで、たとえ負けていても楽しんでやっている感じが伝わってくる。タレント上がりにコーチなんてできっこないなどと言われましたが、いやいや、芸能界の荒波に揉まれてきたからこそ、できることってすごくあると思う」

 と、広島カープの球団関係者。

 カープの中をざっと見回してもそういった役回りを演じることができるコーチはいないようで、

「例えば横山(竜士)コーチは1軍でブルペンを見ているんですが、2014年に現役引退後はずっと中国放送の解説者を務めてきました。そんな彼が、いきなりチームに入ってもすぐに機能するのはなかなか難しい。タレントでもないわけですしね。外から見ているのと現場で感じることは全然違いますからね。現状、投手陣とはまだ深い関係を結ぶまでには至っていないようです」

 投手・野手間のパイプ役も不在。

「石原さん(慶幸捕手)がまさにその役割を担ってきたんですが、故障で登録抹消となり、1軍ベンチには入れない状況です。會澤さん(翼捕手)が代わってまとめ役であるべきなんですが、力不足。石原さん頼みで来てしまったツケを支払っている感じがします」

 その會澤と菊池涼介は昨オフ、FA権を行使するしないの問題があり、さらに菊池はメジャー行きもかかっていた。一方で調停申し立てをして金銭で解決することになる、女性問題も抱えていた。


■鈴木誠也は来オフメジャーへ


「菊池は今年のキャンプは2軍が過ごす沖縄でスタートしました。1軍は後から沖縄に合流したのでずっと沖縄にいたことになるわけですが、モチベーションがあまり上がっていなかったようです。あんまり関係ないかもしれませんが、ファンサービスにも後ろ向きで。シーズンに入っても、極度の不振ということではないものの、調子は出てないですよね」

 この2人に関しては、

「残留するにあたり、よほどのことがない限り2軍落ちはないという話が球団との間でできているのではないかと指摘する声があります。本当であって欲しくはないですが、この手の話が出回ると、ポジションを脅かそうという選手も、”なんだ、そういう契約なら頑張ったって意味ないじゃないか”ということになってしまう。そっちの方が怖いですよね」

 そんな中にあって希望は堂林翔太の覚醒と鈴木誠也の好調ぶり。別の関係者に聞くと、

「堂林はずっと結果が出なかったのに腐らずやってきて今のところ報われていて良かったと思います。鈴木の場合は全試合出場中で脂がのっている。侍ジャパンの4番を任されて自覚も出てきた。ただ、来オフのメジャー移籍を視野に入れているんです。どうなるか決まったわけではないですが、あともう少しで見納めかと思うと応援する立場としては複雑ですね」

 前任の緒方孝市監督が辞任した後、白羽の矢が立ったのは野村謙二郎元監督だったという。

「緒方さんの前に野村さんは監督をしていたんですが、球団からのオファーを今回は断った。それで当時1軍投手コーチだった佐々岡さんにお鉢が回ってきた。彼がどうしても監督をしたいということはなかったと聞いています」


■5点取らないと勝てないチームは「捕手王国」


「球団フロントとしては、現在2軍打撃コーチの東出さん(輝裕)に次の監督を託したいと思っています。黒田(博樹)さんや前田(智徳)さん、新井(貴浩)さんはいつも監督候補として名前が上がりますが、強いて言えば新井さんに少しだけ可能性があるくらい。残りの2人はまずないでしょうし、金本さん(知憲)? それは待望論すらないですよ」

 喫緊の課題は投手陣。チーム防御率は4・4。つまり、投手陣の調子がこのままだと毎試合5点取らないと勝てないことになる。

「監督からクローザーだと明言された岡田(明丈)が早々に期待を裏切ってしまって、そこが安定していなままなんですよ。それと笑い話じゃないですが、チームは『捕手王国』になっています。會澤、坂倉(将吾)、磯村(嘉孝)、中村(奨成)……。もちろん石原もいるし。磯村は例えば中日とかなら1番手ではないかもしれないですが、100試合くらいはマスクをかぶれる実力があるのに、1軍と2軍を行ったり来たり。3年前のドラ1・中村が絡める余地がほとんどない」

 チームが崩壊するレベルではないものの、雰囲気はどうもギクシャクしていて、ポジションを奪おうとする若手の台頭もない。1990年代後半から長らく続いた暗黒時代の入り口を思い浮かべる関係者も少なくないという。

週刊新潮WEB取材班

2020年8月8日 掲載

関連記事(外部サイト)