巨人「澤村拓一投手」が3軍落ち 中央大時代からずっと指摘されている課題とは

巨人「澤村拓一投手」が3軍落ち 中央大時代からずっと指摘されている課題とは

澤村拓一投手

 2軍で調整していた巨人の澤村拓一投手(32)が8月11日、3軍に降格した。「このままだと終わる」と、阿部慎之助2軍監督(41)が決断したという。2011年のルーキーイヤーに新人王を獲得し、16年にはセーブ王に輝いた男は、3軍から復活できるか。

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 今季1軍からスタートした澤村は、13試合で1勝1敗、防御率は6・08と振るわず、7月26日に登録を抹消された。2軍降格後は5試合に登板。8月7日のDeNA戦では同点の8回に登板し、3四球で4失点。制球難で四球を出し痛打を浴びるという、今季目立った悪いパターンに阿部2軍監督は苦渋の選択をしたのだ。

「ほかの2軍監督だったら、澤村を3軍に落としたりしません」

 と解説するのは、野球解説者の関本四十四氏。

「セーブ王を獲得し、年俸1億円を超えている投手を、怪我でもないのに3軍に落とすというのは、中央大学出身で澤村の先輩にあたる阿部2軍監督しかできない選択でしょう。2012年の日本シリーズで牽制のサインを見逃した澤村に対し、阿部がマウンド上でポカリと頭を叩くシーンがありました。あの時と同じ心境でしょう。このままの状態では終わってしまいかねない、思い切って3軍に落として、リフレッシュさせようというわけです」

 澤村は、過去に数回1軍から外れたことがある。最初は、プロ入り4年目となる2014年で、キャンプ中に右肩の違和感があり、開幕は2軍スタート。次が17年で、この年は右肩故障で1軍登板はなく、一時期3軍で遠投練習をしたことも。そして19年は脇腹痛で2軍スタートだった。


■猪突猛進


 今季、成績が良くない理由は何か。先の関本氏によれば、

「澤村は、ピッチングそのものの理解というか、学習能力があまりありません。要は、ピッチングの組み立てができていないのです。彼は、153キロ、154キロのストレートでカウントを取ると、最後はフォークで三振を取ろうとするのですが、制球が乱れて、四球を与えることがある。挙げ句、ストライクを取りにいった甘いストレートを痛打されて降板するというパターンの繰り返しでした」

 つまり、配球が単調ということか。

「彼には、140キロ台のいいスライダーもありますが、あまり投げないのです。自分のストレートを過信しているところがあって、頑なにストレートとフォークしか投げない。他人が言っても聞きませんね。強情なところがあるんです」(同) 

 ちなみに、澤村の座右の銘は「猪突猛進」だという。

「これは堀内恒夫さんも言っていたことですが、彼は、きれいな三振を狙っているのではないか。見逃し三振や空振り三振を取りたがる。そのためにストレート中心のピッチングになっているのでしょう。本来、入団5、6年目になると、内野ゴロで仕留めるような投球に切り替えなければ駄目です。投手として長くプレーができません。そのために、変化球も増やす必要があります。ところが彼は、それをやろうとしないんですね」(同)


■大学時代から成長していない


 実は、澤村は大学時代も同様の指摘をされていた。

「澤村が中央大学2年の頃から、中大野球部の監督で元巨人の投手の高橋善正さんに何度も言われていたのが、コントロールと変化球を磨くことでした。それが巨人に入るための課題になっていたのです」(同)

 澤村は、中央大学2年の秋には球速が150キロを超えるようになり、大学3年には156キロ、4年には大学生歴代最高(当時)の157キロをマークしている。今の球速とほぼ変わらない。プロになっても、コントロールと変化球が課題となっているわけだから、大学時代からあまり成長していないと言われても仕方がない。

 澤村が復活するためにはどうすべきなのか。

「3軍のトレーニングでは、基本的にボールを握らせないそうです。シャドーピッチングも禁止。ピッチングが良かった時の過去の自分の映像を見せて、イメージトレーニングに重点を置くそうです。彼は、自分のピッチングを俯瞰して見るべきですね。第三者の立場で客観的に見る必要があります。そうすれば今、どこが悪いのか見えてきます。150キロを超えるストレートなど、素晴らしいものを持っているし、並外れた体力がある。大学時代は、スクワットばかりやって、スクワットマンなんてあだ名がつきましたが、人が見たらびっくりするような大きな太ももですよ。体も恵まれ、いい球も持っているんだから、このまま終わっちゃあもったいないですよ」(同)

 8月15日、澤村は上武大とのプロ・アマ交流戦に初先発。1番打者を見逃し三振、四球、左飛、最後は今秋ドラフト候補の古川裕大捕手を空振り三振に抑えた。1回でマウンドを降りたが、最速は155キロだった。1軍復活への道筋は見えたのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2020年8月19日 掲載

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