【2021展望:ソフトバンク】絶対王者の生命線は主砲・柳田の健康面?内野の世代交代も急務〈SLUGGER〉

【2021展望:ソフトバンク】絶対王者の生命線は主砲・柳田の健康面?内野の世代交代も急務〈SLUGGER〉

昨年は最多安打のタイトルと2度目のMVPを受賞した柳田。彼の健康状態がチームの浮沈も左右する。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

いよいよ2021年のプロ野球が開幕する。頂点を目指す12球団それぞれの浮沈を左右するキーポイントとは一体どこなのか。注目選手も含め、球団ごとに見ていこう。

【2020年成績】
勝敗:73勝42敗5分(1位)
得点:531(2位)
失点:389(1位)
得失点差:+142(1位)

【展望】
 昨年は千賀滉大、石川柊太、モイネロら圧倒的な投手力を背景に2年ぶりのリーグ優勝。CS、日本シリーズも順当に勝ち抜き、4年連続日本一を達成した。昨季の得失点差は+142。2位の楽天が+35だったことを思えば圧倒的な差で、当然、今季もリーグ優勝の筆頭候補に挙げられている。投打とも充実の戦力を誇り、不安要素などないようにも思えるが……?
 【2021年のキーポイント】
●打線の大黒柱・柳田は健康を維持できるか

 過去7年間でホークスは3度リーグ優勝を逃している。そのうち16年と19年は、いずれも柳田悠岐が一定期間戦列を離れていたのが原因で、特に19年は左ヒザ裏の肉離れが長引き、38試合しか出場できなかった。逆に、昨年はOPS1.072の猛打でリーグ優勝&日本一の原動力となり、2度目のMVPに輝いたのは周知の通りだ。

 ただ、チーム内で柳田次ぐOPSを記録したのはグラシアルとデスパイネで、ともに.767と大きな差があった。実は、100打数以上でOPS.800以上の打者が1人しかいなかったのは、パ・リーグではソフトバンクだけ。柳田がいるのといないのとでは、まったく別の打線になると言っても過言ではない。オープン戦はアキレス腱の不調でスロー調整を続けてきたが、彼の健康状態がそのまま連覇を左右する可能性は十分ある。
 ●内野の攻撃力向上&主力野手の世代交代

 たとえ柳田が元気でも、攻撃陣に心配の種がなくなるわけではない。内野の打力が明らかに低いからだ。昨年は内野全ポジションで得点貢献値がリーグ平均以下。長年、主軸を張ってきた三塁の松田宣浩は自己ワーストのOPS.667、38歳の年齢的にも再上昇する見込みは薄い。

 中村晃の長打力は一塁手でリーグ最低レベル、栗原陵矢は逆に長打はあっても出塁率が低い。遊撃は今宮健太の体調に左右され、二塁の周東佑京も足は超一流だが打撃は平凡と不安要素も少なくない。松田の後継者として期待される野村大樹やリチャードも一軍定着は時期尚早の感が強い。昨年のドラフトで佐藤輝明(現阪神)を外したのがつくづく惜しまれるが、そうも言っていられない。現メンバーでは最も攻撃面の伸びしろが高い栗原のさらなる成長を底上げにつなげたい。
 【2021年のキーマン】
今宮健太

 14年から5年連続ゴールデン・グラブに選ばれた名手も、ここ3年は怪我続き。昨年は左足ふくらはぎを負傷し、一軍定着後では最少の出場43試合に終わった。今季もキャンプイン早々に両ふくらはぎを痛めるなど体調面の不安は拭えないが、前述した内野の攻撃力という点でも、今宮はキーマンとなる。近年はパンチ力を身に着けてかつてのバント屋のイメージを払拭。昨季もOPS.730を記録し、故障後に代役を務めた川瀬晃(.501)や牧原大成(.579)とは大きな開きがあった。本人も今季へ賭ける意気込みは強く、復活に期待が集まる。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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