【2021展望:ヤクルト】戦力的には厳しい状況だが、小川を含めた投手陣の底上げで最下位脱出を〈SLUGGER〉

【2021展望:ヤクルト】戦力的には厳しい状況だが、小川を含めた投手陣の底上げで最下位脱出を〈SLUGGER〉

ソフトバンクから加入した内川。勝者のメンタリティをチームに植え付けることができるか。写真:滝川敏之

いよいよ2021年のプロ野球が開幕する。頂点を目指す12球団それぞれの浮沈を左右するキーポイントとは一体どこなのか。注目選手も含め、球団ごとに見ていこう。

【2020年成績】
勝敗:41勝690敗10分(6位)
得点:468(5位)
失点:589(6位)
得失点差:−121(6位)

【展望】
 高津臣吾監督が就任した昨季は、村上宗隆が全試合4番を務めて大きく飛躍した一方、またも投手陣が崩壊して2017年以降の4シーズンで3度目の最下位に低迷した。得失点差が−100を超えた(−121)のは12球団唯一で、期待の新外国人も合流が遅れるなど非常に厳しい現状ではあるが、ソフトバンクから加わった内川聖一、2年目の奥川恭伸など新たな戦力の活躍で何とか浮上したい。
 【2021年のキーポイント】
●エース小川の復活も含めた先発投手陣の底上げ

 先発防御率はリーグ優勝の翌年(2016年)から5年続けてリーグワースト。昨季は5先発以上の9投手のうち、スアレス以外が防御率4点台と安定感を欠いた。キャンプイン後にバンデンハークと田口麗斗を獲得。高梨裕稔、スアレス、若手有望株の奥川恭伸、ルーキーの山野太一と枚数は何とか揃いそうだが、エース格の小川泰弘に続く投手が現れるかがどうかが浮沈を左右しそうだ。

 昨季の小川はノーヒットノーランを達成したものの、年間では防御率4.61と寂しい成績だった。ただ、ストレートの平均球速や空振り率などを見る限り、球威が衰えたわけではない。ただ、カットボールの効力が失われているのが不安要素で、過去2年は連続で本塁打配給王となっている。台所事情が苦しい中、エースがエースらしい投球を見せてくれないと今季も苦戦は免れないだろう。
 ●強打者3人以外の野手の奮起

 もちろん、狭い神宮球場を本拠地にしている以上、打線の爆発も上位進出への必須条件だ。ただ、山田哲人、村上、青木宣親と球界屈指の強打者が並ぶ反面、主軸とそれ以外の実力差が大きく、昨季のチーム総得点はリーグ5位と意外に伸び悩んだ。得点力改善のために補強したオスナ、サンタナの両外国人はコロナ禍で来日が遅れている。オープン戦で村上と並ぶ4本塁打とブレイクの兆しを見せていた20歳の濱田太貴が上半身のコンディション不良で離脱、山田も下半身の張りを訴えるなど、開幕前から“ヤ戦病院”の予感が漂っているのも心配材料だ。

 山田が昨季に続いて精彩を欠いた場合、三冠王を狙える位置に来た村上と、昨年38歳にして自己ベストのOPS.981を叩き出した青木が孤立する事態に陥りかねない。濱田の早期復帰はもちろん、今季こそレギュラー定着が期待される塩見泰隆らの台頭が期待される。
 【2021年のキーマン】
内川聖一

 打線では、新加入の内川も注目の一人だ。戦力として期待されるのはもちろん、ソフトバンクで何度も優勝を経験した勝者のメンタリティを下位が定位置になりつつあるチームに根付かせてほしい。1997年開幕戦で巨人相手に3連発を放った小早川毅彦の再現となれば、チームもファンも一気に盛り上がるはずだ。

文●城ノ井道人

【著者プロフィール】
しろのいみちと。会社勤めの後、渡米してMLB記者として全米を飛び回る。。日米問わず若手有望株への造詣が深く、仲間内で「日本版ファンタジーリーグ」を毎年、開催して次代のスター発掘に余念がない。

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