【プロ野球・最新実力格付け】巨人、SBが停滞する一方、ヤクルト、オリックスが躍進!1位はもちろん…<SLUGGER>

【プロ野球・最新実力格付け】巨人、SBが停滞する一方、ヤクルト、オリックスが躍進!1位はもちろん…<SLUGGER>

佐藤(右)の活躍に象徴される阪神の圧倒的な強さも目立つが、山本(左上)が絶対的エースとして君臨するオリックスや、田口(左下)ら新戦力が台頭したヤクルトの躍進も見逃せない。写真:山手拓也(佐藤)、田口有史(山本)、田中研治(田口)

セ・リーグの12年ぶりの勝ち越しで幕を閉じた交流戦。このタイミングで、シーズン通算成績や得失点差、さらには直近の戦績などを総合的に判断して12球団を「格付け」した。12位から順に紹介していこう。
※( )内の数字はシーズン成績/得失点差

12位 広島(19勝32敗/−54)
11位 日本ハム(22勝35敗/−65)
10位 DeNA(21勝35敗/−65)


 コロナ禍の直撃(選手の感染による戦列離脱や、外国人選手の出遅れ)を食らった球団が、下位に低迷しているのは決して偶然ではない。広島は12球団で唯一20勝にも届いていない。交流戦では投手陣の崩壊で3勝しかできず、クラスターの発生と軌を一にして坂道を転げ落ちてしまった。2年目の森下暢仁、新人の栗林良吏が五輪代表入りするなど、選手個々の才能は他と見劣りしないだけにやるせない。

 得失点差ではその広島よりも悪いのが日本ハムで、混戦のパ・リーグにあって1球団だけ取り残されている。主砲の中田翔が不振に苦しみ、交流戦でのホーム9試合で1本塁打の貧打。懸案の守備難にも改善の兆しが見えていないが、開幕から好投を続ける新人の伊藤大海、先日プロ初本塁打を放った万波中正ら若手の頑張りに期待したい。
  開幕から低迷が続いていたDeNAは交流戦で打率.297と打ちまくり、投手陣もエース今永昇太の復帰などで上昇傾向。ついに広島を抜いてリーグ最下位から抜け出した。ただ、序盤戦での負債が嵩みすぎ、Aクラスはまだはるか彼方にある。交流戦でも防御率4.90と投手陣は相変わらず安定感を欠いているのもマイナス要素だ。

9位 中日(25勝29敗/−17)
8位 西武(26勝27敗/−12)
7位 ロッテ(28勝28敗/+24)


 中日はもともと投手陣が充実しているところへ、課題の打線も上向きになって交流最終盤まで優勝を争った。五輪予選で離脱していた抑えのライデル・マルティネスも近く復帰予定で、投手陣は安心して見ていられるが、今後のカギを握るのはやはり打線。CS圏内に食い込むためには、ロッテから緊急トレードで獲得した加藤翔平をはじめ起爆剤になるような野手の出現が待たれる。

 西武は交流戦最終戦に敗れて勝率は5割を切った。打撃で勝つチームが得点数リーグ5位では、苦しい戦いになるのも当然だ。新型コロナに感染した源田壮亮以外にも外崎修汰、盗塁王を独走していたルーキー若林楽人ら故障者が続出している状況だが、そんな中で呉念庭や愛斗、岸潤一郎ら若い力が台頭しているのは好材料。源田や外崎も復帰間近で、巻き返しの可能性は十分ある。
  ロッテも勝率5割ジャストにとどまっているものの、得失点差+24は首位の楽天より多い。得失点差以上の貯金を作っていた昨年とは正反対の現象だ。佐々木朗希が戦力になり始めているのは文字通り朗報だが、ただでさえ種市篤暉を欠く投手陣で、石川歩までヒジの手術で長期離脱になったのが痛い。交流戦終了直後にDeNAから国吉佑樹、中日から加藤匠馬、さらには元中日のロメロを獲得するなど積極的な戦力強化が実を結ぶか。

6位 ヤクルト(30勝24敗/+18)
5位 巨人(30勝24敗/+28)
4位 ソフトバンク(29勝26敗/+49)


 開幕前は最下位予想が多かったヤクルトはここまで大健闘。巨人の伸び悩みもあって、リーグ順位は同率2位まで上昇している。投手では田口麗斗や近藤弘樹、野手ではオスナ、サンタナの両外国人ら新戦力が機能して戦力の厚みが増しており、今のところ最も期待以上の成果を収めているチームだ。

 一方、昨年の日本シリーズでぶつかった両球団は苦戦中。巨人はヤクルトと対照的に、開幕前の期待値から最もかけ離れているチームと言わざるを得ない。菅野智之や丸佳浩が精彩を欠き、交流戦でも負け越し。「マシンガン継投」に代表される原辰徳監督の采配にも、疑問の声が少なからず出ている。さらにここへ来て新助っ人スモークの退団が決定。厳しい戦いが続きそうだ。

 ソフトバンクは得失点差+49がリーグトップで、セ首位の阪神と大差ないにもかかわらず、貯金は3つだけ。交流戦では9年ぶりの負け越しとなっただけでなく、4つも借金を抱えてしまった(5勝9敗)。デスパイネ、モイネロらキューバ勢が離脱しただけでなく、投手陣の柱である千賀滉大と森唯斗は故障、野手でも周東佑京が不振の上に怪我と相変わらず故障者も多く、さすがの巨大戦力でもカバーしきれていない状況だ。
 3位 オリックス(30勝27敗/+15)
2位 楽天(32勝25敗/+21)
1位 阪神(39勝19敗/+58)


 11年ぶりの交流戦優勝を遂げたオリックスは、リーグ順位でも2位ソフトバンクとのゲーム差を0とし、「時価」では上を行っている。防御率リーグ1・2位の山本由伸と宮城大弥を擁する投手力に目が行きがちだが、攻撃陣も杉本裕太郎が覚醒して吉田正尚を援護。外国人打者が本調子になればもっと上を狙えそうで、新たに獲得したランヘル・ラベロに期待がかかる。

 楽天は8年ぶりに復帰した田中が2勝4敗、主砲の浅村栄斗もわずか4本塁打ながらパ・リーグ首位。ドラフト1位ルーキー・早川隆久の活躍が大きいのはもちろんだが、スター選手が本来の状態でなくとも首位に立てるのは地力が付いてきた証か。もっとも、得失点差+21はソフトバンクやロッテよりも下で、決して油断はできない。

 そして1位はもちろん、セ・リーグ首位を独走中の阪神だ。佐藤輝明、中野拓夢、伊藤将司の新人トリオがチームに活力をもたらし、60試合時点で貯金は20に達した。交流戦も6連勝で締めてセ・リーグトップの11勝。このまま行けば開幕前の恒例のネタではなく、本当の優勝マジックが灯る日も遠くはないかもしれない。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。
 

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