【2021ドラフト候補ランキング10〜1位】西工大・隅田、天理・達が大きく順位を上昇させる中、1位を守ったのは?<SLUGGER>

【2021ドラフト候補ランキング10〜1位】西工大・隅田、天理・達が大きく順位を上昇させる中、1位を守ったのは?<SLUGGER>

左から隅田、小園、達。高校生投手が中心になると言われる今年のドラフトだが、今後はどんな展開を見せるだろうか。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

アマチュア野球に精通した西尾典文氏が選定する2021年のドラフト候補ランキングの最新版をお届けする。年明け早々に公開した前回のランキングから約半年、コロナ禍で主要大会が次々と中止になった昨年とは異なり今年は各カテゴリーで多くの試合が行なわれており、この間に急浮上した候補も少なくない。6月13日に幕を閉じた全日本大学野球選手権の結果も踏まえた最新のランキングはどうなっているのか。現時点のトップ10はこの10人だ!

▼10位:古賀悠斗[捕手・中央大](前回順位:18位)
(こが・ゆうと/右投右打/福岡大大濠高)
将来像:梅野隆太郎(阪神)
 高い総合力を備えた大学ナンバーワン捕手。この春はバッティングが明らかにレベルアップし、自身最多となる3本塁打、8打点をマークしてベストナインにも輝いた。小さな動きで力強いトップの形を作り、広角に打ち返す打撃は大学球界でも上位。高校2年夏まではショートだったこともあり、地肩の強さだけでなくフットワークも目立つ。大舞台での経験も豊富で、捕手不足のチームにとっては垂涎の存在である。
タイプ診断:#強肩強打 #経験豊富

▼9位:隅田知一郎[投手・西日本工大](前回順位:35位)
(すみだ・ちひろ/左投左打/波佐見高)
将来像:能見篤史(オリックス)
 地方リーグ所属ながら全国でも屈指の実力を誇るサウスポー。全日本大学野球選手権では1回戦で敗れたものの8回を1失点、14奪三振と圧巻のピッチングを見せて一気に評価を上げた。最速150キロが大きく報じられるが、カーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリットなど多彩な変化球を巧みに操る投球は非常に実戦的。1位の12人に入ってくる可能性も十分ある。
タイプ診断:#実戦派サウスポー #地方リーグ
 ▼8位:畔柳亨丞[投手・中京大中京高](前回順位:6位)
(くろやなぎ・きょうすけ/右投右打)
将来像:森唯斗(ソフトバンク)
 選抜では140キロ台後半のストレートで押すパワーピッチングを披露。勝負所でのボールの勢いは大会ナンバーワンと呼べる迫力で、チームを準決勝進出に導いた。準決勝では右ヒジの不調を訴えて降板し、その後の経過が心配されていたが、6月13日に行なわれた東海大相模との招待試合では最速150キロをマークし、復調を印象付けた。現時点での総合力は高校生の中でも指折りの存在。夏にもうワンランクレベルアップした姿を見せれば、高橋宏斗(中日)に続く2年連続の1位指名も見えてくるだろう。
タイプ診断:#剛腕 #安定感

▼7位:達孝太[投手・天理高](前回順位:20位)
(たつ・こうた/右投右打)
将来像:R.マルティネス(中日)
 日本人離れしたスケールが魅力の超大型右腕。昨年秋まではどちらかというと器用さが目立ったが、この春の選抜では別人のように力強さがアップし、ストレートは140キロ台後半をマークした。コントロールや変化球はまだ不安定なところはあるものの、走者を背負っても粘り強く投げることができる。3月生まれということを考えても、まだまだここからの成長に期待できる。将来性という意味では今年の候補の中でもナンバーワンと言える存在だ。
タイプ診断:#スケール◎ #日本人離れ
 ▼6位:椋木蓮[投手・東北福祉大](前回順位:4位)
(むくのき・れん/右投右打/高川学園高)
将来像:増田達至(西武)
 大学生の右投手ではナンバーワンと言える存在。昨年秋はリリーフとして大車輪の活躍を見せてチームを優勝に導き、自身もMVPに輝いた。この春は下級生以来となる先発に再挑戦して3勝をマーク。リーグ戦終盤に調子を落として、大学選手権ではリリーフでの起用となったものの、大会最速となる154キロをマークしてポテンシャルの高さを見せつけた。スライダーなど変化球のコントロールも良く、自滅することがないのは大きな魅力。リリーフであれば即戦力としても期待できる存在だ。
タイプ診断:#リリーフタイプ #柔軟性

▼5位:森木大智[投手・高知高](前回順位:9位)
(もりき・だいち/右投右打)
将来像:大瀬良大地(広島)
 中学時代に軟式で150キロをマークし、世代では最も早くからその名を知られていた投手。高校ではなかなか本領発揮とはいかないシーズンが続いたが、この春は右足首の故障から見事に復活。春の県大会では世代最速となる154キロもマークした。スピードに注目が集まるが変化球のコントロール、牽制やクイックなど投げる以外のプレーも高校生ではトップクラス。チームは明徳義塾の壁をなかなか敗れないでいるが、夏は大舞台での快投に期待がかかる。
タイプ診断:#剛腕 #スーパー中学生
 ▼4位:佐藤隼輔[投手・筑波大](前回順位:2位)
(さとう・しゅんすけ/左投左打/仙台高)
将来像:今永昇太(DeNA)
 好素材が多い大学生サウスポーの中でも、やはりナンバーワンと言える存在。この春は高い注目度と相手の厳しいマークもあって、本来のピッチングが見せられない試合もあったが、それでも随所に高い能力を披露した。右肩がギリギリまで開かず、ボールの出所が見づらいフォームだが決して窮屈な感じはせず、躍動感も申し分ない。本格派サウスポーでありながらコントロールが安定しているというのも得難い長所だ。ストレートの勢いが戻ってくれば、一気に目玉となる可能性は高い。
タイプ診断:#ミスター0 #本格派サウスポー #フォーム◎

▼3位:風間球打[投手・ノースアジア大明桜高](前回順位:8位)
(かざま・きゅうた/右投左打)
将来像:石川柊太(ソフトバンク)
 選抜出場は逃したものの、この冬の間にスケールアップを果たした大型右腕。この春は東北大会が中止となったが、開催が遅れた県大会でも圧巻のピッチングを披露しチームを優勝に導いた。元々ボールの角度には素晴らしいものがあったが、一回り体つきも大きくなり、ストレートの迫力はさらにアップした印象を受ける。細かいコントロールなどの課題は残るものの、スライダー、フォークも腕を振って投げられ、変化球の質も高い。夏にはさらに高い注目を集めることは間違いないだろう。
タイプ診断:#剛腕 #スケール大 #ボールの角度◎
 ▼2位:廣畑敦也[投手・三菱自動車倉敷オーシャンズ](前回順位:3位)
(ひろはた・あつや/右投右打/玉野光南高→帝京大)
将来像:槙原寛己(元巨人)
 昨年の都市対抗では154キロをマークして若獅子賞を受賞。今年もシーズン開幕を告げる3月の東京スポニチ大会でリリーフとしてフル回転し、チームを優勝に導くとともに自身もMVPに選ばれ、昨年の活躍がフロックではないことを証明した。コンスタントに150キロに迫るストレートだけでなく、変化球のコントロールも抜群。先発でもリリーフでも常に安定したパフォーマンスを見せており、即戦力という意味では間違いなくナンバーワン。投手力が弱い球団にとっては魅力的な存在と言えるだろう。
タイプ診断:#即戦力 #剛腕 #万能タイプ
 ▼1位:小園健太[投手・市立和歌山高](前回順位:1位)
(こぞの・けんた/右投右打)
将来像:金子弌大(日本ハム)
 高い注目を集めた今年の選抜でも見事なピッチングを披露し、改めて能力の高さを見せつけた。スピード、コントロール、変化球、全てにおいて高レベルだが、何よりも素晴らしいのが投球術だ。相手の狙い球を察し、試合の途中で組み立てを変えられるところは高校生とは思えない。もちろんボール自体の質も素晴らしいものがあり、まだまだ伸びそうな雰囲気も十分。好素材の多い高校生投手の中でも、最も安心して1位指名できる存在と言えそうだ。
タイプ診断:#大型本格派右腕 #巧みな投球術 #スター候補

【表】2021ドラフト候補ランキング1〜50位一覧(6月21日時点)

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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