新人本塁打記録を持つ“白熊”、MLB最高の“ブンブン丸”…大谷とホームラン・ダービーを戦う7人の強打者たち<SLUGGER>

新人本塁打記録を持つ“白熊”、MLB最高の“ブンブン丸”…大谷とホームラン・ダービーを戦う7人の強打者たち<SLUGGER>

昨季首位打者&OPSトップのソト(左上)、飛ばし屋ギャロ(左下)に19年新人本塁打王のアロンゾ(右下)……大谷(右上)のライバルはいずれも容易ならぬ相手ばかりだ。(C)Getty Images

大谷翔平(エンジェルス)も出場が決定しているホームラン・ダービーの出場者8人が、現地時間7月7日についに決定した。ここでは、大谷と優勝を争う7人の強打者たちを紹介しよう。

▼ホアン・ソト(ナショナルズ/初) キャリアハイ:34本塁打(2019年)
 大谷の1回戦の相手は、今回の出場者最年少の22歳。だが、打撃技術はすでに球界トップクラスを誇る。昨季は打率/出塁率/長打率/OPSのすべてでリーグトップの数字を記録した。純然たるホームラン・バッターというより、アルバート・プーホルス(ドジャース)やミゲル・カブレラ(タイガース)のような確実性も備えた真の強打者タイプだが、今年は5月にリグリー・フィールドの右翼スコアボードを直撃する特大弾を放っている。

 大舞台での勝負強さも年齢離れしていて、19年のワールドシリーズではナショナルズ史上初の世界一に大きく貢献し、“Chosen Juan”(選ばれし者ホアン)との愛称がついた。大谷にとっては初戦から難敵となるが、この男を倒せれば頂点はぐっと近づくはずだ。
 ▼サルバドール・ペレス(ロイヤルズ/初) キャリアハイ:27本塁打(2017〜18年)
 捕手では球界屈指の強打を誇り、過去5年で3度シルバースラッガー賞に輝いている。さらに今季はキャリアハイのペースで本塁打を量産し、すでに20本。捕手では史上7人目のシーズン40本塁打も夢ではない。ゴールドグラブを5度獲得するなど守備の評価も高い。特に強肩が持ち味で、18年には盗塁阻止率48.1%を叩き出したこともある。

 すでに実績十分の彼が今回、初めてホームラン・ダービーにエントリーした理由は、これまで捕手、そしてロイヤルズの選手の優勝者がどちらもいないから。生え抜きで誰もよりもチーム愛が強いペレスは「2つの“史上初”を同時に達成する」と意気込んでいる。

▼ピート・アロンゾ(メッツ/2回目) キャリアハイ:53本塁打(2019年)
 大谷に続く2人目にエントリーしたのが、19年の前回大会で優勝したアロンゾだ。この年は新人ながら前半戦だけで26本塁打を量産してオールスターに選ばれ、ブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)との激戦を制してホームラン・ダービーも制覇。後半戦もその勢いのまま53本まで積み上げてMLB新人記録を更新、タイトルも獲得した。昨年はコロナ禍にあってさまざまなチャリティにも携わったりと、ロールモデルとしての顔も持つ。

 ホームラン・ダービーで複数回の優勝はこれまでに3人しか達成していない快挙で、ルーキーイヤーから2大会連続となれば史上初。本人も「もう一度勝つ」と気合十分で臨む。▼ジョーイ・ギャロ(レンジャーズ/初) キャリアハイ:41本塁打(2017年)
 フライボール革命時代を象徴するるなブンブン丸。フルスウィングから放たれる打球は、まるでピンポン球のように飛んでいく。19年に通算100単打より先に通算100本塁打に到達するという史上初の記録を達成した事実からも分かる通り、打撃は常に一発狙いのスタイル。その分、確実性には難があり、三振もすさまじい勢いで量産しているのだが、長所も短所もハッキリしたこの”分かりやすさ”も魅力と言える。

 今季は出足こそ鈍かったものの6月26日〜7月7日の10試合で10ホームランと大爆発。本塁打王争いでも一気にリーグ3位に浮上してきた。大谷と同じく、今最も勢いのある打者の一人だ。

▼トレバー・ストーリー(ロッキーズ/初) キャリアハイ:37本塁打(2018年)
 今回、ホームラン・ダービーに出場する8人で最も大きな声援を集めるのは、このストーリーだろう。開催地クアーズ・フィールドを本拠にするロッキーズから唯一選ばれた選手だからだ。パワー&スピードを備えたショートストップで、18〜19年は2年連続35本塁打&20盗塁をクリア。19年には遊撃手史上最速で通算100本塁打に到達し、昨年は短縮シーズンとはいえ盗塁王のタイトルも獲得している。

 今季終了後にFAとなることもあり、トレード市場の目玉として注目を集めているストーリー。今回のホームラン・ダービーは、彼にとってロッキーズでの最後の晴れ姿になる可能性が高い。それだけに、大いに期するものがあるはずだ。
 ▼マット・オルソン(アスレティックス/初) キャリアハイ:36本塁打(2019年)
「あっという間にスタンドへ飛んでいく」という形容がふさわしい“弾丸ライナーの申し子”。あまりに打球が速いので、打った瞬間にホームランと分かる当たりも多く、“確信歩き”も得意。昨年までは粗さも目立ったが、今季は三振率が大幅に改善されるなど打者として一段階進歩している。

 ちなみにこのオルソン、“投手・大谷”を苦手にしていて、通算8打数で0安打、5三振。2人が今回のホームラン・ダービーで対決するとすれば決勝戦になるが、もしそれが現実となった場合には「絶対に負けられない戦い」として気合十分で臨んでくるのではないだろうか。

▼トレイ・マンシーニ(オリオールズ/初) キャリアハイ:35本塁打(2019年)
 マンシーニの場合、ホームラン・ダービーの舞台に立つこと自体がすでに感動劇だ。17年から2年連続で24本塁打、19年にはキャリアハイの35発と順調にステップアップしていたが、昨年3月にステージ3の結腸がんと診断されシーズンを全休。化学療法の副作用で指先の感覚が喪失し、引退して解説者になることを真剣に考えたこともあったという。

 しかし、カムバックを遂げた今季は前半戦で15本塁打を放ち、自身2度目の30本も可能なペース。今回、ダービー出場を決めた理由も「同じ病気に苦しむ人々に勇気を与えたいから」。劇的な復活劇に、また一つ新たなエピソードが加わりそうだ。

構成●SLUGGER編集部
 

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