「若手が存在感をいかに出せるかがカギ」沢村賞男・斉藤和巳が語るホークス逆転リーグ優勝への道<SLUGGER>

「若手が存在感をいかに出せるかがカギ」沢村賞男・斉藤和巳が語るホークス逆転リーグ優勝への道<SLUGGER>

三森も頑張っているが、貧打解消のためには斉藤氏いわく「1番は周東が理想」。昨年は出塁率.325とそこそこだったが、二軍では好打もあって.433と高い数値を記録している。写真:徳原隆元

いよいよプロ野球の後半戦が始まった。日本シリーズ4連覇中のソフトバンクは現在首位と4ゲーム差の4位。逆転Vへ向け、後半戦をどう戦うべきなのか? 現役時代にホークスのエースとして沢村賞を2度獲得し、日本一の経験もある斉藤和巳氏が語ってくれた。

 前半戦のソフトバンクの戦いぶりで良かったところは、若い選手の頑張りです。三森(大貴)であったり、真砂(勇介)であったり……ピッチャーでは泉(圭輔)のような選手ですかね。ただ、主力クラスの選手に故障者が続出したため、若い選手が頑張ってもその穴を埋めるのは難しかったところはありますね。でも、こういう選手がでてきてくれたことで耐えられた試合、勝ちに結びつけた試合というのもたくさんあったので、今後が楽しみな選手たちが、また増えたかなという感じです。

 逆に悪かったところはやはり、主力に離脱者が相次いだことですね。先発では千賀(滉大)や東浜(巨)も出遅れ、若手で期待していた笠谷(俊介)も、思うような結果が残せなかった。さらに抑えの森(唯斗)が怪我で離脱し、グラシアルも怪我をして、キューバ勢も五輪予選で抜けて……と、故障者や不調で離脱する選手が多かったのは結構響きましたね。

 ただ、その状況の中でも若い選手が何とか頑張ってくれたし、先発ではマルティネスやレイが頑張っていたので、何とか耐えていたところはありましたが、レイが退団してしまったので……このこともちょっと大きいかなと思います。
  これだけ故障者や不調の選手がいる中で、首位オリックスと4ゲーム差の中にいられたことを考えると、70~80点くらいをつけてもいいんじゃないかなと思いますが、やはり4位ということも踏まえると、そんなに高い点数はつけられない。なかなか打てない、なかなか勝てないという問題がありましたし、そもそも“常勝軍団”ホークスに対する期待値を考えると、50~60点くらいかな、と。60点もないかもですね。50点くらいかな。ファンの人たちもフラストレーションが溜まったと思いますし、合格点には達していないですね。

 貧打の解消のためには、やはり中軸の前にどれだけランナーを出せるかが大事だと思います。柳田(悠岐)、栗原(陵矢)といったところが打線の中心になっていくことを考えると、やはり大事なのは1・2番の出塁率ですね。

 開幕当初は1番・周東佑京、2番・今宮健太である程度固定してやっていましたが、なかなか思うような成績を残せなかった。周東が1番セカンドのレギュラーを取ってくれれば、チームの形としては一番いいんでしょうけど、いきなりそれを期待するのもなかなか難しい部分がある。三森も前半戦は頑張っていたので、後半戦が始まっても1番で起用されると思うんですが、まだ一度もフルシーズンを戦ったことがない彼にすべてを背負わせるわけにいかないですし。やはり周りがどれだけフォローできるかも重要になってくるでしょうね。
  あとは、他の若い選手がどれだけ出てくるかですね。レギュラーで使われている今宮、松田(宣浩)を今後どういうふうに判断していくか、という話が出てくる可能性は高いと思うので。4位という今の状態では、今後は負けられない戦いばかりが続くわけですから、実績はあっても状態が上がらないベテラン組をどう判断していくか。世代交代が大事かもしれないです。(工藤公康監督も)エキシビションマッチでは若い選手がアピールできるよう、かなり積極的に促していましたから。

 将来のホークスを考えても、若い選手がベテランのレギュラーを脅かすくらいの存在感をもっと出してほしいと思います。チームの中で競争していかないと、なかなかチームのレベルも上がっていかないですし、競争が激しいのが本来のホークスの強みでもありますから。

 ここ数年のホークスは「レギュラーの高齢化」が重要なポイントになっています。(まだ30歳の)今宮も、もう1年間フルでは出場できない状態が続いている。松田ももうベテランで、この一年はなかなか思うような数字が残せていない。ただ、その2人に追いつける選手がなかなか出てこないのが、ホークスにとってのウィークポイントになっている部分があります。
  首位争いの相手であるオリックス、楽天、ロッテはどこも手ごわいですが、今年は特に楽天が要注意かなと思います。ロッテには開幕3戦3勝と良いスタートを切れたので、昨年まであった苦手意識も少しは払しょくできたのではないかと思いますし、オリックスに関しては、ここ数年はもともとそれほど苦手にしているチームでもない。

 ただ、楽天に関しては結構いい勝負をしている年がこれまで多かったですし、特に先発投手陣には実績のある投手がそろっていますからね。それだけ柱がいれば、「大きな連敗するだろう」という希望的観測はできません。シーズン後半になればなるほど一つの勝ち、一つの負けが大きくなって、チームの士気にかかわってきますから、やはり「連敗をしない」ということはより大事になってくるので。ディフェンス面が充実している楽天は、打線が打ちだしたら厳しい状態が続くかもしれないですね。

解説●斉藤和巳

【プロフィール】
さいとう・かずみ/1977年生まれ。南京都高校からドラフト1位で福岡ダイエーホークスに入団。2003年に20勝3敗で最多勝、最優秀防御率、最高勝率、ベストナイン、沢村賞などタイトルを総なめにし、チームのリーグ優勝、日本一に大きく貢献した。05年にも最高勝率、最優秀投手のタイトルを獲得した。06年にも勝利数・防御率・奪三振・勝率・最多完封の投手五冠を達成し、2度目の沢村賞も受賞した。13年に引退し、現在は解説者を務める。

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