【名門校の歴代ベストチーム作ってみた:近畿大】三塁は“ミスター・ロッテ”で決まり。外野は佐藤輝明を含め3人が阪神勢に<SLUGGER>

【名門校の歴代ベストチーム作ってみた:近畿大】三塁は“ミスター・ロッテ”で決まり。外野は佐藤輝明を含め3人が阪神勢に<SLUGGER>

セ・リーグの話題をさらう佐藤を産んだ近畿大。彼だけでなく、同校の出身者には強打者が多い。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

高校、大学、社会人野球の名門を対象に、「出身校別歴代ベストチーム」を独自に選出。今回は関西学生野球リーグで47回の優勝を誇り、佐藤輝明(阪神)の出身校としても話題の近畿大学を取り上げる。野手9人でラインナップを組み、投手は5人を選出。関西が誇る名門大の歴代ベストチームは、一体どんなメンバーだろうか。

▼ラインナップ
1 (一)藤原満(元南海)
2 (二)藤田一也(楽天)
3 (中)糸井嘉男(阪神)
4 (三)有藤通世(元ロッテ)
5 (右)佐藤輝明(阪神)
6 (指)二岡智宏(元巨人ほか)
7 (左)林威助(元阪神)
8 (遊)小深田大翔(楽天)
9 (捕)藤井彰人(元楽天ほか)

▼投手陣
(先発)大隣憲司(元ソフトバンクほか)
(先発)酒井光次郎(元日本ハムほか)
(先発)畠世周(巨人)
(救援)森田幸一(元中日)
(救援)木村恵二(元ダイエーほか)
  近大の場合、何と言っても打線が魅力。4番サードを務める有藤は、1968年にドラフト1位で東京オリオンズ(現ロッテ)へ入団し、18年間で通算2057安打を積み重ねて近畿大出身者唯一の名球会入りを果たしている。史上4人しかいない通算250本塁打と250盗塁を両方達成した選手の一人でもあり、ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデン・グラブ賞)は4度、ベストナインは10度。現在は野球部OB会長も務めるなど、近大が生んだ最大のスター選手と言って差し支えないだろう。

 1番・一塁に置いた藤原も、本来は三塁手。有藤とは同期で、同じ69年のドラフトで南海入り。太くて重い“すりこぎバット”でヒット狙いの打撃に徹し、リーグ最多安打を2度獲得。ベストナイン1回、ダイヤモンドグラブも2度受賞するなど渋い好選手として鳴らした。

 外野陣もパワフルで、はからずも3人とも新旧のタイガース在籍選手が占めることになった。佐藤は言わずもがな、全盛期の糸井の確実性とパワーを兼ね備えた打撃は、今もってなおファンには印象深いだろう。走塁や守備での貢献も含めたオールラウンダーぶりは有藤といい勝負で、文句なしにこのチームの中核といえる。もっとも、近大時代の糸井は投手で、4年春にはMVP・最優秀投手・ベストナインの三冠に輝くなど大学球界屈指の実力を誇っていた。
  台湾出身の林も卓越したスウィングスピードを武器に活躍。故障がちだったことと守備や走塁が得意ではなかったことから、レギュラーとして活躍したのは2009年の1年だけだが、この年は打率.292、15本塁打を記録している。

 また、ショートも人材豊富なのが特徴だ。器用なバッティングと広い守備範囲で売り出し中の小深田を選んだが、パワーでは指名打者に据えた二岡の方が上。大学時代は通算13本塁打で、これは佐藤に更新されるまでリーグ最多記録だった。プロ入りしてからも、03年には29本塁打も放つなど活躍。これからの伸びしろを考慮して5番には佐藤を置いたが、実績重視ならば二岡を起用する方が妥当だろう。さらに藤原も大学、およびプロ入り当初は遊撃を務めており、フレキシブルなオーダーが組めそうである。

 藤田も、二塁以外に三塁と遊撃もこなせるユーティリティ・プレーヤーで、小技も得意な古き良き2番タイプ。さらに捕手には小柄な体格からの俊敏な動きで、楽天の初代正捕手を務めた藤井を据えた。その結果、スラッガーの間を小技もできるバッターが揃う理想的な打線ができあがった。

 野手陣に比べると投手陣はやや小粒だが、まずまずの人材がそろっている。どっしりした体格の速球派左腕という特徴から、大学時代には“近畿大の江夏豊”の異名を取った大隣は希望入団枠でソフトバンク入団後、12年にリーグ4位の防御率2.03を記録。翌年はWBC日本代表にも選出されている。
  2番手の酒井は、89年のドラフトで野茂英雄の外れ1位として日本ハムに入団。スローカーブを武器に1年目から10勝を挙げた。野茂がいたことから新人王は獲得できなかったが、リーグ特別表彰を受けている。畠は今季リリーフを務めているが、昨年までは先発を務めていた実績から選んだ。

 リリーフ一番手の木村は、社会人の日本生命を経由して90年のドラフト1位でダイエーに入団。10年間で通算325試合に登板した。プロ1年目には当時西武の主砲だった清原和博から4打席連続三振を奪ったり、92年にはまだブレイク前だった鈴木一朗(現イチロー)にプロ初安打を献上するなど、レジェンドとも縁のある選手である。森田も同じ90年にドラフト5位で中日へ入団しており、プロ1年目に与田剛の故障で抑えに抜擢され、10勝17セーブの活躍で新人王に選ばれている。

 他にも横浜と広島で通算181試合に登板した岸本秀樹、10年にソフトバンクで65登板を記録した甲藤啓介など、実績を残したリリーフはまだいる。なお、余談ながらOBには「西岡剛」の名前もある。ただ、こちらは87~88年にヤクルトで計39試合に登板した平凡なリリーバー。元ロッテで、現在はBCリーグでプレーしている遊撃手の西岡剛は大阪桐蔭から直接プロ入りしているので、近畿大とは関係がない。
 
 近畿出身の現役選手は、佐藤や糸井らを含めて9人。ユーティリティ・プレーヤーとしてヤクルトで活躍する荒木貴裕や、オリックスでリリーバーとして開花しつつある村西良太らもいる。現在、チームの指揮を執る田中秀昌監督は上宮高時代に元木大介(現巨人コーチ)や黒田博樹を育て上げた名伯楽で、今後も逸材をプロの世界へ送り続けるだろう。数年後にはベストチームの顔ぶれが大きく変わっているかもしれない。

構成●SLUGGER編集部
 

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