栗山巧が魅せた「記憶に残る安打5選」。2000安打の1本目、気合の咆哮、優勝を決定づける満塁弾も

栗山巧が魅せた「記憶に残る安打5選」。2000安打の1本目、気合の咆哮、優勝を決定づける満塁弾も

ライオンズ初の2000本安打を達成したキャプテン栗山。大の西武ファンである筆者がその中から印象的な5本のヒットを厳選した。写真:山手琢也

ライオンズのフランチャイズプレーヤーである栗山巧が、ついに球団初の通算2000本安打を達成した。今回はその中から、私の思い出深い5本のヒットを振り返りたい。本当にたくさんの思い出があり、選ぶのが本当に大変だった。

【動画】ミスターレオ・栗山巧が2000本安打達成! 球団初の快挙はこちら

【1】近鉄ホーム最終戦でプロの第一歩を踏み出す 
・<通算安打数>1本目
・<日時>2004年9月24日/近鉄戦/大阪ドーム
・<相手>小池秀郎

 栗山のデビュー戦となったこの試合は、2004年限りでオリックスとの合併が決まっていた近鉄のホーム最終戦だった。消化試合と思えぬ雰囲気の中、栗山は「9番・レフト」でスタメン出場。プロの第一歩を踏み出した。初打席は高村祐の前に凡退したが、3打席目でライト前ヒットを放ち、2000安打への旅がスタートした。

 また、同級生かつ盟友である中村剛也は1年前の2003年9月28日にデビューしているが、その試合は翌年から北海道に移転する日本ハムのホーム最終戦だった。パ・リーグはこの2004年を境に大きく変化していった。そして、栗山・中村の同級生コンビがともに歴史をつないでいることも感慨深い。
 【2】オープン戦首位打者の後の、まさかの「生みの苦しみ」
・<通算安打数>376本目
・<日時>2009年4月9日/オリックス戦/西武ドーム
・<投手>平野佳寿

 前年に「2番・レフト」に定着して最多安打とベストナインを獲得。この年から就任した渡辺久信監督の元、片岡易之、中島裕之、中村剛也とともに強力打線を形成し、4年ぶりの日本一に大きく貢献していた。連覇を目指した2009年も、オープン戦では12球団トップの打率.400と打ちまくったが、シーズンに落とし穴が待っていた。4月3日の開幕戦を3打数ノーヒットで終えると、5試合目までヒットが出ない。前年のタイトルホルダーとはいえまだレギュラー4年目、ファンからは心配の声も上がっていた。

 しかし、若手を我慢強く起用する渡辺監督は、栗山を2番で起用し続けて開幕から6試合目を迎える。そしてようやくこの日の3打席目、シーズン27打席目にしてライト前ヒット。スタンドからも一際大きな歓声が上がり、安堵の雰囲気が流れたことをよく覚えている。これ以降、ライオンズで開幕からヒットが出ない選手がいると、ファンの間で必ず引き合いに出される“事件”となっている。

【3】“アツすぎる”夜に終止符を打つサヨナラ打
・<通算安打数>1097本目
・<日時>2013年8月18日/楽天戦/西武ドーム
・<投手>ラズナー

 とにかく暑かったこの日の西武ドーム。西武は2回までに4点リードを奪うが、その後は点の取り合いに。3点ビハインドで9回を迎えたものの、10対11と1点差に迫る。なおも2死二三塁で栗山に打席が回る。この日はチームが15安打を放つ中、ひとり5打数無安打と沈黙していたが、振り抜いた打球は鋭く一二塁間を破る。同点のランナーに続き、二塁ランナーのヘルマンがホームへ。

 まだコリジョンルールがない時代だ。先に返球をつかんでいた嶋基宏にヘルマンが派手にタックルをかますと、ボールはグラブから落ちてサヨナラが決まった。チームメイトの手荒い祝福を受ける栗山の鬼気迫る表情、あまりに暑すぎる西武ドーム、壮絶な乱打戦という試合展開も相まって、異様な熱気に包まれるファン、フルイニング出場を続けていた秋山翔吾への代打スピリーと、忘れられないたくさんの要素が詰まった試合だった。
 【4】開幕を告げる、キャプテンのカッコよすぎる雄叫び
・<通算安打数>1428本目
・<日時>2016年3月25日/オリックス戦/西武プリンスドーム
・<投手>コーディエ

 2年連続Bクラスからの捲土重来を期していた2016年開幕戦。山川穂高、外崎修汰、菊池雄星と、後の優勝に貢献するメンバーがスタメンに名を連ねていた。ファンにカイロが配られるほど極寒の西武プリンスドームで菊池と金子千尋による投げ合いが続いたが、9回に抑えの高橋朋己に直撃した打球がタイムリーとなり、1点を勝ち越される。

 しかしその裏、相手守護神コーディエを攻め、二塁に秋山翔吾を置いた場面で栗山が右中間を真っ二つに破る同点タイムリー。三塁に滑り込んだ栗山が見せたガッツポーズと雄叫びには痺れた。キャプテンの劇的な一打の勢いそのまま、メヒアがサヨナラ打を放って逆転勝利。ファンとしては最高の開幕戦だった。
 【5】グランドスラムでマジック点灯。盟友と二人のお立ち台
・<通算安打数>1711本目
・<日時>2018年9月17日/ソフトバンク戦/メットライフドーム
・<投手>ミランダ

“山賊打線”が打ちまくり、開幕から一度も首位を譲らずに9月に入ったこのシーズン。15日からの2位ソフトバンクとの3連戦も連勝スタート。この日の第3戦に勝てばマジック11が点灯する状況だった。そして、初回満塁のチャンスで栗山が打席に入る。狙っていたかのように低めのボールをすくい上げると、打球はバックスクリーンへ飛び込む先制の満塁ホームラン。マジック点灯を大きく手繰り寄せる一発となった。

 また、8回には中村剛也がダメ押しの3ランを放ち、ライオンズでは珍しい二人同時のお立ち台となったことも思い出深い。山川穂高、森友哉、外崎修汰ら若い選手が主軸として活躍したシーズンだったが、「最後はやっぱりこの二人か」と思わずにいられなかった。

文●nerimamo

【著者プロフィール】
西武線沿線に生まれ、松坂大輔・松井稼頭央がキッカケでライオンズファンに。Twitterで試合のデータや編成に関する投稿をしているが、球場で応援することが最大の楽しみ。メットライフドームのグルメは日本一だと思っている。好きな言葉は「宣言残留」。

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