【2021ドラフト候補ランキング最終版:50~31位】強打のブライトが順位急上昇、前川と鵜飼は圏外からランクイン!<SLUGGER>

【2021ドラフト候補ランキング最終版:50~31位】強打のブライトが順位急上昇、前川と鵜飼は圏外からランクイン!<SLUGGER>

前川(左)は今夏の甲子園で2本塁打。鵜飼(中央)、ブライト(右)は中日の1位候補にも挙げられている。写真:滝川敏之、田中研治

1月と6月に公開した2021年ドラフト候補ランキングは今回が最終版だ。前回のランキング発表後に行なわれた高校野球の地方大会と甲子園大会、社会人野球日本選手権と都市対抗予選、大学野球の秋季リーグ戦を踏まえ、順位にも大きな変動があった。まずは50位から31位までを見ていこう。

▼50位:安田悠馬[捕手・愛知大](前回順位:圏外)
(やすだ・ゆうま/右投左打/須磨翔風高)
愛知二部リーグで今年急浮上してきた左の強打者。185㎝、105㎏という堂々とした体格ながらスイングにキレがあり、その飛距離は圧倒的なものがある。この秋も130メートルを越える特大弾を連発してスカウト陣を驚かせた。捕手としても強肩が魅力だが、打撃を生かすのであればプロではファーストか外野に回る可能性もありそうだ。
タイプ診断:#怪力 #強肩

▼49位:前川右京[外野手・智弁学園高](前回順位:圏外)
(まえがわ・うきょう/左投左打)
高校1年夏から4番を任された左の強打者。選抜から春の近畿大会にかけて少し調子を落としていたが、その後はしっかり復調し、夏の甲子園では2本のホームランを放った。少しぶつけるような打ち方で木製バットへの対応は課題となりそうだが、高校球界でもトップクラスのパワーは大きな魅力だ。
タイプ診断:#長距離砲 #甲子園の星
 ▼48位:粟飯原龍之介[遊撃手・東京学館高](前回順位:圏外)
(あいばら・りゅうのすけ/右投左打)
今年の高校球界を代表する大型ショートストップ。入学時は細身でスピードだけが目立つ選手だったが、年々力をつけて楽々とスタンドまで運ぶようになった。攻守ともにプレーの形が良く、元々の持ち味であるスピードも健在。しっかり鍛えれば、プロでもショートのレギュラーを狙える素材である。
タイプ診断:#大型ショート #将来性◎

▼47位:山本大揮[投手・九州国際大付属高](前回順位:圏外)
(やまもと・だいき/右投右打)
九州を代表する大型の本格派右腕。春は少し調子を落として前回は圏外となったが、夏は改めて能力の高さを見せて再びランクインした。バランスの良さと躍動感のあるフォームで、140キロ台中盤のストレートは数字以上に勢いを感じる。夏は脇腹を痛めて回復途上だったが、それでも見事な投球を見せてスカウト陣を唸らせた。
タイプ診断:#まとまり #フォーム◎

▼46位:鵜飼航丞[外野手・駒沢大](前回順位:圏外)
(うかい・こうすけ/右投右打/中京大中京高)
今年の東都大学野球を代表する右の長距離砲。独特のタイミングのとり方でバットの無駄な動きは気になるものの、インパクトの強さと飛距離は目を見張るものがある。また、体重100㎏の巨漢ながら、外野の動きの良さとスローイングの強さも申し分ない。プロでしっかり鍛えれば中軸を打てる可能性も秘めた選手である。
タイプ診断:#未完の大器 #長距離砲
 ▼45位:京本眞[投手・明豊高](前回順位:圏外)
(きょうもと・まこと/右投右打)
高い将来性が魅力の大型右腕。春までは素材の良さはありながらも、制球を気にしてか腕が振れない場面が多かったが、この夏は見違えるように腕の振りが力強くなり、スピードも145キロを超えるようになった。安定感には乏しいもののフォームにも大きな欠点がないだけに、まだまだここからの成長も期待できるだろう。
タイプ診断:#大型右腕 #スケール◎

▼44位:丸山和郁[外野手・明治大](前回順位:33位)
(まるやま・かずや/左投左打/前橋育英高)
東京六大学を代表する外野手。高校時代からそのスピードは圧倒的なものがあり、3年夏の甲子園では大会最多タイ記録の8盗塁をマークした。この秋は肉離れの影響で本来のプレーを見せることはできていないが、外野手としての総合力は大学球界でも屈指の存在と言える。
タイプ診断:#スピードスター #甲子園の星

▼43位:市川祐[投手・関東一高](前回順位:圏外)
(いちかわ・たすく/右投右打)
東京を代表する本格派右腕。高校1年夏にも甲子園を経験し、どちらかというとまとまりのあるタイプだったが、この夏は最速152キロをマークしてスカウト陣を驚かせた。フォームに大きな欠点がなく、高校生としては高い制球力を誇る。コンスタントに出力が上がってくれば、プロでも将来の先発候補として期待できそうだ。
タイプ診断:#急上昇 #センス◎

▼42位:田村俊介[外野手・愛工大名電高](前回順位:37位)
(たむら・しゅんすけ/左投左打)
長打力と確実性を兼ね備えた左の強打者。1年夏から背番号1を背負うなど入学当時は投手として注目を集めたが、年々打撃の評価が上昇。無駄のないスイングで広角に強烈な打球を放つ。夏の甲子園でも初戦で敗れたものの逆風の中、ライト中段へ運んでそのパワーを見せつけた。左投げながらサードも守れる器用さも魅力だ。
タイプ診断:#スーパー1年生 #広角打法
 ▼41位:田中楓基[投手・旭川実](前回順位:31位)
(たなか・ふうき/右投右打)
北海道では木村大成(北海高)と並ぶ存在の本格派右腕。肩甲骨と股関節周りの使い方にも柔らかさがあり、コンスタントに140キロ台をマークするストレートは数字以上の勢いを感じる。夏の北北海道大会では早々に敗退したものの、将来性に対するプロ側の評価の高さは変わらない。
タイプ診断:#本格派右腕 #柔軟性

▼40位:久保田拓真[捕手・関西大](前回順位:圏外)
(くぼた・たくま/右投右打/津田学園高)
強打が魅力の大型捕手。高校時代はどちらかというと守備が目立つタイプだったが、4年間で見違えるほど打撃の力強さがアップし、春のリーグ戦では3本塁打を放った。強肩も健在だが、この秋はサードにも挑戦して安定した守備を見せている。複数のポジションをこなせる器用さも魅力だ。
タイプ診断:#強肩強打 #ユーティリティ

▼39位:翁田大勢[投手・関西国際大](前回順位:圏外)
(おうた・たいせい/右投右打/西脇工高)
この秋に急上昇してきた本格派右腕。高校時代から兵庫県内では評判の投手だったが、大学での4年間で着実に成長。春は調子を落としていたものの秋にはしっかり復調し、毎試合150キロを超えるスピードをマークしている。変化球には課題が残るが、ストレートの迫力は大学生投手の中でも指折りの存在と言えるだろう。
タイプ診断:#急上昇 #粗削り

▼38位:池田陵真[外野手・大阪桐蔭高](前回順位:29位)
(いけだ・りょうま/右投右打)
強打が魅力の外野手。春のセンバツでは初戦で敗れ、守備のミスもあったものの3安打をマーク。夏の甲子園でも火の出るような当たりのヒットを放ち、さらにパワーアップしたところを見せた。上背はないが鋭い振り出しとインパクトの強さは高校球界でも屈指。センターから見せる強肩も目立ち、将来の中軸候補として期待できる存在だ。
タイプ診断:#右の強打者 #鋭い振り出し
 ▼37位:水野達稀[遊撃手・JR四国](前回順位:49位)
(みずの・たつき/右投左打/丸亀城西高)
抜群のパンチ力とスピードが魅力のショート。社会人1年目の都市対抗でいきなり一発を放ち、今年の日本選手権でもサヨナラ本塁打を放ってスカウト陣に強烈にアピールした。打撃の確実性と守備の堅実さは少し課題だが、攻守ともセンスの高さは申し分ない。高校卒3年目という若さも魅力で、二遊間が不足している球団には狙い目の選手である。
タイプ診断:#スピードスター #大舞台に強い

▼36位:松浦慶斗[投手・大阪桐蔭高](前回順位:圏外)
(まつうら・けいと/左投左打)
高い将来性が魅力の大型サウスポー。春のセンバツでは不振で評価を下げ、しばらく公式戦の登板もなかったが、その後はしっかり調子を戻してきた。夏の甲子園でも雨で難しいコンディションの中で安定したピッチングを披露。体のスケールを考えるとまだまだここから成長することも期待でき、貴重な大型左腕としてプロからの注目度も高い。
タイプ診断:#大型左腕 #スケール◎

▼35位:藤井建平[外野手・NTT西日本](前回順位:48位)
(ふじい・けんぺい/左投左打/大阪桐蔭高→東海大)
高いレベルで三拍子沿った社会人を代表する外野手。ライトから見せる強肩はプロでも上位のレベルで、ヒットでも足を緩めない積極的な走塁も光る。昨年の都市対抗では9番ながら大活躍を見せ、今年は3番に定着し、安定した打撃を見せている。早くから一軍のレギュラー争いに加わることも期待できそうだ。
タイプ診断:#三拍子 #即戦力候補

▼34位:桐敷拓馬[投手・新潟医療福祉大](前回順位:30位)
(きりしき・たくま/左投左打/本庄東高)
関甲新リーグを代表するサウスポー。145キロを超えるストレートとスライダー、チェンジアップを武器に、この春もイニングを大きく上回る奪三振をマークした。本格派サウスポーでありながら、制球に苦しむことも少ない。ここ一番で三振を奪えるだけに、リリーフで大成する可能性もありそうだ。
タイプ診断:#本格派サウスポー #無名校出身
 ▼33位:ブライト健太[外野手・上部大](前回順位:46位)
(ぶらいと・けんた/右投右打/葛飾野高)
春のリーグ戦と大学選手権での活躍で一気にドラフト戦線に浮上した強打の外野手。少しステップは淡白だが、無駄な動きのないスウィングで捉えた時の打球の勢いは目を見張るものがある。センターの守備も打球判断には課題が残るものの、運動能力の高さが目立つ。秋はリーグ戦開幕が遅れたが、変わらずその評価は高い。
タイプ診断:#赤丸急上昇 #運動能力◎

▼32位:竹山日向[投手・享栄高](前回順位:圏外)
(たけやま・ひゅうが/右投右打)
この夏急浮上した高校生の本格派右腕。春までは故障に苦しんでいたが、夏には一気にスピードアップして150キロを超えるボールを連発。愛知大会の決勝で敗れて惜しくも甲子園出場は逃したが、プロからの評価を一気に上げた。小園健太(市和歌山高)、風間球打(ノースアジア大明桜高)、森木大智(高知高)を逃した球団が上位指名する可能性もありそうだ。
タイプ診断:#急上昇 #本格派

▼31位:三浦銀二[投手・法政大](前回順位:22位)
(みうら・ぎんじ/右投右打/福岡大大濠高)
東京六大学で現役最多のリーグ戦10勝を誇る右腕。この春も大学日本一となった慶応大を相手に“ノーヒット・ワンラン”の快投を見せた。凄みには欠けるものの、安定したフォームでコーナーに投げ分けるコントロールも安定している。プロではさらなる緻密さと球威アップが課題となりそうだが、豊富な経験は大きな魅力だ。
タイプ診断:#安定感 #実績十分

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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