「スキャンダルだ!」ペレスのMVP7位に母国メディアが異論。“守備の弱点”指摘には「数字が退屈にさせている」と主張

「スキャンダルだ!」ペレスのMVP7位に母国メディアが異論。“守備の弱点”指摘には「数字が退屈にさせている」と主張

守備の低評価が今回の結果に繋がったとされるペレス。しかし、母国では票数への不満の声が上がっている。(C)Getty Images

各選手のプレーぶりを称える表彰を巡っては、さまざまな議論が巻き起こる。それがMLBのMVPのように厳選された記者たちによる投票形式であればなおさらだろう。
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 現地時間11月18日に大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が手にしたアメリカン・リーグのMVPの結果が波紋を広げている。

 議論の対象となっているのは、満票で選出された大谷ではない。今季二刀流で一大センセーションを巻き起こした偉才の受賞には、各国の識者たちも納得している。物議を醸しているのは、全体7位となったサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)の得票数だ。

 ペレスも今季に球史に名を刻んだひとりだった。48本塁打と121打点でア・リーグ二冠王として存在を誇示しただけでなく、1970年に名手ジョニー・ベンチが残した捕手としてのMLB史上最多記録を更新してみせたのだ。

 それだけに、MVPのファイナリストはおろか、ホセ・ラミレス(クリーブランド・ガーディアンズ/133点)に次ぐ103という結果に異論が噴出している。母国ベネズエラのスポーツ専門メディア『Meridiano』は、「ペレスはキャリア最高のシーズンを送ったにもかかわらず、無視された」と訴えた。

「ペレスは、キャッチャーとして史上最高ともいうべきシーズンを謳歌したが、アメリカン・リーグのMVPはおろか、ハンク・アーロン賞も受賞させてもらえなかった。彼ほどの打者が表彰台にすら上がれなかったという事実は、紛れもないスキャンダルだ。これがMVP争いで7位なのは控えめに言っても不条理である」
  もっとも、ペレスがMVP獲得レースから漏れた理由は守備にあるという見方が大半だ。守備指標のひとつであるDRS(リーグ平均と比べてどれだけ失点したかを表す)はキャリア最低の「−5」と低迷。打撃・走塁・守備・投球を得点価値というスケールに落とし込む指標「WAR」が、『Baseball Reference』でメジャー29位の「5.3」となっていた。

 しかし、『Meridiano』は指標から説く意見に対して「セイバーメトリクスに重きを置いた話はもはや制御不能だ」と一蹴。そして、こう論じた。

「セイバーメトリクスは野球を魅力的にするどころか、年々物事を複雑化させ、退屈なものへと変えている。それはデータを提唱する彼らはすべての事柄を数字で測り、正当化したがるからだ。野球というスポーツは単純なものでありながら、数字や科学面での論評がすべてとなったいま、ペレスの例に代表されるように、本来あるべき魔法や神秘性が失われている」

 いったい「Most Valuable」とは何なのか。波紋を広げ続けているペレスのファイナリストからの選外はそれを改めて問いかけているのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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