【2021主力選手通信簿|広島】日本代表クローザー栗林は当然の最高評価。Bクラスながら投打ともに若い力が台頭<SLUGGER>

【2021主力選手通信簿|広島】日本代表クローザー栗林は当然の最高評価。Bクラスながら投打ともに若い力が台頭<SLUGGER>

新人王有力候補の栗林はセーブ失敗0、被弾もわずか1と出色の成績。文句なしで「よくできました」の評価だった。写真:産経新聞社

全12球団の主力選手の2021年シーズンを5段階の通信簿形式で振り返っていく同企画。各選手のこれまでの実績や期待値も踏まえて査定し、評価していく。今回はわずかな差でクライマックスシリーズ進出を逃した広島カープだ。

※A=よくできました、B=まずまずです、C=可もなく不可もなく、D=がんばりましょう、E=ガッカリです

【投手】
●森下暢仁
[試合] 24 [勝敗] 8-7 [防御率] 2.98
[投球回] 163.1   [K/9]  7.27 [BB/9] 2.87
評価:まずまずです(B)
五輪では金メダルに貢献したが、奪三振率と被本塁打率がともに悪化するなど、圧倒的な成績だった昨年ほどの印象はなかった。それでも投球回、QS率ともにリーグ2位と、エースとしての役割は果たしていた。

●九里亜蓮
[試合] 25 [勝敗] 13-9 [防御率] 3.81
[投球回] 149.0    [K/9]  6.16 [BB/9] 3.08
評価:まずまずです(B)
新型コロナウイルスに感染したこともあり、投球内容は昨年からやや低下。しかし、自己最多の13勝とついに2ケタ勝利の扉をこじ開けて、自身初タイトルとなる最多勝を獲得した。国内FA権も取得したが、オフに3年契約でのチーム残留を表明した。

●大瀬良大地
[試合] 23 [勝敗] 10-5 [防御率] 3.07
[投球回] 146.2    [K/9]  6.26 [BB/9] 1.90
評価:まずまずです(B)
故障に苦しんだ昨年から一転、2ケタ勝利達成と見事に復活。特に後半戦は12戦11QSと安定感抜群で、エースに相応しい内容だった。FA権取得で注目された去就も、九里と同様3年契約で残留が決定した。
 ●玉村昇悟
[試合] 17 [勝敗] 4-7 [防御率] 3.83
[投球回] 101.0    [K/9]  5.97 [BB/9] 3.56
評価:よくできました(A)    
弱冠20歳ながら、苦しい台所事情も相まって交流戦以降は完全に先発ローテに定着。援護に恵まれず4勝にとどまったが、球団では前田健太以来となる高卒2年目での100投球回を達成した。

●床田寛樹
[試合] 16 [勝敗] 5-4 [防御率] 3.19
[投球回] 87.1    [K/9]  8.24 [BB/9] 2.47
評価:まずまずです(B)
交流戦中に「がむしゃらさがない」と佐々岡真司監督に指摘され、二軍降格。だが、再昇格後は別人のような投球で、9月21日の巨人戦ではプロ初完封も記録した。ストレートの力強さが増し、奪三振率8.24は自己ベストだった。

●高橋昂也
[試合] 15 [勝敗] 5-7 [防御率] 5.28    
[投球回] 73.1    [K/9]  6.63 [BB/9] 2.95 
評価:可もなく不可もなく(C)
2019年のトミージョン手術を経て、4月18日の中日戦で3年ぶりに一軍の舞台に返り咲いた。同24日の巨人戦では1031日ぶりの勝利も記録。打ち込まれる試合もあったが、最終的には15先発で5勝。契約更改では500万円の年俸が1200万円に大幅アップした。
 ●コルニエル
[試合] 50 [勝敗] 1-2 [ホールド] 10
[防御率] 3.82    [投球回] 61.1 [K/9]  11.59 [BB/9] 4.11
評価:まずまずです(B)
最速165キロのストレートを武器に、開幕直前に支配下昇格。前半戦は勝ちパターンのリリーフとしても投げた。制球を乱して後半戦は打ち込まれたが、役割を問わず50試合に投げ抜き、リリーフの層の薄さに悩んだチームを支えた。

●大道温貴
[試合] 24 [勝敗] 4-4 [ホールド] 3
[防御率] 4.75    [投球回] 53.0    [K/9]  5.94 [BB/9] 4.25
評価:可もなく不可もなく(C)    
ドラフト3位ルーキーの“快速王子”は、開幕一軍入りを果すと3・4月は11登板で防御率1.64と意外な好投。ただ、先発に回った6月以降は打ち込まれる試合が増えてしまい、後半戦は二軍暮らしが長く続いた。

●栗林良吏
[試合] 53 [勝敗] 0-1 [セーブ] 37
[防御率] 0.86    [投球回] 52.1    [K/9]  13.93 [BB/9] 4.82
評価:よくできました(A)
新人にして、チームどころか日本代表のクローザーに定着。防御率0点台、セーブ失敗0と仕事を完璧に果たした。また、セーブ数は新人歴代最多タイ記録、全打席あたりの奪三振の割合は歴代7位(50投球回以上)と記録づくめの一年となった。
 ●島内颯太郎
[試合] 51 [勝敗] 0-2 [ホールド] 15 
[防御率] 3.12    [投球回] 49.0 [K/9]  9.37 [BB/9] 2.57
評価:よくできました(A)
制球に苦しんだ過去2年から一転、チェンジアップでカウントを取れるようになり、四球が大幅に減少。自己最多の15ホールドをマークして、シーズン終盤はセットアッパーに定着した。

●森浦大輔
[試合] 54 [勝敗] 3-3 [ホールド] 17
[防御率] 3.17    [投球回] 48.1    [K/9]  7.63 [BB/9] 3.91
評価:よくできました(A)
栗林の陰に隠れたが、チームトップの54試合登板、球団新人記録の17ホールドと好成績をマーク。特に後半戦は力で押す投球スタイルで高い奪三振率を記録し、勝ちパターンに定着した。

●塹江敦哉
[試合] 51 [勝敗] 5-4    [ホールド] 17
[防御率] 4.25    [投球回] 42.1    [K/9]  6.17 [BB/9] 5.31
評価:がんばりましょう(D)
左のセットアッパーとして期待されるも次第に勝ちパターンから外され、2度の二軍降格を味わう悔しいシーズンに。ただ、ホールド数は森浦と並んでチームトップと、最低限の役割は果たした。
 【野手】
●西川龍馬
[試合] 137 [打数] 504    [打率] .286
[本塁打] 12 [打点] 60 [OPS] .733 [盗塁] 3
評価:可もなく不可もなく(C)    
不振に苦しんだ前半戦から一転、後半戦は打率.330と復調を見せたものの、18年以降では最低のOPSにとどまった。一方、自己最多の6捕殺と外野守備には向上の兆しも見せている。

●菊池涼介
[試合] 132 [打数] 494    [打率] .277
[本塁打] 16 [打点] 60    [OPS] .762 [盗塁] 1
評価:まずまずです(B)
3、4月の月間MVPを受賞と最高の滑り出しだったが、5月の新型コロナ感染で勢いを止められた格好に。それでも16本塁打と60打点は自己最多で、ポイントゲッターとしての適性を大いに発揮した。

●小園海斗
[試合] 113 [打数] 449    [打率] .298
[本塁打] 5 [打点] 35    [OPS] .718 [盗塁] 4
評価:よくできました(A)
4月の一軍昇格後は、高いコンタクト力を武器にレギュラーの座をがっちりキープ。3割には一歩及ばなかったが、シーズン最後の3試合で13打数9安打の追い込みはお見事だった。
 ●鈴木誠也
[試合] 132 [打数] 435    [打率] .317
[本塁打] 38 [打点] 88    [OPS] 1.072 [盗塁] 9
評価:よくできました(A)
コロナ感染などで前半戦は苦しんだが、後半戦はOPS1.244と大爆発。“通天閣打法”を完成させ、自己最多の38本塁打、首位打者獲得とまた一段階スケールアップした。東京五輪でも全試合で4番を務め、来季はいよいよMLBへ殴り込む。

●坂倉将吾
[試合] 132 [打数 422    [打率] .315
[本塁打] 12 [打点] 68    [OPS] .857 [盗塁] 4
評価:よくできました(A)
不慣れな一塁もこなしながら、リーグ2位の打率.315と持ち前の打力が開花。加えて、自身初の2ケタ本塁打と長打力も伸ばし、捕手では森友哉(西武)に次ぐOPSを記録するなど、球界屈指の打てる捕手として名乗りを上げた。

●林晃汰
[試合] 102 [打数] 357    [打率] .266
[本塁打] 10 [打点] 40    [OPS] .693 [盗塁] 0
評価:まずまずです(B)
5月の一軍昇格後はこれでもかと打ちまくり、一気に三塁のレギュラー格に躍り出た。守備面で不安は残るが、球団史上4人目の高卒3年目での2ケタ本塁打達成と、自慢の長打力の片鱗を見せた。
 ●野間峻祥
[試合] 74 [打数] 250    [打率] .272
[本塁打] 2 [打点] 12    [OPS] .663 [盗塁] 9
評価:まずまずです(B)
ここ2年の打撃不振から立ち直り、後半戦は1番打者としてチームを牽引。9盗塁で失敗1、センターの守備でも好守を見せるなど、走攻守で一定の成果を残した。

●會澤翼
[試合] 70 [打数] 180    [打率] .256
[本塁打] 3 [打点] 22    [OPS] .686 [盗塁] 0
評価:がんばりましょう(D)
2度に渡る下半身の故障で、東京五輪日本代表も辞退と悔しい一年に。得意の打撃面も5年ぶりにOPS.700を下回るなど、シーズンを通して見せ場を作れなかった。

●松山竜平
[試合] 85 [打数] 175    [打率] .263
[本塁打] 2 [打点] 29    [OPS] .679 [盗塁] 0
評価:がんばりましょう(D)
開幕当初はスタメン起用も多かったが、守備難や若手の台頭に伴い、後半戦は代打が定位置に。とはいえ、代打打率は.318と高く、打撃センスはいまだ錆び付いていない。
 ●安部友裕
[試合] 85 [打数] 151    [打率] .252
[本塁打] 1 [打点] 12    [OPS] .624 [盗塁] 2
評価:がんばりましょう(D)
菊池が離脱した際には二塁に入り、5年ぶりに外野守備にも就くなど、守備では献身的な働きでチームを支えた。ただ打撃面は三振の多さが目立ち、一軍定着後自己最低のOPSと低調だった。

●田中広輔
[試合]    81 [打数] 136    [打率] .206
[本塁打] 2 [打点] 8    [OPS] .587 [盗塁] 1
評価:ガッカリです(E)
1番・遊撃の定位置で開幕したが、打撃不振に小園の台頭が重なってあえなくレギュラー落ち。ルーキーイヤー以来の三塁起用が主となり、故障以外では自身初の二軍降格も味わうなど、今季も苦しい一年だった。

●宇草孔基
[試合] 43 [打数] 148 [打率] .291
[本塁打] 4 [打点] 14    [OPS] .764 [盗塁] 6
評価:まずまずです(B)
昨年からOPSを119ポイントも伸ばすなど、持ち前のパワーを活かした打力が向上。10月の一軍再昇格後に1番に定着し、思い切りのいい打撃でチームの快進撃を支えた。

●クロン
[試合] 42 [打数] 130    [打率] .231
[本塁打] 6 [打点] 16    [OPS] .701 [盗塁] 0
評価:ガッカリです(E)
マイナー通算151本塁打の飛ばし屋は、年明け直後に早期来日して日本野球への適応に努めたが、32打数2安打とオープン戦から不発。6月14日の2度目の登録抹消以降は一軍に昇格できず、1年限りで退団となった。

【監督】
●佐々岡真司
63勝68敗12分 勝率.481(4位) 得失点差−32(4位)
評価:可もなく不可もなく(C)
新型コロナ集団感染に見舞われる不運もあったが、就任から2年連続Bクラスでは高評価は与えられない。とはいえ、早々に若手主体の起用に切り替えるなど、次世代のチーム構築を着々と進めている点は評価できる。

文●yuma

【著者プロフィール】
1994年生まれ。シーツ・ラロッカの外国人二遊間に魅せられて以降、15年来の広島ファン。Twitterやnoteにて、主に広島の各選手や戦力についての分析を行っている。好きな選手は同い年の鈴木誠也。Twitter IDは@yumambcp。
 

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