2022年のテーマは二刀流完走の継続。投手・大谷の進化にも注目<SLUGGER>

2022年のテーマは二刀流完走の継続。投手・大谷の進化にも注目<SLUGGER>

シーズン最初の6試合でホームランなしはメジャー5年目で初めて。昨年のMVPにしてはいかにもスロースタートに見えるが……?(C)Getty Images

大谷翔平(エンジェルス)は、開幕6連戦を0本塁打で終えた。4月7日のアストロズ戦、メジャー5年目で初の開幕投手を務め、4回2/3を投げて4安打1失点で今季初黒星を喫した。打者では6試合で25打数4安打の打率.160。期待される結果は残せていないが、「ボチボチですね」と慌てる様子はない。サヨナラ勝ちでマーリンズとのインターリーグ2試合を連勝し、チームは3勝3敗。試合後の大谷の表情も柔らかく、明るかった。

 昨年は投打の二刀流で歴史的な活躍を見せ、メジャーリーグを盛り上げた。シーズンオフは表彰ラッシュとなり、全米野球記者協会の選考では満票でMVPを獲得。歴史的な活躍の功績を認められ、MLBコミッショナー特別表彰も受賞した。

 迎えた2022年は一人のスーパースターにとどまらず、「MLBの顔」として、タイトル獲得や2年連続MVPなど昨年以上の結果が期待される。しかし、MLBと選手会の労使交渉が長引き、今年はキャンプ開始が約1ヵ月遅れた。例年なら1ヵ月超続くオープン戦も3週間に短縮。調整期間が短くなった。それでも、投打で準備が必要な大谷は焦らず、マイペースで準備を進めていた。 オープン戦初登板となった3月21日のロイヤルズ戦。登板後には、安堵の表情を浮かべた。

「楽しく投げられたので、不安なく行けるということがまず、1つ良かったところかなと。やりたいことをしっかり確認して出来たので、次の登板にしっかりつなげていきたい」

 昨シーズン終盤の9月から使用してきた新球の改善を今キャンプでも取り組んできた。スプリットとチェンジアップの中間球とされる沈むボール。打者の手元で落ち、横の変化も加えた新たな武器が使えれば、投球の幅はさらに広がる。9勝2敗、防御率3.18の結果を残した昨季以上のパフォーマンスも、十分に期待できる。だからこそ故障なく、身体の状態を万全にキープしていくことが、最も重要な点でもある。「いい活躍を長く続けるということが一番大事なこと」。二刀流でシーズン完走の“継続”が、大谷にとっても優先事項だと言える。

 今季のテーマについては「1年間しっかりローテーションの一人として投げ抜くこと。その数が増えれば、いい成績が残るんじゃないかなと思う」と語った。昨年は23試合に登板して130回1/3を投げ、規定投球回(162イニング)には届かなかった。だが、後半戦は見違えるように投球の安定感が増し、投手としてのレベルアップにつなげた。登板数が他の先発投手と同様、25〜30試合前後まで増えれば、結果を残せる自信はある。 開幕戦では、本拠地エンジェル・スタジアムに集まった4万4723人のファンから「MVP! MVP !」とかけ声が上がり、大谷の名前がコールされる度に大歓声が鳴り響いた。5回途中で降板した時にも、スタンディング・オベーションと拍手で迎えられた。162試合と長いシーズン。打者はもちろん、投手としてどこまで進化したか、二刀流は全米から注目されている。

文●斎藤庸裕

【著者プロフィール】
さいとう・のぶひろ。1983年、埼玉県生まれ。日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を務めた後サンディエゴ州立大学でスポーツビジネスを学ぶ。2018年から大谷翔平の担当記者を務める。日刊スポーツでコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」を配信中。
 

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