勝率.063と底なし沼にハマる阪神。それでも虎党が嘆く“暗黒時代”よりも本当に現状は酷いのか? 当時の記録とともに振り返る

勝率.063と底なし沼にハマる阪神。それでも虎党が嘆く“暗黒時代”よりも本当に現状は酷いのか? 当時の記録とともに振り返る

今季限りでの退任を開幕前に発表した矢野監督。その決断に対しても周囲からは懐疑的な声も上がっている。写真:産経新聞社

どうにも虎党たちのうだつが上がらない。それもそのはず、なにせ阪神タイガースが開幕からすこぶる調子が悪いのだ。
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 勝率5厘差でリーグ優勝を逃した昨季からの捲土重来を期していた阪神。だが、「イチにカケル!」のスローガンのもと一致団結するはずだったチームは、ヤクルトスワローズとの開幕戦で8対1から逆転負け……。ここから音を立てるように歯車が崩れ、セ・リーグのワースト記録となる開幕9連敗を喫した。

 4月5日の横浜DeNAベイスターズ戦でようやく今季初白星を挙げたが、翌日から今日に至るまで6連敗。さらに今月14日には藤浪晋太郎、江越大賀、伊藤将司の新型コロナウイルスの陽性判定を受け、戦力がダウン。まさに牙を抜かれたような状況だ。

 気づけば首位の巨人とは10.5ゲーム差で、勝率はわずかに.063。開幕17試合消化時点での1勝は、プロ野球史上初の出来事だ。ラストイヤーでのタイトル奪還に懸けていた矢野監督が「まあ、しんどいのはしんどい」と思わず漏らしてしまうチーム状況には、熱狂的な虎党からも悲鳴が上がる。SNSでは「暗黒時代よりも酷い」という言葉すら飛び交っている。
 彼らの言う「暗黒時代」とは、忘れたくても忘れられない期間である。1985年に球団唯一の日本一に輝き、続く86年には3位となったが、翌87年から2003年に星野仙一監督のもとふたたびリーグ優勝するまで、阪神は「亀新フィーバー」(亀山努と新庄剛志のコンビ)で沸いた92年を除きすべてでBクラスになった。

 球団史に残る負の時代とどうしても比較してしまうのは、やはりファン心理ではある。だが、冷静に当時を振り返ってみると、今の方が“マシ”ではないかとも思えてくる。なにせ、この期間の阪神は、球団最低勝率の.331(87年)を記録した年もあれば、2年続けて12連敗を喫した時(98、99年)もあるのだ。強がりだと言われるかもしれないが、少なくとも、矢野阪神はまだ12連敗はしていない。

 ちなみに開幕7連敗以上したチームにAクラス入りを果たした過去がないという不穏なデータもある。それだけを鑑みても、阪神ファンにとっては悲観的になりたくなる日々ではある。だが、若手中心のチームは状況を打破すべく試行錯誤を続けている。14日の中日ドラゴンズ戦では、これまで4番を務めてきた佐藤輝明を2番に上げる大胆な策も講じた。

 かつて暗黒時代を打ち破った星野監督の薫陶を受けた矢野監督が、逆転劇を演じる姿をもう少し、もう少しだけ信じてみてもいいかもしれない――。

構成●THE DIGEST編集部

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